2025/04/21配信の第28話をもって深層のラプタが終了となりました。
ジャンプ+は今や本誌以上にシビアな打ち切りを行う場所であり、短期終了したこと自体は何ら不思議とは思いませんが、個人的に色々と思い出深い作品だったので以下で所感を交えながらこれまでの歩みを振り返ります。
めっちゃ面白かった「序」
以下はラプタ単行本2巻の作者コメントの抜粋です👇
2巻が出ました!(中略)この巻でとりあえず序破急の序が終わった感じです。
引用:『深層のラプタ』2巻
この序(導入)が終わったとされる2巻は、主人公ケイの父が死亡し、ゲリラに勧誘される第12話までの内容が収録されています。
正直、ここまでの内容読んでた時はめっちゃ面白かった。
お人好しの少年に恋をした軍事AIという生成AI黎明期の今だからこそ他とは被らない独創的な設定、キャラデザが光るラプタ、そして衝撃展開etc.
激戦区の月曜日を強かに生き抜く武器は持ち合わせており、「これはヒット作になる予感…!!」と柄にもない期待を寄せていました。
出典:空空北野田『深層のラプタ』(集英社)

打ち切りばかり扱うこのサイトで、珍しく面白い漫画として記事で扱うくらいには刺さりました👇
そんな序での大きな期待を胸に、続く破というと……
コレジャナイ感が凄まじかった「破」&単行本売上問題
霧中楼に対するゲリラに入る13話からが本作の破(お話が加速するパート)にあたります。
これはまあ読んだ方にも同じ感想を抱いた方が多いと思いますが圧倒的コレジャナイ感。
序までの内容は計り知れない脅威の存在に目を付けられた普通の少年のお話であり、無力で優しいだけのケイはどう立ち回るのかというフックが常に用意されていました。
しかし破の展開では、内情をよく知る保護者ポジションが出てきてしまい、組織単位でのケイでの活躍にそれほど強いフックを感じられなかったというのが正直な感想です。

ゲリラ内で起きていることが分かりにくかったり、ラプタが2つに別れてややこしかったのもマイナス要素か
破の終盤には、コメント欄が荒れてしまった娼婦爆弾問題が発生。
出典:空空北野田『深層のラプタ』(集英社)
小学生女子が脳イジられて楽しいコトされて爆弾埋め込まれるという胸糞悪さが目立ちましたが、そもそものやり口が妙に回りくどいこともあり、伝説のトンチキアニメであるチャージマン研のボルガ博士を髣髴とさせました。

そうか、胸の中に爆弾が!!
そして作品の生存を分けるうえで、恐らく展開以上に痛手となったのが単行本1巻の売上。
単行本1巻のPOS集計が相当振るわなかったことから、話題になったモノクロのふたり作者さんのポスト(以下リンク参照)に則れば、最短の2巻終了ラインは突破したけど、紙の単行本が売れず次のラインで打ち切りが決まったと推測することが出来そうです。

無料で読めるのに紙の単行本を買わせなきゃ生き残れないとは厳しい業界だ……
こうして破でスベってしまい、本作は最終段階である急に突入します。
駆け足になってしまった「急」
そして物語の締め括りとなる急(クライマックス)に入るのですが、この段階に入る以上、もう打ち切りは決まっていることと同義であり、違う意味でも急な展開となります。
話数をかけて出していくと思われた諸設定の放出が行われますが、特にラプタの真の目的についてはこの回だけ冨樫先生がネームを担当したのかと思える文字量が詰め込まれ、「話数がもう少しあれば…!」と惜しくもなります。
出典:空空北野田『深層のラプタ』(集英社)

このセリフの濁流に作者の悲喜こもごものドラマを感じてからが打ち切り愛好家の第1歩です
そして最終回は全知全能の存在となったラプタの人格が、ケイと地獄にご一緒して所謂メリーバットエンドに。
駆け足ながらもこの落としどころは独特の読後感があっただけに、やはり破の部分で序の勢いを維持できれば…と惜しい気持ちはあります。

それで打ち切り原因と思われる単行本の売り上げが水準以上になるかと言われると怪しいですが
まとめ
以上、ラプタについて管理人なりに振り返ってみました。
単行本や作者さんのXの発言からするに、恐らく始めから物語全体の起承転結全てのプロットを決めていて、それをキッチリと守って進めるつもりだったと思うのですが、そこはやはり本誌以上にシビアな媒体と目されるジャンプ+。
容赦なく打ち切りが宣告され、承と転がほぼカットされた結果、予め決めていた結の見え方が不完全燃焼なものになってしまった印象です。

やっぱ承と転にあたるゲリラ周りの話が…
とはいえ画力と構想力は十分示せたと感じるので、次回作に期待したいところです。
それでは今回はここまで!

