週刊少年ジャンプ2025年41号でNICE PRISONが終了となりました。全19話
早い段階で掲載順最下層という名の牢獄にぶち込まれ、脱獄という名の掲載順アップを果たしたと思ったら、またすぐ最下層に投獄される…を繰り返してましたが、そんな事してるうちに編集部から死刑が言い渡されてしまいました。



お勤めご苦労様でした
それではここから物語の集大成となる最後のコマ、打ち切りになった原因考察について書いていきます。
最後のコマ
こちらが物語の最後を飾るコマです。
出典:すがぬまたつや『NICE PRISON』(集英社)
ラスボス倒して数年後展開という、模範囚以上に模範的な打ち切りエンドで19週間のJUMP PRISONでの服役を終えました。
極めて感覚的な話になってしまいますが、短期打ち切り漫画の最終回というのは作品を通じて作者の悲喜交々(主に悲)の感情が伝わるものですが、本作はそういうのなかったなと。
終始やる気があるのか無いのか分からず、掲載順が落ちてもテコ入れとかでケアしようとする様子もなく、淡々とギャグを連打し、ラストも過不足なく静かに〆る……

打ち切りの醍醐味がどこにも感じられぬ…
以下から打ち切りになった原因考察に移ります👇
打ち切り原因① 質より量で攻めるギャグ
本作の特徴として、ギャグの手数が多いことが挙げられると思いますが、これが一番の打ち切り原因のように感じます。
隙あらばギャグ描写を差し入れるので、まさに「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」を体現したようなスタイルという印象を受けました。
出典:すがぬまたつや『NICE PRISON』(集英社)
このことわざ自体にポジティブな意味合いは無いので、やはり本作に対する印象もそれ相応だったなと。

何の脈絡も無くギャグを入れることもあったのでテンポを阻害してた気もします
出典:すがぬまたつや『NICE PRISON』(集英社)
類似ジャンルと比較しても、並の知識や関心では描けないパロネタを披露するロボコや、1話内で綺麗に因果を収束させてギャグに昇華するウィッチウォッチのように「こんなギャグよく作れるよなあ」という脱帽に似た読み味が全然無いんですよね…

ウィッチのパンと会話する回は「こんなギャグよく作れるよなあ」の最たるものでした
それでもギャグの手数が多いから稀にフッと笑える時はあるんですが、それにしたって遮二無二撃った中の1つが笑いのツボにかすっただけというのは否めず、そもそもその程度の出力ならロボコやウィッチで間に合ってるという人も多かったのではないでしょうか。
出典:宮崎周平『僕とロボコ』(集英社)
転じて打ち切り最大の原因としては、他のギャグ&コメディ漫画が長期連載で市民権を得ている状況下で、優位性を発揮できなかったとも言えそうです。
打ち切り原因② シケたツッコミ
↑の項で挙げたひたすらギャグを連打するやり方に加えて、それに対するツッコミが全体的にテンション低めなのも悪かったかなと思います。

xxxじゃん…(呆れ)みたいなツッコミがほとんどでしたね
テンション低いツッコミが悪いというワケではないのですが、先述の通りギャグが連打される中で、そのリアクションとしてのツッコミが基本的に元気無いからひたすらシケた花火を見せられているような…そんな読み味でした。

斉木楠雄のΨ難みたいに、ツッコミ役が物静かな人物としてキャラが立ってるならいいんですが、ナイプリは別にそんなことはなかったので、もう少し作中のテンション上げた方が読者の気持ちも乗りやすかったように感じます。

いっそビュティくらいのテンションで良かったんじゃないか
出典:澤井啓夫『ボボボーボ・ボーボボ』(集英社)
打ち切り原因③ 作品から醸される「清潔感のなさ」
この記事書いてる人はあまり日本語に自信が無いので、どう表現したらいいのか分からないんですが、何と言うか作品全体に清潔感がないと言うべきか、そんな印象を受けました、
この印象がどこから来るのか考えてみると、糞尿系のネタがそこそこあったので、そういった部分が由来なのは分かりやすいところです。
出典:すがぬまたつや『NICE PRISON』(集英社)
あとは画風やキャラデザから来るものなんですかね?不快ではないけど不潔とも言うべきか。
時代が進み、少年誌の在り様も変わり、今やウ○チ!💩と言えばギャハハと笑ってくれる少年ばかりが読むのではなく、少女も成人男性も成人女性も陰キャも陽キャも普通に読む物になったので、多少なり「清潔さ」みたいなものは気遣う必要があったように思えます。

誰だって不潔なモノよりは清潔なモノの方が良いに決まってます
まとめ
以上、原因を考察してみました。
無料のSNSでウケてるクリエイターが、有料のプラットフォームで作品を掲載したらウケるのか?的な社会実験漫画だったのかと思えてきます。

実験結果は2クール打ち切りでした
個人的には何を取っても印象の薄い作品でしたが、その中でもNICE PRISONで一番印象に残ったところは?と自問した結果、連載開始した時の雑コラ感溢れる巻頭表紙だよなとなった事を最後にお伝えしておきます。


合併号の集合表紙かな??
それでは今回はここまで!

