灯火のオテルが週刊少年ジャンプ2025年33号掲載の第10話で掲載順が下から3番目となりました。

北欧神話では、打ち切られた作品は英雄の館に旅立つと伝えられていますが、10話で下から3番目となると館の戸口くらいまでは見えてる状況です。

2度目のセンターカラーを待つのも虚しくなってきました
10話というキリの良い話数でもあるので、ここいらで掲載順が落ちた事実を絡めて作品の抱える問題点を考えていきます👇
問題点① 設定や展開の平坦さ
管理人は4話のお風呂展開がダメだったと他の記事やコメント返信で言い続けてますが、「それ以前の問題では?」という声をよく頂いてました。
いやホント仰る通りでございまして、物語そのものがあまりにも平坦なんですよね。
管理人やこのサイトのターゲット層でもある漫画読み慣れてる人でなくても、どこかで見たことあるといった読み味を覚えそうなほどには、設定や展開に至るまでファンタジー創作のテンプレをなぞっており、毒にも薬にもならぬといったお話で読者を惹きこめないのかなと感じます。

ファンタジー漫画で生き残るにはどれだけ個性が演出できるかと言えそうです
そういう点ではあのお風呂展開こそある意味最高に「個性」が出てた展開ですが、何というかサムライ8的なズラしで毒になってしまったというか……
出典:川口勇貴『灯火のオテル』(集英社)

岸本先生も一目置きそうです
問題点② 分かりづらさ
画力が高いと評判な本作ですが、それは別にしてちょいちょい作中で何が起きてるか分からないことがあるように思えます。
特にそれを強く感じたのが9話の心臓炉にどうやって安全に辿り着くかという場面。
出典:/川口勇気『灯火のオテル』(集英社)
氷を斬ってその礫を結着させて柱にして、そこに剣をブッ刺して安全に(?)着地するというシーンなのですが、初見では

何で斬った氷が当たり前のようにくっ付いてるん???
となりましたし、同様の疑問が湧いた方もいるかもしれません。
これ、よく見ると斬った氷の中にオテル界のマップ兵器である侮辱の柱が混じってて、その効力で氷の柱を作ってるんです。
出典:/川口勇気『灯火のオテル』(集英社)

大きく映ってるのによく見ないと分からない不思議
このシーンの前後に侮辱の柱は穴に落とすことが出来たかも不明。
初見で何が起きてるか分かった人いますかね…?
これはあくまで顕著な例であり、平時でもバトルが見にくいといった声がチラホラ。
出典:川口勇気『灯火のオテル』(集英社)
背景が黒基調なことが多く、主人公の属性たる炎も黒の面積が大きく描かれているので、そういう点で見づらくなってるのだと思います。

あとは単純に構図の問題でしょうか
問題点③ イマイチ定まらないオテルのキャラ
主人公のオテル君ですが、10話になっても未だに彼のキャラが掴めない部分があり、感情移入しにくいのかなと思います。
ジャンプ主人公として真っ当な性格で描かれていると思いきや、急に真顔で後先考えない一面を出してきたり、敵の占領地で雲1つ無い笑顔でドワーフの聖地にワクワクしたりと週を跨ぐと若干キャラが変わっていることがあります。
出典:川口勇気『灯火のオテル』(集英社)

やりたい展開に合わせて性格が変わっているようにも見え、キャラ作りが場当たり的になっているような…
またお風呂展開の話になってしまいますが、大ゴマで身を焼きながら戦士であることを証明すると啖呵切って、頭の中では風呂沸かすこと考えていたのも引っ掛かります。
どこぞの自分のことを赤尾リオンと思い込んでいるイケメンのように他の人格がいるのか…?
出典:鈴木裕斗『SAKAMOTO DAYS』(集英社)

俺は赤尾リオンなんだ、誰が何を言おうと赤尾リオンなんだ。
総じて自分の中では「何を考えてるのか分からないショタ」という印象になってしまっているのが惜しいところです。
まとめ
以上、オテルが掲載順オチルした件についてでした。
まだ2度目カラーを貰える可能性も無くはないですが、結局のところ上記で挙げたような点を直さない限りは長くは続きそうにないと思います。

流石に自分の中でも「絵が良い」だけではフォロー出来なくなってきました
一応秋の改編が小規模になりそうなことから(詳細は以下リンク)、もしそこで新連載が1つしか入らないならオテルより確実に支持を得ていないNICE PRISONがいるので助かりそうですが、2つ入ってきたら………
それでは今回はここまで!

