漫画におけるタイトル回収というイベント。
ヒロアカ、進撃の巨人、ゴールデンカムイetc.の傑作たちがこのタイトル回収を作中に組み込み、その意外性や物語の核心に迫る場面で提示されることから、最終回より盛り上がることもザラにある1大イベントとして定着しつつあります。
肌感覚としては、進撃が大ヒットをしてから一気に普及した気がします
そんなことで未来の傑作を目指す気鋭たちが含みのあるタイトルを付けて連載を開始するものの、物語に深みが出る前に打ち切り宣告をくらい、温めていた構想が志半ばで散った事実も含め、何とも言えない気持ちにさせられるタイトル回収を見る機会が増えてきました。
本記事では打ち切りの殿堂、週刊少年ジャンプでこのような事例が頻発してるので紹介します👇
【ただのタイトルじゃねぇぞ】ドリトライ
まずは近年もっとも有名であろうドリトライのタイトル回収。
出典:雲母坂盾『ドリトライ』(集英社)
このド激アツなタイトル回収に至るまでの経緯としては
ラスボスの圧倒的力に挫けそうになった主人公がギャラリーの激励で立ち上がります
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何度でも諦めずに前に進むリトライをします
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これはただのリトライではありません
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これはド級(凄いものを表すワード)のリトライです
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ドリトライだ!
といったところでしょうか。
元々意味不明なタイトルだったこともあり、意外性の点ではずば抜けてるかもしれません
このタイトルの何が凄いかと言うと、仮にドリトライが長期連載になっていたとして、意味不明なこのタイトルの回収はどこかで入るはずですが、それまでの過程がどんなに真っ当に面白くても、タイトルの意味を知った瞬間から「この漫画は実はギャグ漫画だったんだな」と思わせる力があります。
作品がネタになるのを約束したタイトルと言えます
インパクト、知名度共に今後の打ち切りタイトル回収界を牽引する存在になることに疑いの余地はありません。
【極東・死霊・愛】極東ネクロマンス
お次はドリトライに匹敵するインパクトを魅せてきたド級の巨星、極東ネクロマンスから。
出典:那波歩才『極東ネクロマンス』(集英社)
背景としては…唐突すぎて正直よく分からん状態なのですが、「ヤンデレの死霊に死ぬほど愛されて眠れない主人公 in極東」といったことなのだと思います。
まさかすぎる意味のタイトルで主人公みたいなリアクションになること請け合いです
察するにドリトライとは違い、最初からこのような意味でタイトルをつけたワケではなく、思いついたからやってみたのかなと感じますが、「ロ」が1個余ってることが気にならない程にはドリトライとは違った勢いがあります。
極東ネクロ「ロ級の」マンスってコトぉ!?
ちなみにドリトライのタイトル回収が行われたのが2023年40号、極東ネクロマンスは2024年40号で号が一致。
運命ですね
それ言いだけだろ
そうです言いたいだけです
【正のタイトル回収】ツーオンアイス
ジャンプでは珍しいペアフィギュアスケートを描いたツーオンアイスから。
出典:逸茂エルク『ツーオンアイス』(集英社)
ざっくり言うとタイトルの「ツー」は単に2人という意味ではなく、互いを支え合う2人性格を表したものだったということです。
先述のドリトライと極東ネクロマンスは明らかに作者がヤケクソだったのに対し、実在する演目を絡めたうえで感動的に仕上げており、「正の打ち切りタイトル回収」と言えるかもしれません。
たっくんのキャラに全部持ってかれた感はありますが、こういう演出も本作の強みです
単行本最終巻には10,000字以上の論考と出せなかった設定の放出があるのですが、キレイな回収ではあったものの、やはり作家さん本人的には不完全燃焼だったようです。
このへんは打ち切られた作家さん全員が感じることかもしれませんが
