週刊少年ジャンプ2025年10号で白卓HAKUTAKUが終了となりました。全18話
掲載順が8連続でドベという打ち切りのパワーインフレが著しい令和において最長記録を更新した本作ですが、遂に編集部にザラキの呪文を唱えられ、召されていきました。
連載は教会に行っても生き返らないのがツラいところです
それではここから物語の集大成となる最後のコマ、打ち切りになった原因考察について書いていきます。
最後のコマ
こちらが物語の最後を飾るコマです。
出典:石川光貴『白卓HAKUTAKU』(集英社)
もはや最近の打ち切り漫画では義務となっているタイトル回収をしながらゲームオーバーとなりました。
連載が続けばこの白い卓の上で様々なゲームが生まれる予定だったのだと思います
それにしてもこの作品、全18話中の12話はハイドアウトプランがらみの話であり、ゲーム制作漫画というよりはハイドアウトプラン制作漫画となっていたような…
同じく全18話で、その内の6話をケイドロに費やしたレッドフードのケイドロじゃない部分に相当する割合です
恐らくハイドアウトプランの話の序盤で打ち切り宣告され、ケツが決まった以上、新規のゲーム考えるのは労力の無駄であり、ひたすら引き延ばす方向になったのだと推測します。
以下から打ち切りになった原因考察に移ります👇
打ち切り原因① 召喚士と化してるヒロイン
主人公の相棒枠として設計されたヒロインの來暇。
作中で課題や問題が発生するたび、彼女が謎のコネで解決する展開が多かったのが打ち切り原因に挙げられると思います。
出典:石川光貴『白卓HAKUTAKU』(集英社)
召喚される人材がバハムートやオーディン並に有能であり、課題や問題のほとんどor全てを受け持ってくれるので、クラフト漫画の肝である「どうやって解決したか?」がかなりお粗末になっていました。
何より人材召喚ばかりする來暇自身にどんなスキルがあるかは具体的に描かれないので、結果的に人脈の広さにも物語冒頭の2年もの期間ゲーム制作に耽る描写にも説得力が無いものに。
なぜこんな設定にした…
出典:石川光貴『白卓HAKUTAKU』(集英社)
何ならシナリオクラッシャーだったろコレ
打ち切り原因② カタルシスが無い展開
これは作者さんのクセなのか、全体的にスッキリとしないオチが多かったです。
例えばネチネチ主人公をパシってた佐野君にギャフンと言わせることなく第1話が終了
に留まらず、続く2話でモブ生徒にこんなこと言わせたり…(しかも展開上特に意味無し)
出典:石川光貴『白卓HAKUTAKU』(集英社)
詐欺をはたらいてた(本編では詐欺”まがい”として扱われたが)専門学生との決着が、そっけなく謝るだけで終わったり…
出典:石川光貴『白卓HAKUTAKU』(集英社)
公園の性悪オバサンが話数割いた挙句、ゲームと全く関係無い方法で処理されたりと、カタルシスを感じさせない縛りプレイのもとで連載してんのかと思える展開が多すぎました。
出典:石川光貴『白卓HAKUTAKU』(集英社)
こういうのこそ編集仕事しろ案件な気がするのですが……
公園のオバサンはともかく佐野君と専門学生に関しては、何でもできる陽キャだったり、美人なうえに大手に内定決まってたりと「可愛げ」が無く、一般的な読者からすると共感を得にくいキャラ付けがされていたのも始末が悪いです。
それでスカッとする決着が無いのだからそりゃモヤります
打ち切り原因③ 画風とキャラデザ
ある意味これが最大の原因な気がします。
予告絵の時点から画風が二昔前の漫画感があったというか…鋼の錬金術師と一緒にガンガンで連載してそうというか…
とにかく古風とは言わないまでも、今風に言えば平成レトロのそれを感じました。
同期の魔男としのびと並ぶと際立ちますね
以下は過去記事でも載せたグラフですが、作品の第一印象を測るには持ってこいの指標であるジャンプ+の試し読みPV数においても同期と3倍前後の差があり、パッと見で惹きつけるパワーが絵に無かったように思えます。
単行本の表紙に関しても、まあ何というか…うん……
まとめ
以上、私なりに原因を考えてみました。
結局この漫画に必要だったのは主人公が脳汁出すことではなく、読者に脳汁出させることだったという結論になりそうです。
何かと記録を競い合い、さながらオリンピック状態である打ち切り界隈において、ドベ8連続という令和に出た作品ではダントツの記録をマークしましたが、これを超える猛者は令和のうちに出てくるのか…
それでは今回はここまで!
