新宿スワンと東京リベンジャーズの和久井健先生が週刊少年ジャンプで描く願いのアストロ。
講談社で大成功を収めた作家が、初めて持ち込んだ集英社で挑戦するという背景に漫画家オタクの私は、本作を応援したい欲が刺激されます。
が
まだ水に慣れていないのか、設定や描写がどこかチグハグということは感じている方も多いかと思います。

ツッコミ甲斐ある漫画も大好物なので、そういう意味でも好きな作品です
ということで本記事では願いのアストロのズラした魅力、量産されるツッコミどころについてまとめていきます。

生産され次第随時書き足していく予定です
長大になりそうなので、下の目次をご活用ください。
穏便(?)な跡目の指名
跡取りは実子のヒバルか第1養子の獅鷹かでギャラリーがザワつく中、親父の遺言を押しのけ、跡取りにテラスを指名するヒバル。
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)
ヒバルなりの組が割れないための措置とのことでしたが、いやそんな事したら余計割れるだろうと。
というか指名した瞬間構成員から怒号が飛んでおり、明らかに意図とは真逆の方向になってしまってます。
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)

「はっはっは」と笑ってる場合ではなさそうです
ところで遺言の偽造を行っており、司法書士さんや行政書士さんが黙ってなさそうですが、この人たちは極道だから法的手続き踏んでそうもないのでセーフなんだと思います。
世剣組のビジネス
まずはコチラのコマをご覧ください👇
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)
世剣組はカタギでインバウンド事業やエネルギー開発などに携わってるとのこと。
サラッと書いてるけど世剣組スゲーな!!!

エネルギー開発まで行えるマルチな極道
二代目にテラスが指名されたので死んだ親父は必然的に初代となるのですが、一代でここまでビジネスを拡大出来たとなるととんでもない敏腕経営者です。
いかにも昔気質でケンカ自慢の極道のように描写されていますがビジネスセンスは凄まじく、人を見た目で判断してはいけません。
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)
しかし不安なのが、インバウンド事業やらエネルギー開発やらに携わる従業員が素手で人を殺してぇ人なんですが…
まあ人を思想でも判断してはいけません。
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)
兄弟は何人??
これは別の記事でもあげたのですが、3話内で提示されている兄弟の数がよく分からないことになっています。
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)
上のコマでは13人と発言されてますが、下の写真では11人しか写ってません。
欠席者がいるのかなと思ったら、直後のテラスの発言で余計ややこしいことに。
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)
ここは文脈的に自分たちを含めず13人という意味だと思うのですが…

テラスはケーキの切れない非行少年なのかもしれません
兄弟は11人?13人?15人?
大好きな兄弟
3話終盤、兄弟同士で争うのではなく、説得する道を選んだヒバル。
その心は兄弟みんなが大好きだからという気持ちからでした。

何とも胸が熱くなります
迎える第4話、開幕と共に兄弟の1人であるはずの釦はいらねーと発言するヒバル。
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)
そして顔を合わせるや否やクソザコ呼ばわり。
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)

……まあ嫌いなヤツって頭数にも入れたくないよね、分かる。
派閥の名は。
クランたちが傘下に入ったので、派閥の名を決めるヒバル。
その名はヒバル派
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)
だせぇと不評ですが、それより気になるのがテラスが組長なのに自らの名を冠していること。

自分で指名したのに…
一応2人のスタンスとしては共治体制を掲げているようなので、極道特有の上下関係は無いのかもしれませんが、いざ組が一つにまとまった時に組長テラスが率いるヒバル派というややこしい事にはなりそうです。
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)
逃げるぞテラス
廃屋敷で悪さする輩を成敗する為に潜入するヒバルたち改めヒバル派。
オバケの類が苦手なヒバルはクランが食べられるや否や「逃げるぞテラス」と言います。
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)
パニックに陥った一般的な人間の描写としてはこんなモンなのかなぁと思いますが、ここはジャンプなので仲間を助ける為に立ち向かうとかはして欲しいところでした。

完全にクラン見殺しにする旨の発言だよな…
というかオバケが苦手なのに館入る前のこの威勢の良さは何だったのか…
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)
そして正真正銘「街のチンピラ」であるヒバルにこの発言をするお巡りさんの真意とは…
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)