ご愛読ありがとうございました!!
COMMENTS
画面のリッチさという一点だけはそれこそヒロアカとかドクストに引けを取らないレベルなのに、展開が垢抜けなさすぎる。ホントに初期の頃のカグラバチも一瞬同じように感じたことあったけど、あっちは双城でリカバリー大成功したからな~。オテルもそろそろ最近の連載作でいう双城とか反世界みたいに圧倒的な引力を持ってるキャラ出てこないとキツそう。
コメントありがとうございます。
結局今戦ってる武人肌の敵も既に出尽くされたキャラ感はあるからなあ…。展開にしてもテンプレのファンタジー世界観からそれといった味付けもされずお出しされてるからまあ厳しいです
ずっと微妙なんだよな風呂は論外としても2話の棒に鬼滅と違ってオテルは敵を圧倒したはずなのに要領を得ない理由で修行に行かされる展開も普通はしないし
コメントありがとうございます。
鬼滅と違って修行パート持ってくる必要性みたいなものが明確に提示されないのが悪いんですよね…。オテルの場合は「それ実戦で身に着けるじゃダメなの?」となるというか。
というか鬼滅にしたって超大ヒットした事実があるから是とされてますが、まだ名が知れてない連載当時の感覚だと結構綱渡りな構成だったんじゃないかと思います。
戦いもせずに修業始めた後に作者謹製の仲間たちの待っている特殊組織への登用試験を受けるパターンが、たまたま偶然運良くものすごく当たった極少一握りの作品がやってただけであって、ぶっちゃけテンプレそれ自体としては誰でも使いこなせて一定品質を導き出せるものじゃないってのに同意
同時期にハイファンタジーが魔男のイチ、カエデガミとあり、すでにほぼ立ち位置を確立しているイチと比べて、どうしても票の入れにくさがあります。
やや分かりにくいストーリー、覚えにくい名前、ショタすぎる主人公(ここが特に女性読者票を得られていない気がします)
コメントありがとうございます。
魔男の存在は大きいですね。オテルは画風が武器になりそうですが、それは魔男にも同じことが言えそうなあたりいよいよ分が悪いです。
カエデガミもやりづらそうだなあとは思います
オテルもですけど他のキャラもイマイチどういう子なのか分からない……。もう10話なのに。
私の読み込みが足りないのかもしれませんが、キャラ同士の掛け合いが足りないんですかね……?
コメントありがとうございます。
総じてキャラが立ってないということなんだと思います。現状一番キャラ立ってるのがエトピリコ(オテルに修行付けた女の子)なような
果たして最初に出てきたムキムキの女隊長の名前やシクステンの二つ名を覚えている読者はどれくらいいるだろうか…
文字通り風前の灯火になってきたか…?
別に全く面白くないとは言わないし不快要素がある訳でもないけど今ひとつ読んでて気分が盛り上がらない…
そこら辺イチと比べるとかなり差を感じる
コメントありがとうございます。
エンバーズもそうですが、炎系のニュアンスがタイトルに含まれる漫画の線香花火の如き儚い命には涙を禁じ得ません。
魔男との差が何かと言えば、お互い設定や展開は王道と呼ぶべきものなのでオチは大体読めてしまうのですが、オチに至る過程の見せ方でどれだけ惹きこめてるかの違いでしょうか。
まず基本的にショタ主人公がジャンプでは受けないのでいくら出直してもそこ変えない限り打ち切られ続けると思います…
コメントありがとうございます。
等身高い主人公のほうが明らかに生存率高いですよねジャンプって。やっぱり等身高い方が見栄えは良いからかもしれません
絵そのものは(キャラクターが幼く見えすぎる面こそあれど)好きなんですが、背景や障害物といったフィールド的な要素を見やすく描くのがうまくいってない感じがします。
手癖感というかペンタッチ感というか、ザザッと描いた感のある線と描き込み量がミスマッチなんですかねえ。
勉タメジャンプで謎解き読み物の挿絵を描いていた時はすごく良かったと思うので、「白黒で」「ファンタジー世界で」「バトルアクション」という要素が何一つ合っていないのかもしれません。
コメントありがとうございます。
