回撃のキナトが打ち切りに。原因の考察

週刊少年ジャンプ2026年39号で回撃のキナトが終了となりました。全28話

以下では本作の内容に沿って打ち切りになった原因を考察していくのですが、その前に触れたいのが掲載順推移についてであり、28話のうちセンターカラーを貰えたのが必ず配布される2話目のみという結果に

出典:https://www.jajanken.net/sakuhins/4LwDNLL8B6

30話前後続く作品なら2度目のセンターが配布されるものですが、本作の場合20話前後で終わる水準だったけど、アオハコの円満&ひまてんの(疑似)円満が入り、打ち切りの刃がキナトまで届かなくて約10話分居座る運びになったという事情が察せられます。

居座るというか、完全な生殺し状態でしたが…

それではここから物語の集大成となる最後のコマ打ち切りになった原因考察について書いていきます。

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最後のコマ

こちらが物語の最後を飾るコマです。

出典:雨宮ケント『回撃のキナト』(集英社)

世界を整えるのはこれからだ!でこの漫画は誌面のラインナップから整理されました。

ジエンとのバトルはほぼカットされ、いつぞやに出てきた12席カウンシルなる幹部たちは結局描写されなかったものの、全体で見れば未回収の設定や伏線は無く綺麗に〆たと言えそうです。

出典:雨宮ケント『回撃のキナト』(集英社)

しかしこの「キレイに〆れた」という結果が打ち切り原因の1つに繋がるので、早速打ち切りになった原因考察に移ります。

原因① 目標が弱い

ズバリ物語進めるうえでのキナトの目標が弱すぎました。

冒険者になって人を助けると具体性に欠けており、明確かつ大きな目標に沿って話を進めてたワケではないので、綺麗に〆れたのも結局は大きな目標が無いからどこで肩叩かれてもそれっぽく切り上げられる構成に図らずもなっていたからではないかと思えます。

不完全燃焼になりくい点はメリットですが、やはり応援したくなる主人公には大きな目標が欲しいです

冒険者になるだけなら最序盤で達成しており、当然読み手としてもここから様々なドラマが用意されているとは分かってはいるものの、やはり続きが気になると思わせるには大筋があまりにもボンヤリしていました。

出典:雨宮ケント『回撃のキナト』(集英社)

多くの人間は目標が無いのに努力し続けることが出来ないのと同じで、日常系などを除き目標が不明瞭な漫画には読者がついてこないのかもしれません。

原因② なろう系で見た作風、ジャンプで見た描写

回撃のキナトが始まった時、多く見かけた感想が「なろう系ぽい」でした。

実際連載初期の頃に回撃のキナトで検索しようとすると、サジェストに「なろう」と出てきたほどには読者の中で印象づいたものだったのでしょう。

連載初期頃のサジェスト

そしてこの評価とともに囁かれたのが「ジャンプでなろう系はウケない」という説

自分自身、なろう系作品には明るくないので下手なことは言えませんが、確かになろう系とジャンプ作品は作風やスタンスが相容れないだろうというのは何となく頷けるところではあります。

畑が違いすぎるんですかね

ただ、なろう系が何たるかをボンヤリとしか知らない身としては、キナトがなろう系でもならない系でも別に構わなかったのですが明らかに歴代ジャンプの作品から借りてきたような描写が多かったのはいただけなかったですね…。

某最高のヒーローを目指す漫画僕のヒーローアカデミアで見たようなコマだったり…

出典:雨宮ケント『回撃のキナト』(集英社)

魔法の修行じゃなくてハンターハンターの念の修行流々舞じゃねーか!とツッコまずにはいられない修行内容だったりと、オマージュと呼ぶにはあまりにもモロな描写が見られました。

出典:雨宮ケント『回撃のキナト』(集英社)

そもそも本作に出てくる鉄の牙やら熾天の翼やらのギルド設定が、某諦めないのが俺の魔法な王道少年漫画ブラッククローバーぽいものの、まあこれくらいなら偶然設定やネーミングが似通っただけかもと思えなくもないですが上で挙げた例は確信犯にしか思えません。