もう滅茶苦茶だあ
銀次さんのアストロ
父の側近だった銀次さんのアストロが判明。
痩せたいという願いにより、カロリーと引き換えに治癒する能力だそうです。
で、能力使い過ぎでミイラのようになってしまいました。
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)
少し違和感があるのですが、願いが能力になるのがアストロであって「人々を癒したい」とかでこの能力得たなら分かるのですが、「痩せたい」という願いからミイラになってしまうのはあくまで能力の代償であって因果関係がよく分からなくなっている気がします。

そもそも銀次さん体形気にするほど太ってるか?
捕まった間次郎
鷹派に捕まった寅三の部下、間次郎。
コネクター保管室にあった寅三のコネクターを回収、自身のアストロで転送して寅三にアストロバフを付け加える活躍を見せます。
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)
この1つ前の話で「コネクター保管室に間次郎が収容されている」とは語られていたんですが、鷹派はそんな重要な部屋に間次郎を拘束もせず、アストロを回収するワケでもなく収容したってコト…?

そりゃ回収されるわ
せめて身ぐるみ全部剥がして両手両足拘束して室内にも見張り付けるくらいの処置は必要だったように思えます。
組長は誰にしたいのか
第1養子である獅鷹との戦いにて。
第2養子のサツキがお迎えに上がり退散となったところにヒバルのこのセリフ。
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)
前項でも触れたのですが、遺言を偽ってまでテラスを組長に任命したのに、この発言は任命されたテラスの立場を考えると何だかモヤっときます。

優柔不断というワケではないですが、どうしたいねんとはなりますね
次の話で遺言偽造を謝罪し、これで晴れてヒバルがトップのヒバル派という当たり前の組織構成になりました。
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)

この展開は読者の声を受けて軌道修正したものと考えられます
これで1話からツッコまれていたテラス組長問題は解決したのですが、獅鷹が組長でもいい発言は、ヒバルが組長目指す方向性になった以上、ますます意図がよく分からないことに。
この辺も追々回収されるのか…?
ヒバルの全方位爆弾発言
海上プラントでの一幕。
銀次さんと性分の似つかない金羽を不思議に思う養子たちに対して、ヒバルの無神経極まりないこのセリフ。
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)

真っ白い背景にガンギマった眼がイイ味出してます
金羽に限らずこの場にいるヒバル以外全員が養子であり、その状況でコレはかなりの爆弾発言に思えます。

このように見えてる地雷を平気で踏み抜くのもヒバルの魅力です
横浜の被害状況
舞台は東京から横浜へ。
横浜は流星群の被害が甚大なようで、敵のアジトの損壊具合からしてそれが見て取れます。
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)
しかし3話で描かれた横浜は建物の損害は無く、街並みもかなり整っている模様。
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)

まあ横浜も広いし被害状況に差はあるんじゃないの
と思われるかもですが、作中で描かれている建物のロケーションを考えるとやはりおかしい。
まず被害が著しい敵のアジトは、外観からしてBAY QUARTER YOKOHAMAだと思われます。

そして3話でシカバと対羅の間に見える高い建物は、観光地としての横浜の象徴であるランドマークタワー。
タワーの位置的に2人がいるのは下の画像の辺りでしょう👇

BAY QUARTER YOKOHAMAとランドマークタワーの距離を調べてみると……

ほぼ直線で1.7㎞
この短距離でこんなにも被害に差が出るのだろうか…

赤レンガ倉庫や山下公園も無事かな?
【更新分】全てを知っていたシカバ
ヒバルvsシカバの決着と共に差し込まれるシカバと金剛の一幕。
金剛は死ぬ直前に、後継者にヒバルを指名したことをシカバに話し、厳しさを教えてやってくれと頼んでいました。
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)
さらっと読み流してしまいそうですが、第1話では後継者に誰を指名したかは実子のヒバルだけに伝えられていると言われていたにも関わらず、シカバ個人にも伝えられていた事実が発覚。
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)

つまりシカバは養子で唯一、第1話時点で金剛が誰を後継者に指名したかを知ってたという衝撃のネタバラシです
そのうえで第1話のシカバの言動を見てみると…う~んこれ既に結果を知ってる人のリアクションか??
出典:和久井健『願いのアストロ』(集英社)
まあシカバは掴みどころ無いキャラとして描かれているので、ポーカーフェイスなところがあるのかもしれないですが、かの悪名高いヒバルの遺言偽造については「くえねーガキだ」とヒバルの行いをお咎めする様子は一切ナシ。
こういう時こそ金剛の頼みどおり、ヒバルに厳しさを教えてやる場面だと思うのですが…

地獄で金剛も怒ってそうです
まとめ
以上、願いのアストロツッコミどころメドレーでした。
こう見るとヒバルの発言絡みでチグハグになることが多いですね。
冒頭でも書きましたが、突っ込みどころが新たに生まれ次第書き足していくので、次回更新にご期待ください!