そう考えるとアシスタントとの絵の相性が良くない説も出てきますね
というか川口先生、過去の読み切り見る感じだとファンタジーよりはなんか他のジャンルのほうが向いてる気がするし、そっちのほうが見てみたい気もします。
氷を題材した作品=打ち切りが定着するかどうか。主人公は炎なのに相手が氷なんで氷の打ち切り3作品と変わらないんですよね。氷河期という縁起悪さから氷関連作品は売れないんかと思っています。
コメントありがとうございます。
というか作中の属性絞っちゃうと長期連載視野に入れた時にちょっとやりづらそうだなとは感じますね。
この設定で相方であるフィルギャのキャラが立ってないのが正直信じ難いですね。
それこそ初期の戦い方は彼女から指導される形にすればキャラ立てと修行を同時に行えましたし、相手のボスの力と対を成す火の精霊という設定にも関わらず現状めちゃくちゃ影が薄い、などというちぐはぐなことにはならなかったはずです。
主人公のはずのオテルくんの結局この子どんなキャラなの?感も未だにありますし、根本的にキャラ立てが上手くないのかもしれません。
絵も線が多すぎるのかアクション漫画にも関わらず読みにくいですし色々な部分のレベルが足りてないと言った印象です。
コメントありがとうございます。
腕が4本あったりするから見た目のキャッチーさでまだ救われてますが、それでもやっぱりまだパンチが足りないキャラだなとは感じます。
オテルに関しては、何となくやりたい展開が先行して、そこにオテルのキャラあてはめてるからキャラが場当たり的なのではと思わなくもありません
一応戦争って言ってたはずなのに、冒険気分だったり山奥で修行してたりと噛み合わなさがありますね。
村から出ればいいってもんじゃない、鬼滅でも修行してたからいいってもんじゃないとなりそうです。
世界観描写シビア極まりないのに
オテルって終始悠長な感じなんだよな
ここにすごく違和感覚える
コメントありがとうございます。
仮にも敵が住民(ドワーフ)を捕虜にしてるくらいには厳しく占領されてる場所に足を踏み入れてあんなウキウキできるモン?となりました。
エルサレムに向かった十字軍がイスラム教徒にがっつり信者を捕虜にされてる状況下で「ここがキリスト教の聖地!」とウキウキ出来るものなのだろうか…??
オテルそんなに悪くはないと思うんですが、失速気味ではありますね
まだ致命的ではなくギリギリ挽回可能な立ち位置なので頑張って欲しいです
コメントありがとうございます。
ただ、もし秋で打ち切りが決定したていら恐らくもう水面下では肩をたたかれている話数なので、挽回の芽を作るためにはまずは秋は生き残っている可能性に賭けることから始めることになりますね…
絵はうまいけど特段珍しいことやってる訳でもないし戦闘は何やってるかわかりにくいし、上がる要素がない…
イラストレータの描く漫画ってこんなんだよねと思ってしまう
イチやしのびの見やすさやわかりやすさを見習って欲しい
しのびごとの人は元アニメーターだからアメノフルの頃から臨場感ある構図とかは得意だったからね
そこに地の画力が追いついてきたから一気に進化してる
キヨしのイチの戦闘の見やすさはすごいと思う
コメントありがとうございます。
前作レッドフードの時には無かった分かりづらさという問題が浮上してますね(レッドフードの場合はコマ割りでどうなってんねんという部分はありましたが)
ストーリーの展開的にはちゃんと王道してるし悪くはないんですけどね……爆発力はあんまりないけど
前のコマと後のコマが上手くくっつかないのが読んでて難しい
まぁ「悪くはない」とは思うよ実際
ただ上位3作選んで入れるって仕様上、悪くはないって程度だとアンケ入れてもらえないだけで…
コメントありがとうございます。
王道とベタは表裏一体ということなのか、この漫画はどちらかと言うと後者に寄ってしまってる気がします。
前のコマと後のコマが上手くくっつかない点ですが、よく見るとコマが移るときに剣の持ち方変わってたりしてますね
本当その通りでオテルのキャラがよくわからないんだよな