ご愛読ありがとうございました!!
COMMENTS
まあ…1話の時点で察してた人多かったんじゃないですかね
コメントありがとうございます。
何なら新連載巻頭表紙のテリボテ臭さで「まあうん…ハイ」となった人もいそうです
んー何だろ。この作品通してやっぱロボコって凄いって感じた。ロボコの方がギャグセンあるし今のジャンプにはむしろギャグなんか求めてないのかも知れない。
とりあえずお疲れ様でした!四コマは良かったです!
ロボコも面白いけどアレ4割くらいパロディの力だろ
完全オリジナルギャグで当たってる奴は最近いないよ、超条も惜しかったけどダメだったし
コメントありがとうございます。
単純に何をとってもロボコに勝てる要素が無かったのではと思います。なんだかんだロボコって画力も高いですしね
これで純粋なギャグ漫画はロボコだけになったのかな?
ナイプリがこうなるなら、超巡残しておいて欲しかった
ほんとですねえ
ロボ子も流石に味が薄くなってきましたし、ギャグはそろそろ編集長とズブズブの長谷川先生あたりが復帰するかもしれませんね
コメントありがとうございます。
ジャンプのシステム上、超巡の打ち切りは仕方ないのは理解しててもやっぱりそう思っちゃいますよね
なんならプリズン始まった時「これならアストロ打ち切らない方がよかった」みたいな声もチラホラ見たな……。それは気持ちもちょっと分かりますが、ジャンプのシステム理解したうえだとうーんとなりますが
ギャグといえばアグラビの中村先生にまた連載してほしい!
アグラビ今連載してたら普通にアニメ化してそう
あの時代は周囲が強すぎた
コメントありがとうございます。
読み切りですら帰ってくる気配がありませんねあの人。Xは普通につぶやいてるんですが、今なにやってるんでしょう…?
少なくとも俺は次回に期待したいと思った
試し読みできる3話までと比べると絵も読みやすさも話もかなり上がってると思う
1話の模範囚ボールより荻窪の決めゴマのがアツかったし
短期連載の六田氏は主人公がツッコミしてたし、むしろ三星がツッコミやっても良かったんじゃないかな?多分この作者女キャラ描くの苦手そうだし
コメントありがとうございます。
3話くらいまでの内容が酷かったのも打ち切り原因かなとは思います。3話のシマウマが牢屋の格子と同化してどうこうのところとかそもそも隠れてないからギャグにすらなってなかったんだよなあ…
ダーク模範囚やかっさんを固定キャラにするなら3話どころか2話も飛ばしてサッサと遊園地行った方が良かったと思いますね 四天王が幽霊になって再登場したり、キャラが使い捨てじゃないのは伝わるけど仲間加入が遅くて安定感がない
後ギャグバトルにしては設定が重すぎる…ヒロインの父親が死んでるのはまだしも、母親が病気で死亡、父親は死刑になってさらに自分でトドメを刺して地獄に送った主人公が故郷を再生するのは笑いより切なさが勝つわ
セミ人間の出番は何処へ?
多分、ジャンプでの連載はないでしょう、間違いない!!
仮に2作目の連載になったら御免被る
コメントありがとうございます。
ヤバイ既に自分の中ではそんなキャラいましたっけ?状態だ……
取り敢えずは主戦場のSNSで活動再開するんじゃないですかね
ナイプリが打ち切られたのを確認した後、【斉木楠雄のΨ難(さいなん)】の
レベルの高さを再確認しました(自分はアニメからファンになったけど…)
麻生先生、何度か読み切りが掲載されたけど、戻ってくる予定あるんでしょうか?
※土曜深夜にBSフジの番組を観たら麻生先生の妻・未鈴さん(元でんぱ組)が
出演していました。女性アイドルグループが、多数出演したフェスでした
ブームになる直前?にしのびごとの帯書いてたり本誌に関わる意欲はあるようですが
ブームはかなり寝耳に水だったようなので新作はすぐには無理な感じですかね
斉木関連の短編とかくらいはやってくれたら嬉しいのですが
コメントありがとうございます。
正直、比べるのが酷なレベルでナイプリと斉木はギャグの火力にもキャラの立たせ方にも差があると思います。
麻生先生はなんかもう連載は目指さないみたいな話を聞いたような聞かなかったようなって感じですが、どうなんですかね。でも斉木終わってもう終わって丸々7年経ってるからする意志はなさそうですが