ご愛読ありがとうございました!!
COMMENTS
アート・クリエイティブ系自体漫画という媒体でどこまで表現できるかという壁がある中
一作品作るのに人手も手間もかかるゲームという題材からして厳しい物はありましたね
まあこの漫画の場合その壁以前の問題であったという話はありますが…
コメントありがとうございます。
始めからゲーム制作部みたいのが学校にあって、人材がある程度は揃ってるところから物語進めるんじゃダメだったんですかね。結局この漫画もスポーツ漫画で一番ダメなパターンの仲間集めに尺使ったのが足を引っ張てそうでしたし…
その対応策が有能人材の召喚だったかもしれませんが、使い捨てのキャラがほとんど解決しちゃうのはちょっとなあ
予告絵で4割、中身で6割9部読者を無くした漫画
コメントありがとうございます。
1話の見開き2つ使った脳汁描写で残った読者も汁と一緒に飛び出しってた気がします
作品の持ちネタが汁て
リアリティとリアルは違うんだよな個人的にそれを一番感じたのは2話の女理由としてはなにをやったかより誰がやったかを重視して+で空気も読めんのがまじでリアリティとリアルを履き違えたと思うわ
コメントありがとうございます。
何というか、イヤに合理的なんですよね。まあ空気読めないことも含めて現実の合理主義者ぽくはあるんですが、それは別に漫画のキャラでは求められてないというか…
やっぱ千空てよく出来たキャラだったんだなあと
次回作に期待なんてできねー作者だろとしか
コメントありがとうございます。
1話の巻末コメントによると、次はないつもりで臨んだとのことでしたが果たして次は…!?
さいくる、村上、白卓と去年は3つも産廃レベルの作品を生み出してしまったわけだか予告絵や1話の段階で打ち切りが予見できるほどのものが一体なんで連載会議を通ったのか甚だ疑問。
どれもあまりポジティブな感想を聞かなかった。ジャンプ編集部は真面目に連載会議してるのか疑わしい。1inの次が2inだったところを見るとよっぽど弾が無いのかもしれない。
齋藤現編集長の就任時流石に中野前編集長末期よりは良くなるだろうと思ってましたがこの状況を見る限り齋藤編集長の手腕に疑問を抱かざるを得なくなってきました
佐々木元編集長以来の短命政権になるかもしれませんね
コメントありがとうございます。
ヒットしそうなものを連載にするというよりは、連載のスケジュールに耐え得るものから諸々を汲んで選んでいるのかなと思えますね。ビジネスモデル的にはそれで順当にウケなかったら早々に切り捨てて次を投入するというのが健全な形なんでしょうし。とは言っても村上やさいくるは出来がアレ過ぎたので、連載会議の様子は見てみたいものですが。
弾は…まあ無いんでしょうねぇ…
基本的に新情報がすぐに適用されるpixiv百科事典において
現在打ち切りに至ってなお、未だHAKUTAKUのページは「ジャンプに連載予定の漫画」の一文だけということに気づき乾いた笑いが出た
ほんとーーに誰も興味なかったんだろうなあ…
コメントありがとうございます。
それは笑えますね。でも今見てみたらちゃんと(?)更新されてました!