次回作で成功することが不完全燃焼を解決するための唯一の道筋とのことでしたので、次回作に期待したいところ。
【マルチミーニング】魔々勇々
ニューノーマルなファンタジー漫画である魔々勇々から。
出典:林快彦『魔々勇々』(集英社)
このコマだけ見ると物語中盤の終わり頃みたいな雰囲気ですが、実は第3話の終わり。
かなり「ズラした」ような作風だったので、タイトル回収も早目に「ズラした」のかもしれません
しかしこの少し後に事件の名前としてタイトルが再登場したりと、タイトルの意味は?と問われたら時代のことなのか事件のことなのかよく分からないことに。これも「ズラし」か…
出典:林快彦『魔々勇々』(集英社)
作者さんなりにハマったタイトルだったから色んな使い方をしたかったのかもしれません
【君は一体…】妖怪バスター村上
続いては2024年の新連載で最もヘイトを買ったであろう妖怪バスター村上から。
出典:伊原大貴『妖怪バスター村上』(集英社)
まるでドリトライの最終巻のような心が強ぇポーズでタイトル回収兼自己紹介をして連載がバスられた本作。
参考資料
この1つ前のページで「村上が妖怪の存在について国連にプレゼンして、国籍やら与えた」という説明が入っているのですが、その前提があったうえでバスターを名乗る彼に違和感を覚えたのはきっと私だけではないはず…
まあ国連にプレゼンするほどの傑物なので、我々の常識では測れないということだと思います
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運命(デステニー)ですね→それ言いたいだけだろ
のくだり、死ぬほど笑いましたw。
カグラバチのタイトル回収はなんなんですかね〜。
「ただの鉢じゃねぇぞ 神が楽園へ導く」
…みたいなノリではなさそうですね。
コメントありがとうございます。
40来年の40号は果たしてどんなド級の運命的打ち切りタイトル回収があるのか楽しみですね
確かにカグラバチってなんなんだろ。刀っぽいワードと金魚っぽいワードの組み合わせではありますが
ただ今や次世代のホープと目されてる作品なので、そんな素っ頓狂なものにはならないと信じたいですね
改めてこの面々を見ると村上が抜けた今の連載陣には勢いがある打ち切り(打ち切られそうな)作品が少ないですね。全作品ある程度漫画として整っているというか、。
雑誌としての質は確実に上がっていっているものの、短期打ち切り漫画の死に際でしか見られないあのつじつま度外視の勢いをしばらく見ることができなさそうなのは少しさびしさを覚えます。そういう意味では白卓に期待してるのですがあの作品に後世に残るほどのパワーがあるかな。
そのあたりも含めて次回の改編での大量入れ替えに期待です。
コメントありがとうございます。
コメント時点で打ち切りの可能性があるキヨシやキルアオや超巡や鵺にしても、仮に打ち切られたら無難に丸く終わらせそうなんですよね。そもそもタイトルに深い意味がありそうもないですし
となるとやはり派手に散りそうで且つタイトルの意味もよく分からない白卓が打ち切りタイトル回収としての注目株かと思えます。
白ぇ卓なのか…!?
タイトルと言えば、アンデラのアンラックのクに線が入ってるのも伏線では?と言われてますよね。巻頭取って、円満完結に向かう中でこの伏線は回収されるのか楽しみです。
コメントありがとうございます。
そんな考察が進んでいたのか…コチラは円満作候補よろしくキッチリと回収していきそうではありますね
(´;ω;`)「分かった」「うっ」「うっ」
(`・ω・´)「ド級のリトライ ドリトライだ!!」
泣いてから仲間の支えで立ち直ってタイトル回収まで1Pでやるドリトライ大好き
コメントありがとうございます。
「タイトル回収時点で残り2話しかないからさっさと立ち上がらなねぇと尺が足りねぇんだ」と言う隙も与えないくらいの熱量とスピードがありましたね
言われるまで村上のラストのポーズが心が強ぇ感じになってるの全く気付きませんでした…ww
コメントありがとうございます
もちろん作者が意図したわけではないんんでしょうが、やはりクセの強い漫画というのは繋がり合うものなんだと思います。