累々戦記が打ち切りに。原因の考察 – 大人の事情と読むジャンプ
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累々戦記が打ち切りに。原因の考察

②打ち切り原因考察

週刊少年ジャンプ2024年21号で累々戦記が終了となりました。全19話

ドリトライやイチゴーキ!操縦中と同じく、現体制の最速と思われるスピードで駆け抜けた本作。

また、単行本1巻が発売される前に終わるというのも久しく見なかったので、打ち切り学の点でも興味深い結果となりました。

これ以前の1巻発売前の打ち切りはボーズビーツが最後だったと記憶しています。

それではここから物語の集大成となる最後のコマ打ち切りになった原因考察について書いていきます。

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最後のコマ

こちらが物語の最後を飾るコマ(ページ)です。

出典:雨宮ケント『累々戦記』(集英社)

これは誰が入力した文字なのか

あともう1話あれば禅が青葉を庇った過程とか描きたかったんだろうなあ…と言った感じです。

そして煽り文を見るに、単行本は全3巻とのこと。

全19話に対して割とゆとりがある巻数なので、過去に掲載したGIGAの短期連載や読み切り版累々戦記etc.がページ数が許す限り掲載されると予想しています。

ちなみにGIGA短期連載のクロマ-神獣の飼育係-には戸神ちゃんが出てきます

打ち切り原因① 累(かさね)の恐ろしさが伝わりにくい

いわゆる退魔漫画である本作ですが、“魔“にあたる累の恐ろしさが伝わりにくく、読者を引き込めなかったと思います。

出典:雨宮ケント『累々戦記』(集英社)

比較として同じ退魔漫画であるD.Gray-manのAKUMAは、愛する人の死という人間にとって最大の悲劇により創り出される悲しき兵器であり、ドラマ性も兼ね備えた“魔“でした。

出典:星野桂『D.Gray-man』(集英社)

その点累々戦記の累は以前の記事でも触れましたが、絵が上手く描けなかったりと些細なことで発生し、しかも割とあっさり“剝・滅”されていくので「コイツ本当に恐ろしい存在?」と考えてしまうものでした。

出典:雨宮ケント『累々戦記』(集英社)

またD.Gray-manの場合、AKUMAの製作者が世界の終焉を目論んでいるのでガンガン攻めてくるうえに、倒したところで1度AKUMAになった人は人間に戻らないという“魔“を扱うに恥じぬハードな設定。

その点と比較しても累々戦記は優し過ぎたんですよね…

特に累自体に目的意識は無いし、主人公は累だけを切る仕様で緊張感が出にくいというか…

出典:雨宮ケント『累々戦記』(集英社)

ただ呪術廻戦の「ゲラゲラ」のように救いがなさすぎる展開にしても、それはそれで受け付けない読者が増えるので、塩梅が難しいところです。

参考資料

出典:芥見下々『呪術廻戦』(集英社)

自分的にはこれくらいハードなほうが好みでした

打ち切り原因② 1度出した人物や設定が活きてこない

主に序盤の学園編で感じたことですが、出てきた人物や設定がその後の物語で活用されず、使い捨てのようになっていた印象を受けます。

例えば2話に出てきたこのイケメン。

出典:雨宮ケント『累々戦記』(集英社)

2話はこのイケメンを救う話でした。

しかし連載の2話目という大事な時期に出てきたにも関わらず、3話冒頭にちょろっと出ただけで彼の役目は終わります。

出典:雨宮ケント『累々戦記』(集英社)

この後にも異能持ちの“累”なるモノが出てきましたが、その後出てくる累は普通にフィジカルで攻めてくる個体ばかりで死に設定になっていました。

出典:雨宮ケント『累々戦記』(集英社)

この辺の扱いは少しもったいなかったな

そもそもこの学園剥がし屋路線自体がそう長くはもたなかったのですが、この辺はテコ入れで切り捨てられたのか

それとも学園編から少し離れてお屋敷突入編始めるまでは既定路線で、その途中で打ち切りを宣告されたのか

真相は当事者のみぞ知るといったところです。

打ち切り原因③ 無味無臭

ここまで長々と書きましたが、最終的にはやはりこれに尽きてしまいます。

出版社を問わず少年漫画なら鉄板の題材である退魔

人間が普通に退魔する漫画はもう出尽くしているので、+αが重要になるジャンルですがそこが弱かったと思います。

途中から出てきた戸神ちゃんが一部で人気を博しましたが、これを初めから出していたら違う未来があったかは一考の余地がありそうです。

2話のイケメンOUT、戸神ちゃんINで

まとめ

以上、私なりに振り返ってみました。

作者の雨宮ケント先生ですが、連載が決定した際に出身高校のHPで寄贈イラストと共に採り上げられていました。(下記リンク)

「大人に裏切られてもボクだけはキミの味方です」という言葉が心に沁みますが

小さく書いてある「コミックスも買ってね…!」いいアジ出してます

卒業生が連載を持った時点で大々的に採り上げるに値する出来事ですが、ここからヒットして故郷により煌びやかな錦を飾れるか、今後注目です。

それでは今回はここまで!

ご愛読ありがとうございました!!

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