主に触れられてるのがドベ記録についてなのがまた切ないですが
あまり厳しい言葉使うのもなんですが、
本作ヒロインは女千空とか女蛭魔と言われてましたけども、
自分には90~ゼロ年代ガンガン辺りのファンタジー物の
「主人公の必殺技で一掃される程度の一般モブ顔雑魚魔族」
にしか見えなかったです……
倫理観と作画を一から徹底的にやり直した方が良い気がします
というかゼロ年代基準だと
あれってゴリッゴリの男顔なんだ……
ヒロインの造形はマジで致命傷だったと思うよ
コメントありがとうございます。
ホント昔のガンガン感がすごいんですよね。主人公のデザインとか題材とか
以前グリグリの作者さんが今ウケるであろう画風にアップデートしていくのは本当に大事的なことを言ってましたが、白卓でそれをより強く感じました。
爆速での更新お疲れ様です。
非バトル・非ファンタジーって「どう解決するんだろう?」的なロジックが大事だと思うんですが、そのあたりが人脈パワーだったのが本当に残念賞ですね。
人脈パワーで解決しても、カタルシスがあるならまだ良かったんでしょうが…なんでロジックもカタルシスもどっちも無いんだ。
コメントありがとうございます。
基本的にこの打ち切り原因考察というカテゴリは打ち切り濃厚作が出たら下書きを作り始めてるので爆速で出ます。
ある意味過程が一番大事なジャンルだったと思うのですが、使い捨ての有能人材に任せっきりというのは流石に悪手が過ぎましたね
いっそソーマみたいにゲームが面白すぎて服が四散するくらいならそれはそれで見応えは作れたのかなと思うのですが…
村上もそうですが、自分の漫画なのに作者が題材に興味なさそうなのはどういう訳なんでしょうね
コメントありがとうございます。
やっぱり作り手側の興味関心や造詣の深さとかって表に出やすいんですよね。それが無いとなんか全体的にフワフワしてるというか…
まあ漫画描けてゲーム制作も齧ってる作家となるとそれこそヒロインが召喚しそうなくらい有能人材なので、白卓に関しては題材のハードルが高かったよねと言う結論にはなりますが、村上はなあ……そこまでハードル高かっただろうか
絵柄の時点で0話切りしている読者が多い中で、このカタルシスがない展開
そりゃあ掲載順も最下位連発するよね
コメントありがとうございます。
イメージ的には何層もフィルターが設置されてて、どんどん話進めていくうちにほぼほぼ濾されてしまったように感じます。
割とマジでアンケートの得票率とかは見てみたいです
絵柄も古いのですが、塗りも致命的なくらい古いですよね
1話のカラーの塗りとか昔のコピック塗りで、現代の塗りの技術でどうとでも華やかに見せられるのに、その努力を怠りすぎだろと思ってしまいました
コメントありがとうございます。
技術や流行のアップデートについていけなかったんですかね…?パッと見のルックスや作中でのノリもそうですが、古本屋の100円コーナーにあるえらく日焼けした漫画の姿に面影を重ねてしまいました。
召喚される人材がバハムートやオーディン並に有能
を読んで激しく吹き出してしまいました。上手すぎる。
ひたすら召喚続けて話進めていましたね。
現在のシステムですとドベ記録でこれを上回るのは難しそう、ぐらいの
傷跡しか残せませんでしたね…
普及のドベ10連続を持つ腹ペコのマリーの作者さんが他所でCOSMOSを開花させているのと
違って(もともとあちら実績者ですが)こちらはよほどの方向転換が起きないと今後も
難しそうです。
コメントありがとうございます。
実際有能人材たちがメガフレアや斬鉄剣のように作中の問題や課題を即一掃してくれるので、もう完全に有能召喚獣のそれでしたよね。
マリーは迷走ぷりが凄まじかったこともあり「もしかしたら相当準備不足だったのかも」と思えなくなかったですが、白卓は…う~ん
実績者で準備不足が原因の打ち切りは過去にビルドキング(2020年の新連載大量投入で急かされた的なことを作者が言及)、ガンブレイズウェスト(編集部都合で準備期間を短縮され消化不良に)と前例が大量にありましたし、マリーも6inの数合わせで駆り出された側面は強かったと思います。ちなみにマリーと同期のポロの留学記はその6inのしわ寄せでアシスタントが足りなくなって新人だからという理由であまり手配してもらえなかったようです。
コメントありがとうございます。
ビルキンは単行本で連載経緯が細かに語られてましたが、あれはサム8が編集部の想定に反して大コケしたのと、2020年に人気作がどんどん抜けってたから急遽出動させられたのかと思えてしまいます。ガンブレイズは当時はジャンプ読んでなかったですが、単行本で読んだ感じだとまあ確かに準備不足感がすごかったですね。最序盤から既に間延び感ありましたし…
ポロはアシスタント寄越されないわ、単行本帯に変なこと書かれるわ、ハンターハンター砲に撃たれるわで改めて散々ですね。ホント夜桜が上手くいって良かったと思います。
白卓の担当編集って誰だったんでしょう?
コメントありがとうございます。
鵺やキルアオの浅井編集のようですね
白卓の考察記事、先送りされることなく日の目を浴びましたね。
さて、キルアオの考察記事はどうなるでしょうか? 「残念ですが……」という結果になったら、読んでみたいかなという思いはあります。
コメントありがとうございます。
流石に前回打ち切り村上だけで今回打ち切りゼロだといよいよ代謝が酷すぎるのでどうなることかと思いました
キルアオ…なんか今週の桜花陽一郎の「急すぎませんか?」は読者の気持ちを代弁してて「次の決闘考えてた」は作者の気持ちを代弁してたような…まあどうなるかはまだ本当に分からないですが