週刊少年ジャンプ2024年41号でさいくるびよりが終了となりました。全17話
8話で掲載順最下位(巻末固定の村上除く)という、新連載補正期間の繰り上げが無い限りは超えようのない記録を叩き出した本作。
打ち切りオリンピック 種目:補正切れの不動のワールドレコードになるかもしれません。
In Paris
それではここから物語の集大成となる最後のコマ、打ち切りになった原因考察について書いていきます。
最後のコマ
こちらが物語の最後を飾るコマです。
出典:小林おむすけ『さいくるびより』(集英社)
お母さんを夢から戻して俺たちの生活はこれからだ!といった感じです。
私が気になったのはお父さんが借金抱えた背景は結局説明されてませんでしたよね…?
よんどころない事情でも説明されるものかと…
お父さんに関しては借金作って亡くなったくらいしか情報が無く、命を落とす程のことがあったとはいえ、家族に借金残してったちょっとアレな人という印象のまま打ち切られたのは残念なところです。
「自分の身にも何が起こるか分からないことも考えたうえで、ご利用は計画的に」という教訓です
以下から打ち切りになった原因考察に移ります👇
打ち切り原因① ほのぼのし過ぎ
「ほのぼの」というワードをこんな使い方する日が来るとは思いませんでしたが、ほのぼのし過ぎでした。
超能力者の日常というコンセプトはいいんですが、超能力者という設定を抜いてもギリやれる程には何てことない日常を描くだけに終始するような話が多く、読者視点では何を見せたいのかよく分からない平坦な物語になっていた印象を受けました。
山梨県が舞台でしたが、展開は山無し谷無しというワケにはいきません
予告にはサイクの力でお悩み解決!とあったので、日常モノにSKET DANCEのようなお悩み解決路線を絡めた話になると思ってたのですが、フタを開けるとひたすら内輪でほのぼのしており一体この予告は何だったのか、となります。
一応最後のほうで透明人間捕まえたりはしてましたが…
打ち切り原因② ノイズにしかならないクライム要素
日常ほのぼの漫画であるさいくるびよりには超能力要素に加え、もう一つ味付けがされていました。
それがクライム要素です。
出典:小林おむすけ『さいくるびより』(集英社)
1話でヒロインがおにぎりを万引きしたり、同居人が読心術使ってカジノでボロ儲けたり、終盤でも宝飾店でモブキャラが万引きしたりと随所にこういった要素が散りばめられていましたが、これが無くても話は動かせそうなうえに面白さには繋がっておらず、むしろノイズになっていたように感じます。
日常漫画に犯罪モノを組み込むのは相当難易度が高そうです
じゃあどうすれば良かったの?と言われたら、扱いにくいクライム要素は最初から入れず、予告のようなサイクでお悩み解決なりして、日常漫画とは蜜月の関係であるハートフル路線に持ってったほうがいいのかなと読者視点では思いました。
打ち切り原因③ 母親の寝たきり設定
物語の大きな軸の1つとして用意されていたであろう、ヒロインの母が寝たきりという設定。
これもジャンルを考えると少し扱いづらい設定だったのかなと思います。
というのも母親が昏睡状態にも関わらず、ヒロインはほのぼのし倒ていたので「母親の件はどうしたの?」と違和感を覚えた方もいるのではないでしょうか。
たまにセリフで触れられましたが、基本的に放置でした
そして母親の件と併せて気になったのが入院費と父親の借金の返済は誰がやったのかという話ですが、下のセリフ見る感じだと国のサイク研究機関とやらが「その他もろもろ」として対応してくれたんですかね…?