これらの既視感を覚えた作品たちは、ジャンプ史でもトップレベルに長い連載期間と影響力を持った偉作たちですが、どういうワケか大昔の打ち切り漫画とも酷似した描写もあります。

この風姿華伝とかいうの、ニセコイの前作で現在でも打ち切り愛好家から熱い支持を受けているあの漫画ダブルアーツにそっくりだ……

出典:雨宮ケント『回撃のキナト』(集英社)

流石に知らない人も多そうなのでリンク貼っときますネ👇

[第1話]ダブルアーツ – 古味直志 | 少年ジャンプ+
あんたがこの手をとったらオレはもう絶対その手は離さない!! …

連載の終盤になる頃に改めて作品名を検索しようとすると、サジェストにはパクリの文字が表示されるあたり、やはり読者としても引っかかる部分ではあったのでしょう。

連載終盤頃のサジェスト

何を発信するにせよパクリと受け手側に認定された瞬間から客足が去っていくorSNSでネタになるかの運命を辿るものであり、いずれにせよ作品の評判に良い影響を与えることは普通に考えれば有り得ません。

オマケに畑違いのジャンルから引っ張ってきたような作風(しかもジャンプではウケない説有り)となれば、独自性の点で非常に厳しいものがあったように思えます。

なろう系の生地の上から色んなジャンプ作品をツギハギした、パッチワークのような漫画でした

原因③ キャラの掘り下げ不足

キナトの前作、累々戦記は短期打ち切りながらも途中から出てきた戸神ちゃんのキャッチーなキャラが話題になりました。

出典:雨宮ケント『累々戦記』(集英社)

その評判を受けてかは不明ですが、キナトは序盤からキャラをハイスピードで投入する所謂キャラガチャを試みていたように見えました。

前作で好評を得たポイントを重点的に攻めていくのは真っ当な生存戦略的ではあるものの、結果的にキャラガチャし過ぎて既出キャラの掘り下げがなおざりに映りましたね…

とにかくガチャが激しくキャラの掘り下げが薄く広くなりすぎてて、主要キャラたるジエンの能力や実力は中々描かれないし、ヒロインのリイネに関しては存在意義はあったのかと思えるほどには読んでて主要キャラの理解を深める機会が乏しすぎました。

出典:雨宮ケント『回撃のキナト』(集英社)

他作品でキャラが当たった例を見ていると、まず目を惹くキャラデザはありきとして、そこにタイミングも絡んできて水物の要素も大きそうですし、もしも最初からキャラガチャ回すの前提で話を進めるつもりだったのならギャンブル性が高すぎるのではと感じました。

あとはお話自体が面白くないと…ね

原因④ 情報の出し方

設定や世界観などの情報の出し方にも難があったように思えます。

突然ですが「整体魔術とは何なのか論ぜよ」と問われて上手く説明できる人います…??

連載開始から順を追って考えてみると、新連載表紙で「サポートファンタジー」と銘打たれており、第1話で整体師をやっている主人公が描写されたことから後援系魔術なんだろうというイメージは湧きます。

ところが第1話内で、自らの力で巨大なドラゴンを倒しサポート以外にも活用できることが判明

ついでに突然生えてくる武器、マッサージボール

出典:雨宮ケント『回撃のキナト』(集英社)

その後も味方の身体強化を行ったりとサポートキャラ冥利に尽きる活用はされるものの、何だかんだ自分にも転用できたり魔力の痕跡サーチもこなせる万能さが目立ち、整体魔術とは何なのかを提示する描写にあまりにも統一感が無さすぎました。

出典:雨宮ケント『回撃のキナト』(集英社)

詰まるところ、整体魔術とは魔力の回路を整える魔術である。つまり魔力がどこかしこに流れるこの世界では万能である。が答えかもしれませんが、出された情報群がとっ散らかってて万能と言うよりは「ご都合主義的な何か」に映り、そもそもの「サポートファンタジー」のキャッチフレーズやタイトルの「回撃」という後援系のニュアンスが先行して提示されていることもあり、やはり納得しにくいものです。

主人公の能力がご都合的なところもなろう系ぽいんですかね

世界観にしてもですが、西洋ファンタジーぽい雰囲気からの急に宝くじ売り場が出てきて胃がビックリしました。

何かこう…そういう出し方は違くない???

