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近年は技術の発展が凄まじく、AIが急速な普及をみせています。
あらゆる分野でAIが活躍する現代ですが、そんな社会の様子をファンタジーの世界観に落とし込んだ漫画がゴーレムハーツです。
週刊少年ジャンプで2017年48号~2018年12号に掲載。全15話、全2巻
以下で中身を見ていきます。
あらすじ(第1話)
~世界観~
魔道学師により創り出される意思を持たない人形、ゴーレム。
市民の生活に根ざしあらゆる分野で役立っている世界。
その世界において何故か意思をもって動いているゴーレムが主人公のノアです。
ゴーレムでありながら失敗ばかりするうえに、嫌に人助けに対して積極的なノア。
出典:大須賀玄『ゴーレムハーツ』(集英社)
まあこちらの世界のAIもおかしなミスはよくするので、ある意味リアルかもしれません
しかしノアの奇行により周りが迷惑を被りまくってるのに、お咎めや作中でのフォローが無いので漫画のセオリーとして色々とマズいことは確かです。
そんなノアの生みの親が同じく失敗ばかりの魔導学師、レメク。
出典:大須賀玄『ゴーレムハーツ』(集英社)
ノアの余計な善意にブチぎれて処分を要求する住民に対して、謎に威圧して煽ってくるという、ノア以上に読者のヘイトを買いそうな性格をしています。
出典:大須賀玄『ゴーレムハーツ』(集英社)
このゴーレムにしてこの親ありか…
そんな読者の好感度が0に近い2人の前に村の女の子が誘拐されるアクシデント発生。
女の子の父親が助けを求めたので応じる2人。というかこの人さっきレメクに煽られてた人なんですが、よくコイツらに頼ろうと思ったな……
出典:大須賀玄『ゴーレムハーツ』(集英社)
住民にも認められ一件落着。そしてこんな目標を掲げて1話終了です。
出典:大須賀玄『ゴーレムハーツ』(集英社)
最後のコマには「二人は共に生きていく あと少しだけ」という、それ連載の時間軸の話?と考えてしまうような文が入りますが、壮大な物語の開幕のように書かれるのが鉄板の1話の締めとしては中々珍しいですね。
出典:大須賀玄『ゴーレムハーツ』(集英社)
具体的にはあと14話です
打ち切りフラグのあの展開が始まる
魔道学師の1.2トップを狙うノアとレメクの前に現れる軍部の人間。
出典:大須賀玄『ゴーレムハーツ』(集英社)
深読みしてしまいそうな顔面とセリフですが、レメクが致命傷を負いながらも退却させることに成功。
この事件を経て、たまたま現場に居合わせた同門のエリート魔道学師のもとでノアの修行を懇願するレメク。
出典:大須賀玄『ゴーレムハーツ』(集英社)
レメクの心の声が善意に付け入るかのような書き方で微妙にモヤらせてきます
そんなかんなでノアはエリートに弟子入りし、修行パートも終えた次にはあの展開が始まります。
試験編です
出典:大須賀玄『ゴーレムハーツ』(集英社)
HUNTER×HUNTERのハンター試験やNARUTOの中忍試験など人気作序盤の起爆剤になっている試験編ですが、一方で見せ場をうまく提示出来ないと試験終わって少し後に突き抜けてしまう諸刃の編ともいえます。
ファンタジーだとレッドフードやメタリカメタルカが試験やった後に突き抜けていきましたね
ゴーレムハーツの場合は更に4年後という数年後展開も組み込まれ、ポンコツだったノアが急に逞しくなり読者視点だと何だか複雑な気持ちになります。
出典:大須賀玄『ゴーレムハーツ』(集英社)
肝心の試験編の内容に関しては…やっぱり練り込みが足りなかったのかなという印象です
超駆け足のラストバトル
試験編終わり。
無事にノアが魔道学師となったところに2話に出てきた欲望を抑えられないタチの人が再登場。ちなみにラスボスです。
出典:大須賀玄『ゴーレムハーツ』(集英社)
この人とのラストバトルが始まったのが最終回であり、なんと2ページという超スピードでノアにガン処理されます。
出典:大須賀玄『ゴーレムハーツ』(集英社)
読んでいてクセになるスピード感
そして2度目の数年後展開。世界1位の魔道学師となったノア。
そんなノアが真の世界1と推している魔道学師が生みの親であるレメク。
出典:大須賀玄『ゴーレムハーツ』(集英社)
世界1位の俺がそう思うんだからお前がナンバー1だという理論で、1話で掲げられたレメクが世界1位、ノアが世界2位という大目標を回収。
出典:大須賀玄『ゴーレムハーツ』(集英社)
レメクに関してはノアが弟子入りしてから活躍どころかラスト2話になるまで姿すら出なかったので、この理論に違和感を覚えること請け合いです。
何もしてないのに世界1になった…
最後はノアがルフィを庇ったエースみたいなこと言って突き抜けていきました。
出典:大須賀玄『ゴーレムハーツ』(集英社)
連載終了の約3年半後、退魔×刀漫画のドロンドロロンを開始。
ゴーレムハーツが何かとぶっ飛んでたのに対し、かなり堅実な進行をしていましたが今度は堅実すぎる故にフックが弱かったのか、5巻には到達したものの打ち切りとなりました。
商業連載って難しい…
まとめ
以上、ゴーレムハーツの紹介でした。
好感を持ちにくい主人公たち、それに対しフォローが無いまま進む展開、構成の練り込み不足etc.打ち切られる漫画を作ってくださいとAIに指示したかのように打ち切りになりやすい要素を色々ブッ込んでしまった印象です。
それにしてもラストバトルは2ページという、これまで読んできた打ち切り漫画の中でも特に疾走感があり、かなりギリギリで打ち切りを宣告されたのかなと思えます。
同時に打ち切られたフルドライブという漫画も強引に終わってました
このラストバトルのスピードに勝るには1ページで終わらせるしかないのですが、今後そのような常識外れのスピード狂漫画は果たして出てくるのか、、、
それでは今回はここまで!
ご愛読ありがとうございました!!
COMMENTS
ゴーレムハーツは最初読んだ時、言い方悪いかもしれませんがマギ、七つの大罪、鋼の錬金術師といった既存のファンタジー作品をツギハギしただけの劣化コピーに見えました。それで主人公が好感持てないのは人気出るわけがない…。
最近の作品で言うなら主人公が印象に残らない点がアイスヘッドギル、1話でマイナスイメージを残したという意味では1話で万引き展開をして荒れたさいくるびよりを思い出します。
一方でドロンドロロンも打ち切りではあったもののキャラのヘイト管理はきちんとできるようになってて嫌悪感は特にありませんでした。ちなみに全5巻は逢魔ヶ刻動物園、人造人間100、ミタマセキュ霊ティ、カガミガミ、ものの歩といった惜しい打ち切り作品が集中するゾーン。
コメントありがとうございます。
画風はファンタジーにマッチはしてたんですけどね…兎にも角にも主人公たちのキャラが一番マイナスだったと思います。
5巻まで出てたら打ち切りとはいえ結構な長さですから生き残りに必要な票数は得られなかったけど、しっかりファンはついていた作品って印象です。ものの歩好きだったなあ
数年後って展開が入るものは打ち切りが多いですね巻いてくださいって言われるのでしょうか?
コメントありがとうございます。
長期連載を想定して作ったプロットを無理矢理ショートカットさせるとするならもう一気に年月を飛ばすしかないんでしょう。これぞ商業連載の残酷さと言わんばかりの手法です