出典:小林おむすけ『さいくるびより』(集英社)
借金の後始末までしてくれる国の研究機関…
YouTubeでよく見る国が認めた借金救済の広告もこの組織が運営してるのかもしれません
色々とモヤる事が多く、原因②同様にノイズになっていたと感じます。
まとめ
以上、私なりに原因を考えてみました。
「ほのぼの日常漫画はジャンプでは無理」とは落語漫画が絶好調な以上それは言えず、結局はジャンルの転がし方次第だと思いますが、本作の場合はほのぼの日常漫画というベースから一切転がらないどころかクライム要素やヘビーな家庭事情をブッ込んだ結果、逆方向におむすびころりんしたように感じます。
そもそもの物語構成や画力でも厳しそうではありましたが…
ちなみに作者の小林おむすけ先生ですが、出身地の広報誌でちょっとしたコメントを載せていました。
失礼ながら本作は読者に忖度することなく作者が信じたほのぼの路線を貫く、ある意味硬派な漫画だと思ってたのですが、コメント読む限り一応続く続かないを念頭に置いていたようで、それはちょっと意外でした。
次回作で長く続く作品が出るのか期待したいところです。
それでは今回はここまで!
ご愛読ありがとうございました!!
COMMENTS
問題だったシーンは
ヒロインが万引きする→主人公が見抜く、ヒロインが万引きがバレた事で逃げ出す→主人公がサイクの力で追い詰める→ヒロインは泣きながら母親が寝たきり状態で生活が貧しいと主人公に明かす
ここまでならしっくり来てたのですが肝心な問題点としてはこんな感じ。
主人公がサイクハウスに入居しようと提案。個人的には「主人公があれだけの力を持っているのに何でサイクで解決しないんだ?」と違和感を感じました。
最終回でお悩み解決出来た感じです。というのも最初からやってくれと思いました。新連載予告にお悩み解決と書いてましたが、実際はほのぼのした漫画なので騙された人もいたはず。
コメントありがとうございます。
あのお悩み解決の文言は何だったんでしょうね…私は「日常しか描いてないけど予告に入れる文言がそれだと味気ないから取り敢えず入れてみた」と予想します。
色々マイナス要素が多い1話に目がいきがちですが、中盤の「バケツはただのファッション」もちょっとアレでしたね。バケツかぶってないとサイク使えないとかにすれば幾分かキャラ付けもできただろうに、、、
言い方は悪いけど中身がない漫画だった
あとヒロインの万引きなどで、悪い意味で話題になったのもよくなかったな
いつも考察楽しく読んでいます。
ほのぼのって難しいんですね。
なんか(個人的にですが)読んでてちょっと物足りなかったのは事実です。媒体違ってたら生き残れてましたかね?
プラスの方で姫様や赤猫やカンブリア牧(他にもありますが)がほのぼのになると思うんですけど、どれもそれだけではないですもんね、ifを考えたところでもやっぱ生き残れないかもです。
コメント&いつも読んでいただきありがとうございます。
まとめでも書いたように結局はジャンルの転がし方次第だとは個人的に思いますが、ジャンルとか関係なく作者さんが見せたかったことがジャンプに受け入れられるかと言われたらまあそれは厳しいように思えます。
ジャンプラでやってたしとしても、あそこはとにかく一目アイコン見た時の印象が重要なようなので、そうなると今度は画力の問題がつきまとってくるような…
まあジャンプラは隔週掲載とかで融通がきくようなので、時間かければ実はしっかりと描けるかもとか考えられますが、結局妄想の域は出ないのでやっぱりその辺は何ともわからないですね
コメントありがとうございます。
日常モノに万引きとかのアンマッチだけどそれでいて爪痕残すにも足りないような様子が加えてしまって、一番ダメなパターンに陥ってた印象です。
月並みですが、万引きやらその辺は編集や連載会議で口出しはされなかったのかと思いました
1話が万引きとかのくだりで無駄に悪印象を買いすぎたし、画力や話がジャンプでアンケとるには絶望的に向いてなかった。
毎話読んでも何も印象に残らず、ある意味アイスヘッドギルや累々戦記より無味乾燥。フックのなさではタイパラや血盟より酷いという感想も見かけた。
10話付近で打ち切り宣告されたのか絵が一層荒れてたりで投げやりな姿勢を見せたことで打ち切り愛好家からも冷ややかな目で見られてた。
ドリトライやLIGHT WINGのような打ち切りなりに爪痕を残そうという気概もさいくるびよりにはなかったことに失望した。