ご愛読ありがとうございました!!
COMMENTS
サム8のようにベテランプロテクトで一年は続きそう
コメントありがとうございます。
願わくば連載終了までネタを生産してほしいです
テンポ早いのが明確な長所はずなのに一瞬「え?」って手が止まっちゃう要素が多いですよね
まだ巻き返せる作品だとは思ってるけど不安は増すばかりで…
カロリーとかドス腕とかは日常のささやかな願望が能力になるみたいな感じで割りと好きなとこだったりします(設定上強く願ってるけど)
ツッコミどころなんて一話のあの状況でみんなそろってなんか握って願い事してるからご愛敬ってことでひとつ…
コメントありがとうございます。
テンポも良く読みやすいんですが、とにかくヒバルが何か発言するとそこで???となってしまいますよね
このへんは和久井先生も単行本で修正すると言っていたので、これから整合性が取れていくと思います
確かにヤーさんたちが揃って星に願いをしてるのはちょっと微笑ましいですね
個人的には14話のヒバルが寅三にしがみつきながらビルを登ってるシーンでの2人のサイズ差が気になったな。ヒバルは172センチなんだけどあの感じだと寅三の身長バケモノでは?
コメントありがとうございます。
寅三の身長低く見積もっても2m70cmはありましたね。
まあ国民的アニメのドラえもんですらのび太ママがドラえもんと並ぶと2m以上ある長身なので、この辺の描写は仕方がないのかもしれません
今更のコメントになりますが…
願いのアストロのツッコミどころ探しの記事復活してほしいなぁ
最新話だったら「今の世にこそ極道が必要」というセリフに、「えっ、一話でもあった義侠心とかをここで出してくるならわかるけど、ここで極道という表現を使うの?!」みたいなツッコミを入れたくなるし、ネタには困らないと思います。
コメントありがとうございます。
前にも言われてる方がいたので、個人的に愛おしく感じたツッコミどころ2つを追記しました!
「今の世にこそ極道が必要」のところは和久井先生が前作からアウトローな人たちをそのように描写していたので、個人的にはあまり刺さらなかったんですよね…もう和久井作品はこういうものなんだという認識があったので……その後のヒバル派の会議で何故か銀次さんや寅三がアラガネのある場所を知ってる方がなんでやねんと思いました
どうもどうも、この前こちらの記事の更新をリクエストした者です。
連載開始当初からずっとそうですけどこの作品って読み終わってからツッコミ入れてる時が一番楽しくて、そんな自分のツボをちょうど良く突いてくれてたのがこの記事だったので久々に見れて嬉しかったです。ありがとうございます。
短期打ち切り作品じみたトンチンカンな描写や展開を見せてくれつつ勢い余って周年も突破しちゃいそうな姿が愛くるしいですよね。最近はバケモノになった氷室にドラトライの影を見てしまってこれから新たな伝説の誕生を目の当たりにできるんじゃないかという期待で笑いで胸がいっぱいです。
あーもうめちゃくちゃだよ
でもこのめちゃくちゃ感好きなんだよなあ
読八たちのお陰でサムライ8を最後の最後まで楽しめたし
この作品はネットの読者と合体して楽しい作品だと思う
更新お疲れ様です。
ま、まぁ、ヒバルのやらかしは、ご愛嬌ってことなんじゃないですかね。
いつも楽しく拝見しています。
アストロは私も大好きな作品で、ツッコミどころも素晴らしいので長く続いてほしいと切に願っています。
こちらの記事もいつも楽しく読ませていただいています!
ヒバルの全方位爆弾発言に対するツッコミの「真っ白い背景にガンギマった眼がイイ味出してます」には大爆笑させて頂きました!!
これからもアストロに対するツッコミを楽しみにしています。(*^^*)
コメントありがとうございます。
序盤よりは遥かにツッコミどころは無くなりましたが、未だたまに「えっ?」となるセリフや展開が出てくるのが好きです。
「本当の親子じゃないし」とかのヒバルのサイコパスな発言は狙ってやっているのかとたまに思えます。
アストロそこまで嫌いな作品ではないものの、ヒバルが出てくると面白くないんですよねえ
戦闘描写にしても能力がシンプル過ぎる割に制約が重すぎてアストロと言うシステムが生かせておらず、耐えて耐えて一発逆転の心がつええ戦法しか取れないのは明確に失敗だよなあと