2025年12月01日、2025年の新語・流行語大賞が発表されます。
打ち切り漫画という、言ってしまえば世に広まることなく終わった漫画をメインで扱うこのブログには世間の流行とは無縁ですが、打ち切りを嗜む読者間で生まれる「流行」があるのもまた事実。
ということで、ここでは2025年に生まれた打ち切りに関するワードで流行ったもの(汎用性が高くて多用された等)、そして打ち切り業界に与えた影響力が大きかったものをTOP5で紹介していきます。
5位 「スポーツ3作」
第5位は「スポーツ3作」というワードです。
この言葉が一体何かと言うと、2025年夏の新連載ハルカゼマウンド、カエデガミ、エキデンブロス、ピングポングの4作のうち3作がスポーツ漫画という、かなり攻めた新連載陣であったことを指したものです。


そして全部カタカナという
スポーツ漫画は当たれば競技人口増やすほどの強さがあるうえに他の掲載作にスポーツ漫画が無いことから、偏ったラインナップに編集部の思惑的なものを感じなくもないですが、このスポーツ3作(+カエデガミ)がどうなったかを振り返ってみると…👇
ハルカゼマウンド:2026年打ち切りが超濃厚
カエデガミ:17話打ち切り
エキデンブロス:17話打ち切り
ピングポング:17話打ち切り
……なんというか、凶作と囁かれる2025年を象徴したような結果に見えます。

もう暫くはスポーツ漫画不在でしょうか
4位 「ただの万金丹じゃねぇ」
第4位は2025年21号で打ち切りになった願いのアストロより、「ただの万金丹じゃねぇ」
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)
授業中に先生が「万金丹」と言ったら、前の席のお友達がニヤニヤしながらこちらを振り向いてきそうな単語ですね。


「雲崗石窟」や「金玉均」並みに少年心を刺激するワードです
男子サイテー
ワードセンスからしてただ者ではないのは明らかですが、令和打ち切りの金字塔であるドリトライによる伝説のタイトル回収シーンとフレーズが似通ったことから、掲載当時ちょっとした話題になりました。
出典:雲母坂盾『ドリトライ』(集英社)
Xで「ただの万金丹」で検索すると当時の活況が見て取れます(クリックで見れます)
東京リベンジャーズでメガヒットした大モノ作家が、短期打ち切り漫画のフレーズをコラージュ…(意識したワケではないと思いますが)
これは万金丹同様にただ事ではありませんね。

そもそも「ただの万金丹」って何なんだ
3位 「0話切り」
第3位は「0話切り」。
概ね読んで字の如くですが、連載始まっても最初から読まれないことを指します。
恐らく漫画誌という物が生まれてから常に発生している現象なので、新語でも流行語でもないのですが今年は特に犠牲者が多かった印象です。


まだ生きてる作品もいますが、今後どうなるか…
商業創作、趣味創作、YouTube、ブログetc.何かを発信することにおいてそもそも見られないことが発信側には一番キツいんじゃないでしょうか。
趣味創作やYouTubeやブログはモチベの維持とかは別にすれば、見られるまで改善を繰り返して発信し続ければいいのですが、商業創作では見られないならモチベがあろうと改善しようと発信し続けることが叶わないのが残酷なところ。

新連載キャンセル界隈の中で戦う連載作の過酷さを日々感じる次第です
2位 「ジャンプサッカー」
第2位は「ジャンプサッカー」
文字通りジャンプのサッカー漫画のことですが、短期打ち切り率が異常に高いうえに10話打ち切りを3作も輩出したことから「打ち切られたければサッカー漫画やれ」と言いたくなる魔のジャンルです。
そんなこともあってか2018年初頭に打ち切られたシューダン!を最後に、ジャンプでサッカーを扱う作家は現れず、人々の記憶から消えようとしていました。
だが2025年、ヤツは現れた。


打ち切り愛好家たちの間に衝撃がはしったことでしょう
シューダン!打ち切りから丸々7年の月日を経て、このジャンルに挑むエースストライカーの名はエンバーズ。
内容は…2025年を生きた皆様なら深く心に刻まれていることと思うのでここでは語りませんが、まあそりゃ打ち切られるよなと。

でも全20話なのでジャンプサッカーの中では長寿なほうです
ところで来年はワールドカップの開催年。
割とジャンプは流行りモノに乗っかる傾向がありますが、まさか編集部は来年もジャンプサッカーを投入してくるのか…??
出典:芥見下々『呪術廻戦』(集英社)
1位 「アニメ化」
2025年、打ち切り愛好家に「ジャンプサッカー」以上の衝撃を与えたワードと言えば「アニメ化」だと思います。