ご愛読ありがとうございました!!
COMMENTS
ラプタ終わったんですね
序盤のラブコメ風のまま読みたかったです
ケイの父親の死亡も私はアリでしたけど否定意見も多かったように見えました
やっぱり罪が重すぎてラプタを可愛いという目で見れなくなった人もいたように思います
ゲリラからは・・・ハイ・・・
更新お疲れ様です。
個人的にはゲリラからがかなりやばかったなと
最終回は意味が分からなすぎて3週読んでようやく理解しました
これが作者さんの描きたかったことのすべてですか。打ち切りになったからヤケクソでこういう展開にしたとかじゃなく…
絵は良かったので次回作に期待
色々ツッコミどころありましたが、個人的にはさすがに女子小学生の強姦とか娼婦爆弾はジャンプ系列にしてはかなりセンセーショナルで好き嫌いハッキリ分かれる作風だと思いました。あそこでも相当数の読者が振り落とされたと思います。
ツーオンアイスのたっくんの性被害だってぼかしてたのに。
青年誌かつ女子高生でその手の描写があったBTOOOMですらかなりきつい胸糞だったのに小学生て…。
いっそあやトラや100カノみたいな開き直ったお色気の方が却って健全とさえ思えてきます。
タコピーの原罪の胸糞展開でジャンプラ編集部や作家陣も味をしめてしまった感が否めません。
今後ジャンプラがさらなるヒットを求めるならば安直な胸糞展開頼みは抑制した方がいいと思いました。
正直に言えば終わって良かったなと思います
タコピーのヒットに目が眩んで露悪的な漫画をバンバン出せばいいや、みたいなノリではヒットしないと証明できたので
バズったからジャンプ本誌で連載!みたいなパターンはもうやめて欲しいです
一ノ瀬みたいに出だしのインパクト勝負!内容は知らん、みたいなモノは懲り懲りですなぁ。汚い場面に力入れている感じでしたし。
ケイとラプタのラブコメが見たかったのが正直な所ですね
父親が亡くなったのがターニングポイントですかね
あれでAIとのラブコメ路線が完全になくなってがっかりしました
作者は元々こういう構想だったみたいですけど、只々胸糞悪いだけの展開ばかりで、
読むのが辛くなりました
1巻だけならまだ前例的に1周年くらいは迎えれそうなPOS推移だったのが2巻から転落して二度と戻らないっていうレアパターンでしたね
まどマギ展開やろうとしたけどネタばらしで去った人の分呼べるだけの魅力はなかったみたいなかんじですね
訂正 隔週なので2周年(48話分の5~6巻)ライン
本当にゲリラ加入から一気に流れを失いましたね
ネットでも感想交流が盛んだったのがその辺りから急激に熱が冷めた覚えがあります
ただの小学生が相手するには敵を強大にしすぎて展開が難しくなってしまったと個人的には思います
賛否別れるだろうけど自分は結構好きだし毎週楽しみにしていた
お父さん死ぬところまでは文句無しに面白かったし最後の展開も巻いてはいたけど良かった
やっぱりゲリラ~娼婦辺りがいらなかったかなぁ、そこの部分なしで終わらせてたら短編の名作にはなれてたと思うけどいろいろあったんだろうからとりあえず連載お疲れ様でした
まだ伸び代があると思うので今後に期待
父謀殺!母廃人!同級生慰安婦!
……………で?
で終わってしまった哀しき原石
磨けば最終兵器彼女やまほろまくらいにはなれたポテンシャルはある題材だったのに、ただただアイデアにシナリオが追いつかなかったな
やりたかった事は結末と上の三つなんだろうが、実は戦争の一つも起こせないザコって事にされた金持ちがあっさり洗脳され、博士があっさり幻影に流されたおかげで全部無意味に成り果てたのが皮肉だ
最後まで結局ラプタが何度もサクサク鞍替えしすぎて嘘の嘘の嘘ってより問い掛けに応じて立場を変えるチャットアプリにしか見えなかったのが痛いよ。ラブストーリーなんて他はどんなにガバでもヒロインさえ愛せればなんだっていいはずなのに、よりによってそこをランダムで反応するbotにしたらおしまいよ
無料で漫画を読めるからこそ、単行本の売り上げが重要なのでしょう。WEB閲覧の切り取りで構わないか、作品としてしっかり読んでもらえるかの区別でしょう。