出典:雨宮ケント『回撃のキナト』(集英社)

本作はファンタジー世界が舞台となっており、設定や世界観は作者の裁量次第だからこそ、1つ1つの描写を丁寧にしてほしかったですね…

まとめ

以上、原因を考察してみました。

累々戦記は短期打ち切りながらも、非常に高い画力とキャッチーなキャラが印象に残った作品だっただけに次回作には期待してたんですが、厳しい結果に終わってしまったなというのが正直な感想です。

極めて感覚的な話にはなりますが、強味を最大限活かせるポジションにつけたり、執筆活動をする中で良い出会いでもあれば大いに跳ねそうな気配はするんですけどね。

要するに敏腕の原作担当を連れてきてくれ!と言いたいです

それでは今回はここまで!

ご愛読ありがとうございました!!

COMMENTS

  1. 匿名 より:

    >そもそも本作に出てくる鉄の牙やら熾天の翼やらのギルド設定が、某諦めないのが俺の魔法な王道少年漫画ブラッククローバーぽいものの、まあこれくらいなら偶然設定やネーミングが似通っただけかもと思えなくもないですが

    これはブラッククローバーぽいというよりは剣と魔法のファンタジーの定番設定であって、それをブラクロもキナトも活用しているという解釈が正解に近いと思います。TRPGや1989年開始の人気ライトノベルの『フォーチュン・クエスト』などを源流とする「冒険者ギルド(冒険者の店)」という設定は、もはや日本産の剣と魔法のファンタジーの大半で基本フォーマットとなっています。特になろう系では人気のある設定のため、キナトがなろうっぽいと言われた理由の一つだと推測されます。

    • 匿名 より:

      村人から情報を得るにはうちとけるという労力がいるけれど、それを0にするのが便利なギルドですよね。
      それはさておき、ジャンプ編集部も転生とか勧めてくるみたいだから畑違いとは思ってないかも、畑に植えて収穫したいんじゃないかな。

    • 匿名 より:

      ブラクロの時はまだなろう系がそこまで氾濫してなかったから、
      ファンタジーだのギルドだの言っても誰も気にしなかったんだよね

      でも今はなろう系が溢れ過ぎてて「もうお腹いっぱい!」なんだ
      もし今フォーチュンクエストやブラクロをやっても全く受けないと思う
      単純にファンタジーが飽きられてる

  2. 匿名 より:

    28話も連載して(2度目の)センターカラーなしというのは異例であり、直後のロク組から全員配布に変わった(ように見受けられる)ことからも、カラー貰えなかった不運な作品という印象がつきまとう
    しかし、ひまてん終了の影響で1期延長されただけで、打ち切り自体はエヘバとそう変わらない時期に決まっていたと推定すると話は変わってくる

    漫画家にとって、カラーページを描くメリットには「生存保証になるとされる」「読者の目に留まりやすくなり、人気アップのきっかけになる」「収入源であるグッズの素材になる」といったことがある
    (原稿料も高いが、手間を考えるとおそらく特別美味しくはない)
    これらは連載が続く前提での効果で、打ち切りが決まった状況では利点にはならない
    だから、キナトにカラーが与えられなかったのは温情の部類ではないかと思う。打ち切りが決まってる漫画家にカラーを描けという方が理不尽だろう

    以上はあくまで作家側の視点
    読者として○○のカラーがもっと見たかったと思うのは、それはそれで自然なこと

  3. 匿名 より:

    読んではいたが打ち切られて惜しい気持ちは無いな

  4. 匿名 より:

