週刊少年ジャンプ2024年20号でツーオンアイスが終了となりました。全28話
競技への理解、話づくりの巧さ、叙情的なフレーズで刺さる人には刺さったように見受けられましたが、明確な懸念材料が大きすぎてカバーするには至らなかった印象です。
私も結構な頻度でアンケ入れたり単行本買ったりしてたんですけどね…残念
それではここから物語の集大成となる最後のコマ、打ち切りになった原因考察について書いていきます。
最後のコマ
こちらが物語の最後を飾るコマです。
出典:逸茂エルク『ツーオンアイス』(集英社)
主人公ペアに関しては、たっくんとの対峙やタイトル回収は既に過不足なく終えているので(作者なりに描きたいことはあったようですが)、終わり方については特に語ることは無いです。
たっくんサイドはゴミ女ちゃんとのペア事情や、たっくんの感情が激重になったりと最終回にして色々と展開を放り込ましたが、単行本描きおろしでこの辺りはじっくり描かれるのかな?
だとしたらどっちが主人公か分かんねえなぁ!?
打ち切り原因① 呪術廻戦の存在
まずは少し斜めの視点から。
遡ること2023年43号。ツーオンアイスが連載を開始した本誌の状況を振り返ると、呪術廻戦で五条悟が死に、大きな話題を呼んだ号でした。
出典:逸茂エルク『ツーオンアイス』(集英社)
連載の実績が無く、作家に固定客がついていない作品にとって、連載最序盤で読者の関心を惹くことが何より重要になります。
そんななか放たれた大人気作の大人気キャラの死という展開。
完全に話題を掻っ攫われました
また同期の1話時点での反響を振り返ると、魔々勇々が藤本タツキながやまこはる氏がXで面白いと発言し、カグラバチが海外でミームとしてカルト的人気を博したこともあり、スタートで相当な遅れを取ったことが大きいと考えています。
呪術に関しては本当にタイミングが悪い……
打ち切り原因② 序盤の画力
次は多くの方が思っていたであろう原因について。
やはり画力の問題は最後まで付きまといました。
特に巻頭表紙と以下のコマに代表されるカットはかなりの数の読者をふるいにかけたことと思います。
出典:逸茂エルク『ツーオンアイス』(集英社)
話数を重ねるごとに徐々に作画が安定してきましたが、それでもやはり序盤のイメージを払拭するには今一つ足りなかった模様。
連載ペースに追いつかず作画が不安定になっていくのはよく見られますが、逆は珍しいですね
準備期間が短かったのか…?
原因①と併せて、一番大事な最序盤でズッコケたことが致命的だったのは間違いないです。
打ち切り原因③ たっくんは薬となるか毒となるか
最後はツーオンアイスを語るうえでは欠かせないこのキャラについて。
出典:逸茂エルク『ツーオンアイス』(集英社)
作中において、主人公ペアの存在が霞むほどにはキャラが立っており、本作がただのスケート漫画じゃねぇぞ…なことを示したたっくん。
ちょっとクセ強すぎてここでも読者をふるいにかけてしまったと感じます。
印象的なキャラは出せるだけ出したほうが良いとは思うのですが、この作品の場合、上述のように既にかなり読者を厳選しています。
ここでまた好き嫌いが分かれそうなキャラ投入し、更に選別を進めてしまったように思えます。
私は全然アリでしたが、各所の反応を見る限り受け付けない読者も一定数いたようです
あとは👇のコマを見るに、たっくんに作者の気持ちが乗り過ぎてたかな…?
出典:逸茂エルク『ツーオンアイス』(集英社)
イライラシテテモアイサツハカカサナイネハトッテモイイコ
まとめ
以上、私なりに原因を考察しました。
ツーオンアイス連載以前に載せていたレイルウェイ/ゲイトウェイとふたりは殯の庭で(クリックで読めます)etc.がかなり完成度の高い読み切りだったので期待していたのですが、いざ連載が始まると
あ~コレ自分は好きだけど多分続かないヤツだわ……
という印象は正直なところありました。
月並みな意見にはなりますが、これまでの作品を見るにジャンププラスとかのほうが作風や画風にもマッチしている気もします。
しかし媒体の選択には消費者サイドでは分からない事情があると思いますので、この辺は上手いこと落としどころを見つけてほしいものです。
今回はここまで!
ご愛読ありがとうございました!!
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