画風とか姿勢を根本的に変えないと次何か連載してもまたすぐ打ち切りになると思う。
コメントありがとうございます。
ジャンルとか考えなくても構成や画力でなにかと厳しいところはあったように思えます
タイパク血盟レベルでやらかすと次回作の印象にも主に悪い意味の印象を与えかねないので考えものですが、累々で言えば女キャラのデザインみたく光るものが提示出来れば良かったんですが…
巻末コメント見る限りは折れてはなさそうなので(極東はかなり怪しかったですが)次は色々ブラッシュアップしてくることに期待したいところです
読み切りとかたぬき回みたいな人情系の話が面白い人なのに、なんでそれを捨ててほのぼのに徹したのかがよくわからん
正直作品の中身よりも、掲示板とかでの作品に対しての批判の多さの方が印象に残ったわ
コメントありがとうございます。
週刊連載ペースで人情話が思い浮かばなかったりしたんですかね。結果人情無しでほのぼのにクライム要素ひとつまみしてデバフがかかりまくったように思えます。
ある意味ダイパクや血盟と別ベクトルでヤバい漫画
コメントありがとうございます。
何というか、肝の据わりようは凄かったですよね。
ヒロインの歓迎会に2話使って、後半はBBQとババ抜きしてオチは静かに映画観ましたってなった時は腰を抜かしました
小林先生は前向きなコメントを残しているので頑張ってほしいですね
次回作は競争も激しく読者層も合致しないジャンプではなくまんがタイムやモーニングで連載すれば長期連載も見込めるのでは…と個人的に思いました
コメントありがとうございます。
極東が終わらせ方にしてもコメントにしても不穏だったので、小林先生は安心するコメントでしたね
ジャンプで打ち切られた作家さんは他誌から良い条件で誘いがよく来ると聞きますが果たして…
個人的にはキャラデザもう少しどうにかならなかったのかって感じです
主人公が小学生を縦に引き延ばしたような感じで、高校生にしてはあまりに顔も言動も幼くておまけにバケツはただ好きだから被っているという…
ヒロインはおばさんみたいな体型だし
小学生の子も可愛く描けばいいのになんで麻呂まゆ口なしなのかなとか
仮にキャラデザがよかったとしてもほかもいろいろ問題山積みな感じではありましたが
でも全体的な雰囲気は好きだったので次回作はうまくいってほしいです
コメントありがとうございます。
バケツのところとか如何にも読者にキャラを印象づける良い機会のはずだったんですけどね。ただのファッションて
主人公は別にサイクとか使った描写も無いのに身長や胴が大きくなったり小さくなったり…個人的にはYシャツの着丈が長すぎて羽虫みたいになってるのも気になりました。
ある程度画力は足りなくてもイケるジャンルではあったものの、それ加味してもちょっと厳しかったですね
オマエは俺だ白卓 HAKUTAKU!!
と(さいくるびより)真人から罵られかねない展開になってしまってますね……。
引用にはなるけど、同期2作に比べて「〜だけど」の部分が良い意味でここまで見えない辺り掌返しできる見通しが立ってないように思えてきます。。。
その点で鵺はかなり稀有な事例だったか……
コメントありがとうございます。
白卓3話は記事にしましたが、4話もまあちょっと……アレでしたね(5話もこの調子なら記事予定)
3話の煽り文で今度は2人でゲーム作るみたいなこと書いてたのにまたパートナー探ししてるし、まだ何も凄いことしてないライカが謎に威勢いいし、割とガチ目な詐欺がギャグのノリで流されてるし、かなりこのサイトにとってオイシイ作品になりそうです
皆さん、漫画の評価を真面目にされているので、自分みたいなのはどうかなぁ〜?と思いましたが…。ものすごく、ほのぼのしていて癒されました。担当さんが「とうま」氏なの?よく分かりませんが…一言。ジャンプ掲載時の第8話の完結の所で、雑誌には「ダメな大人は 今日もダメ」と書いてあったのに、単行本にはそのツッコミのコメントが書いてなかったのは残念だった。ラブコメで無い、超能力者たちの話という設定も、まぁ〜どうなのかなぁ〜って感じだったんてすが、個人的には共感出来た所も多々あったので参考になりました。小林おむすけ先生は才能あるんだな〜と思いましたので、次回作も楽しみにしています。
あ、さっきの投稿ですが、さいくるびより の話です。なんかもう、掲載されちゃっていたので…。