あの世界をなんとかしたがってるいい人、くらいのぼやっとした感想しかわからないし
これは精霊にしてもそう
異形とのコンビといえばカエデガミもそうだけどあっちに比べて
この二人の関係性掛け合いもさっぱり見えてこない
すでに一巻分終わってるハズだが何も築けてる印象もない
ストーリーもキャラも全体的にぼやっとしてる
絵は好きなんだけど、絵が好きなだけでは漫画はやっぱきつい
絵が欠片も好みでなかったピングポングのがキャラ目的明確で読んでてすっと入ってくる
漫画力だろうなぁ
コメントありがとうございます。
言いたいことは大体記事に書いた通りですが、オテルの性格というか性分が話ごとにマイナーチェンジされるから未だに掴めないんですよね…
二人の関係性については2話で感情を共有してる旨の説明がされてるんですが、もしその設定がまだ作者の中で生きてるならコロコロ性分変わるオテルと感情共有してるフィルギャも随分と感情の移り変わりが忙しそうだなと
さすがに自分も絵が好きだけでは自分の中でフォロー出来なくなってきましたね…
更新お疲れ様です。
邪推ではありますが、先週までずっと毎話作者様のXで更新していた最新話+おまけ絵ツイートが先週から途絶えているのが不穏に感じてしまいます…
コメントありがとうございます。
それは自分も全く同じこと思いました。アネモネ作者みたいにこれまでのポストが消えでもしたらいよいよですね
全体的にゴチャゴチャして何やってるのかわからないから読み飛ばされちゃうんですよね
10分くらいかけて丁寧に読めばそれなりに楽しめるんだけど
9割の読者はパラパラ見ておおまかな内容が理解できない漫画は切っちゃう
コメントありがとうございます。
見づらさに関しては記事にも書いた侮辱の柱で氷の礫を結着させるシーンがピカイチです
アレを初見でどういった作中論理なのか理解できる読者いたら観察力と疑い深さの鬼かアハ体験の天才だと思います
要所要所でキャラがどこ向いて喋ってんだよって構図が多いんだよね
キツイ書き方すると正面(&ちょっとナナメ)向いた顔だけで喋らせてる
今回の記事に出てる画像も湯加減確かめてるオテル以外はみんなこんな構図で喋ってる
書き込んでる割りに何かワンパターンだなと感じるのはこれが原因かな
コメントありがとうございます。
なるほど…その視点はなかったですね。
その辺の事情と心理描写があまりなく淡々とよくありそうな世界観を巡ってることが単調に見える原因かもしれません
この漫画、おそらくジャンプキャラ最頻値であるところのハイティーン~20代前半くらいのキャラデザの人間が出てこないんですよね 一番近いのは1話の敵
ローティーン以下かおじおばしか出てこないし、後者のネームドは基本ムキムキ童顔のアンバランス造形
話の中心はロリショタなんで作者の癖はムチムチ巨女ではなくロリショタと踏んでるんですが、彼らのイノセンスさを表現しきれていないし、それはジャンプ主人公に求められているものではない
どちらかというと残酷やグロを増やした青年誌での配役に見えます まあそっちで通用する実力があるかと言われると絵力そこまでないとは思います
コメントありがとうございます。
自分的には作者の癖はムチムチ巨女になって、描くのが得意なのがロリショタなのではと踏んでいます。まあ作者のストライクゾーン探っても仕方ないですが笑
媒体はどこであれ川口先生にはいつぞやにやってた何で何田さんみたいのやってほしい気持ちがあります。絵柄的にはファンタジーがマッチしてるんですが、何というか個性出せるほどの練り込みは難しそうというか…
最有力はナイプリとオテルが濃厚でしょうね。逃げ若の円満の可能性はあるので3inの可能性は大ですね。逃げ若が掲載順が低めなのも、シャッフル説も考えられますし。
キルアオは大穴ですね。まさかと言わんばかりにこの展開で終わらせるかが注目ですね。鵺はコメディパートと朱雀戦次第か。
12~14話[合併号を挟んだ35~38号]で、カラーが来るかどうか注目しています。
X(旧Twitter)で最新話の更新がないのは、扉絵カラーの作成で手が回らないからかもしれませんし。