ナイプリ作者には責任のない話で気の毒ですが、どうしても「ナイプリ載せないでその枠で超巡残せば良かっただろ」って思っちゃうんですよね
別に超巡ファンではない私ですらそう思うのですから、超巡ファンにとっては許しがたいと思います
また、「ナイプリはたまに上に上がるけどオテルはまるで上がらんからナイプリ>オテル」という推測もありましたが、流石にオテルがナイプリ以下は気の毒だと思っていたので今回明暗が分かれて安心しました
コメントありがとうございます。
内容を吟味しなくても、ぱっと見の絵からして超巡とナイプリだったらそりゃ超巡のほうが見栄え良いですからね(記事の言葉で言うなら超巡のほうが清潔感ある)。やっぱり画風と言う要素は大事です
自分もナイプリのほうが評価上かと思ったらオテルが生き残るとは…もしかしたら本当に人気が上昇してる説もあるのかもしれません
終始読みづらい漫画でした
設定舞台のハードルの高さに対して画力が追いついてない点が足を引っ張り続けた印象でした
コメントありがとうございます。
ギャグのめくら撃ちと言っても決して言い過ぎじゃないレベルで連打してくるから読んでて全体的にやかましすぎました。その割にツッコミはキレがないからやはりノリきれず
情報を処理する間を置いてくれないのが読みづらさに繋がってたんじゃないかなと感じます。
沢山のボケの中で何個かはクスッと出来るんですが殆どが一発ギャグなので爆笑にはならないんですよね
ショーハショーテン読むとなるほどと思わされるんですが笑いって前振りやタメがあることで反動が大きくなるんですよ
スケダン作者はストーリー漫画が本職なせいかこの前振りが本当にうまい
4コマ漫画はその対極で小さいタメと小さい笑いを積み重ねるスタイル
やっぱり4コマで受けてる人に1話構成の話をやらせたのが最大の失敗だったのかなと思います
コメントありがとうございます。
一定数の読者にとって3番以内の面白さに入る作品じゃないと生き残れないというジャンプのシステムを考えると、ギャグ漫画にしても爆発力が求められるんでしょうし、やっぱり「こういうギャグよく思いつくよなあ」という読み味は必要だったように思えるんですよね
湿気た火薬をいくら揃えたところで生き残りは無理だろうと
そういう点でも手軽に見れて手軽な笑いを求めるSNSのほうが向いてる気がします
次回作の方がもっと面白くできるだろうというポジティブな理由の打ち切りもあるそうなので
超巡はそれだと思いたいんですよね
左門くんの方がパンチ力はあったし
沼先生ー!はやく来てくれー!!
コメントありがとうございます。
超巡最終回の巻コメ見る感じだと次回作への意欲はあるようなので、早く帰ってきてほしいです。ちょうど本人も籍を入れたてのようですし…
雑コラ感溢れる巻頭表紙の時点で超巡の打ち切りって決まってたのか?
というのが論点にはなってしまわざるを得ない部分も多いですね😧
正直「監獄ギャグ」としての出来もどうだったのか
みたいな総括にはなってるのも確かです。
コメントありがとうございます。
なんか巻頭表紙にシドクラエンバBがいないから打ち切り決定か?となりましたね。まあ表紙にいた超巡も、いなかったメンツと同じタイミングで打ち切りになったのであの巻頭表紙がどれほど関係してたかは謎ですが。
監獄ギャグって視点で言えば、プリズンスクールとかいうメチャクチャ笑える先輩作がいるからなあ…
なんか謎にヘイト高かったのも原因な気がする
なんかギャグってヘイト買いやすいよね村上とか
それは因果関係が逆な気がします。内容が面白くないからヘイトが生まれるという順番かと
コメントありがとうございます。
ナイプリが始まった時の状況を思い出すと、同ジャンルの超巡が次の改編でいよいよ打ち切りになりそうという状況であり、そこで後釜かのように入ってきたナイプリを見て「これが超巡の代わりなの…!?」みたいなムードになっていた気がします。だからまあヘイト買ったのは当時の環境も後押ししてたのかなあと思いますね
メゾペン方式で延々と4コマ載せてた方がまだ続いた説ある
コメントありがとうございます。
4コマはやはりこなれた感じがしたからまだそれのほうがチャンスがあった気がします。ただもし4コマスタイルだったとしたら、誌面が明らかに不景気の今に4コマで枠潰すのはちょっととはなってしまいそうですが