    作画はそれこそなろうのコミカライズとか行けば跳ねそうな感じある
    原作はわからん

  5. 匿名 より:

    流し読みではあったけど、一回くらい自力カラーあげても良かったとは思う。

  6. 匿名 より:

    連続で打ち切られた漫画家に対して「ヒロアカの堀越先生も2連続で打ち切り食らった後でヒロアカを生み出したんだから次こそは…!」的な擁護をよく見るけどさ
    堀越先生の2作目、戦星のバルジは確かに短期打ち切りで終わったが、1作目の逢魔ヶ刻動物園は5巻まで続いたのを割りと皆忘れてないか?
    少なくとも堀越先生にはそれくらいの地力はあったからこそ2度の打ち切りを経てヒロアカに繋がったわけで、2〜3巻の短期打ち切りが続いた漫画家が3作目を当てられる可能性はかなり低いと個人的には思うのである

  7. 匿名 より:

    原作付けるべきというか、もういっそなろうのコミカライズ担当しちゃえば今作の事もネタになりそうだしいいんじゃなかろうか。

  8. 匿名 より:

    なろう系もやりつつ、今流行りの「チー付与」みたいな現代要素入れたかったんだろうな〜感を感じたな
    マジでキャラデザとか絵柄は好きだったのでいい原作付けてラブコメ描いてくれ

  9. 匿名 より:

    Xのサジェストって言う程頼りになるの…?
    現連載陣でも普通につまらない打ち切りパクリとか出てくるのに

  10. 匿名 より:

    そもそもタイトルがダメ
    「回撃」って何?
    いや言いたい事は分からなくはないけど…
    語呂が悪いし別段カッコ良くもない
    しかも主人公がキナトって
    もうちょっとこう主人公っぽいカッコいい名前を思い付かなかったの?
    タイトルと主人公名って超大事じゃない?
    そこからミスってる打ち切り漫画が多過ぎるよ
    (願いのアストロとか…少女漫画のタイトルかよ)

    • 匿名 より:

      それもあるけど主人公がただのモブっぽい見た目で前作と同じ様な見た目がアカンと思うわ
      オテルロクアニマルシグナルとか前作に未練あるのか知らんが何故ぱっと見同じ奴を主役にするんだ

    • 匿名 より:

      言わんとしていることはわかるが、正直難癖だと思う
      ナルト、ゴン、トリコ、デク、坂本太郎など、名前だけなら主人公っぽくてカッコイイと言い切れるか微妙な主人公はけっこういる
      彼らは主人公らしい活躍を見せて人気が出たという結果があるから何も言われないというだけの話ではないか

  11. Longmarsh より:

    最下位続きだったが1回だけドベ3に微浮上したお陰で、ゴンロンエッグの9週連続最下位を超えなかった事だけがせめてもの救いだろうか。

  12. フジタヨエコ より:

    個人的な意見ですが、雨宮先生はラブコメに挑戦してみてほしいです!女性キャラのデザインがすごく魅力的だし、それだけでもう半分成功したようなものだと思います!

  13. 匿名 より:

    オーラの攻防力移動本当にまんまで草

  14. 50歳愛読者 より:

    考察②③はもう大納得と言ったところですね…
    ②初回から感じてた不安要素がそのまま的中した感じ、魔術、冒険、バトルの3要素からイチと被ると思ってたところも、絵がキレイすぎてバトルものは合わないかもしれませんね。
    ③前作累々同様、女子キャラをもっと活かしてほしかったと思うところも…
    雨宮先生は次回もあるものと思ってるし、三度目の正直は女子キャラを主人公にした作品を出すか、一人の匿名さんのいうとおり作画専念か、どちらにしてもまた来年~再来年あたりカムバックを期待しています。

  15. 匿名 より:

    キナトのジエンの区別がつかない
    顔の傷、身長、おさげ髪
    は違うけど
    正面遠めから見た場合のシルエットが同じ

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