アニメ化したら打ち切りからプロテクトされるんちゃうの?
打ち切り関係無いじゃん
と思ったそこのアナタ、それはもう昔の常識です。
アニメ化したら打ち切り候補から自動的に外されることから、打ち切りとは無縁どころか相反する概念に思えた「アニメ化」ですが、時代が変わり、そうとも言い切れなくなりました。
それを如実に表したのが、キルアオの打ち切りと同時にアニメ化発表と超巡!超条先輩の打ち切り後のアニメ化というダブル事例。
一応過去にも初恋限定。という作品が短期打ち切り後にアニメ化したことはあるものの、普通に考えれば有り得ないことであり、それが年内に2度起きるとなると打ち切りとは何か?&ヒットとは何か?の再定義を迫られるほどのパラダイムシフトが起こったと言えそうです。
このような珍事が同時多発的に発生した原因を簡単に考察してみると…
・2作とも連載序盤は絶好調だったこと(重要)
・掲載作の大幅な弱体化がここ何年かで起こったこと
・誌面が弱くなってもジャンプブランドは依然として変わらないこと
・誌面が弱くなってもジャンプのシビアさは根本的には変わらないこと(重要)
こういった要素が絡み合い、化学反応的に起こったのかなと思います。
そして僕の予感ですが、この「打ち切りだけどアニメ化」現象は2025年時点の誌面の環境を見ると、一過性のもので終わらない気がするんですよね。
2026年以降も起こりそうですし、なんなら2025年時点での連載陣からも同じような結末を辿る作品が出てきてもおかしくないなと感じます。

タイトルは伏せますが、あの作品とかね…
オマケ 打ち切り文化功労者 的射純
オマケとして2025年の流行には1歩足りなかったものの、採り上げずに終わるには惜しいGOODキャラクターを打ち切り文化功労者として挙げます。
この項目の主役は俺・俺・俺!エキデンブロスのヘアバンド主将的射純!
出典:野乃大生『エキデンブロス』(集英社)
このキャラの功績は何と言っても疲れたフリ作戦やメンブレバトルetc.生存競争というある意味での「レース」が行われる誌面を語るうえで使いたくなるワードを2つも創ったことでしょう。
出典:野乃大生『エキデンブロス』(集英社)
例えば自分が好きな作品の掲載順が落ちてレースの最後尾になってしまっても

俺の好きな作品疲れたフリ作戦してるだけだし…
あとは追い上げるだけだから……
と自分に言い聞かせることで掲載順下落の事実を落ち着いて受け入れられることから、打ち切りメンタルセラピーに与えた影響は絶大と言えそうです。
このようなワードセンスだけでなく、作中での描写や活躍も凄まじく…
・的射主将の走るパートに3話も費やされ、主人公兄弟のパートがほぼダイジェストで終了
・それに合わせて8年間ケニア送りにされてた主人公兄の選手としての掘り下げはオールカット(不憫…)
・白卓の脳汁を彷彿させる見開き2ページの倒れ込み
出典:野乃大生『エキデンブロス』(集英社)
といった具合に打ち切り漫画の美味しいところを悉く作っていった的射主将の功績には脱帽せずにはいられません。

個人的にはツーオンアイスのたっくんに近い立ち位置ですね













COMMENTS
とうまさん、投稿お疲れさまです。私は、もともと箱根駅伝ファンで
(山の神・今井正人さんの頃から)毎年、TVとラジオで観戦しています。
だからこそ『エキデンブロス』に期待していたんですけど…残念でした(´・ω・`)
全17話、ほぼ毎週 読んでいたはずなのに先ほど『織谷(おだに)大学』と
正しい読み方を知りました。勝手に『オリタニ』と勘違いしていました…。
野々大生 先生、ごめんなさいm(_ _)m
それと『キルアオ』『超巡』アニメ化は私も驚きました
今年は流行語というよりかは出来事の方が多いとかもしれないですね。個人的にはやはりメンブレバトルが一番好きでした
萬金丹っていうお薬が伊勢にありますね(和漢なので穏やかに効く感じのやつです)(てか、アストロの打ち切りって今年の話だったのか……と)
今年はほんまに荒れてた下振れてんなぁって感じたエンバ、B線世代がマシに思えるほどそしてそれは流行語にも表れてしまったなやはりメランコリーとか白卓みたいなタイトル回収がないと寂しいよ
0話切り五人衆の集合画像はメンタルに来るものがあります
編集部はこの犠牲を無かったことにせず未来に活かしてほしいです
初恋限定。なつかしい
個人的にはやはり「0話切り」かなと。
ジャンプラの試読PVがこれを図るに最適な指標として認識され、スタートから転んだ即死作品は概ね判別できるようになったのがこの界隈としては見逃せないですね。
個人的には「地球ってのは、ピンポン球みてーで綺麗だなぁ・・・」にも衝撃を受けました。あの壮大な見開きにも負けない勢いとクレイジーさを感じるセリフで初見の時はしばらく天井を見上げましたよ。
ひまてんやキヨシがpv数7.5万ぐらいだと思うのでpv数7万以下の作品はほぼ確実に0話切りされることが証明されましたね