かっさんは好きでした
それ以外は……まぁ…
コメントありがとうございます。
自分はこの作品で好きなキャラは?と問われたら結構困りますね。それくらいキャラを見せることなくひたすら単発ギャグ連発いたなという印象しかない…
ナイプリの感想しばらく見てたのですが、清潔感の部分で結構同じこと言ってる人多かった気がします
なんていったらいいんですかね、あの汚ねえなみたいなやつ…でも汚いんですよね、絵面が
コメントありがとうございます。
なんなんでしょうねホント、不快というと言い過ぎになる気もするし…垢抜けてないというのもちょっとニュアンス的に弱い気もするし……やっぱり一番しっくりくるのが不潔なんだと思います
更新お疲れ様です。
とうまさんの分析はもちろん、コメ欄の方々の書き込みもなるほどなと思わされて赤べこになってます…!
清潔感に関しては、小汚いおっさんおばさんで笑いを取ろうとする芸風も影響してるんですかね。
画力で劣っていたおむすけ村上さいくるあたりは、不潔感という印象はありませんでしたし。
あとシドなんかと同様に、舞台設定がなまじ不謹慎な印象を与えるのも人を選んだ気がします。
コメントありがとうございます
ナイプリに関しては総じて華が無さすぎたとも言えそうです。
おむすけは骨格おかしかったし村上は丸い顔に対してヤケに高い頭身だったりしたから、見てて不潔感じゃなくて不安感を覚えましたね……
正直ギャグ枠もサッカー枠に並ぶ呪いのジャンル枠と化している気がします
理由としては現在のWJは唯でさえバトルの超ヒット級看板後継作が不足している都合上、ギャグよりバトルがより一層求められているのと、1話完結が多いので本筋で注目されるストーリー系よりも見限られるのも飽きられるのも早いのだと思います
ウィッチウォッチのヒットはギャグ一本だけで無くラブコメやバトル要素の本筋があり、ローファンタジーでスケダンよりもオールマイティに出来る作風でシリアスに賛否はあれど注目されたのもあるでしょう
打ち切り食らった超巡はギャグ一本で安定していた反面火力も加点もロボ子ウィッチより足りなかった印象が否めず、「好きだけどアンケ入れる程ではない」で伸びなかったのだと考えられます
この頃のギャグ枠は実力不足の作家が続いているようですが、今回のナイプリは外部からの参加である点を踏まえると、後継者が育ってないのでしょうね
加えてウィッチウォッチ超巡以外のギャグ漫画家が全員帰還してない、逆に呪術の作者が短期スピンオフで早々と帰還し、最初コメディしてたサカモトキヨシが早めにバトルに移行したのも、今のジャンプはバトルが欲しいからギャグはこれ以上いらん、という空気が漂ってるのかもしれません
現状の残された希望は超巡の作者が帰還してくれるかどうかと思います、こち亀はもう不定期ですし、ロボ子ウィッチがいつまで持つか分かりませんし
この人は外部参加じゃなくてロボコ作者と赤塚同期のオールドルーキーですよ 読み切りもちょいちょい載せてるし短期連載もしてた
この方「Xで3億インプレ&1千万いいね超えのスーパーギャガー」て打ち出した辺り
SNSでインプレとかいいねとかスゴイみたいですが
その割に少なくとも自分のオススメ欄ではタダの一度たりとも表示された事無いんですよね……
もしかしてジャンプ系に限らず「商業誌で漫画読んでる層」とは
そもそも笑いのツボ・ノリが食い違い過ぎだったんじゃないですかね……
あと「無料のSNSでウケてるクリエイター」もピンキリで
アニメ化&グッズ展開まで行ってる方も少なくない事考えると
残酷ですがこの方は「キリ」だったんじゃないかと……
割と一定の水準の面白さがあったアストロや超巡を打ち切って連載したのがこれですからねぇ。村上も然り、新連載のクオリティが期待以下な物ばかりで本当に人材不足してるんだろうなぁと。そりゃ、鵺切れんわ。
ただ旧ドベ4は鵺も含めて固定層が強くてコミックスは売れても本誌に貢献しないっていう状態だったので…
実際にテコ入れの痕跡見られてそれでもダメだったから無理に押し出されたというかそういう感じもしますね
身内ですらリトライしてくれる貴重な人材で強く出れなかったのか結果として新人で大規模なテコ入れ通りやすかった鵺が生き残ったというのは皮肉ですがね