ご覧いただきありがとうございます。
本記事で採り上げるのは、打ち切りカルチャーに脳を焼かれた管理人が「好きな打ち切りラストシーンは?」と聞かれたら、TOP3には入るであろう圧倒的ラストを迎えた作品から。
コチラのHACHI─東京23宮─です。
週刊少年ジャンプ2013年42号~2014年12号に掲載。全21話、全3巻
ムヒョロジで有名な西義之先生の3つ目の連載作です
本作はラストが打ち切り漫画としてあまりにも神々しいので、まずは物語の最後を飾るコマから見ていただき、以降の項目でこのラストに至るまでの過程を書いていきます。
最後のコマ
こちらが物語の最後を飾るコマです。
出展:西義之『HACHI─東京23宮─』(集英社)
普通に考えれば、この黒髪の少年がテッキンというキャラのもとへ向かう展開が次の話で描かれそうですが、申し上げた通りこれはこの物語の最後のコマです。
初見の時は「え?終わり??」と声が漏れました
こういった尻切れトンボな終わり方は本作以降でもBUILD KINGや魔々勇々でも見られましたが、この2作は単行本でその後のお話が大幅な描き下ろしで語られましたが、本作はそういった措置はありません。
テッキンというキャラは永遠にどっか行ったままです
それでは以下で、この威光を放つラストに至る過程を書いていきます👇
舞台設定とキャラ
まずは舞台設定とラストシーンで描写されてるキャラについて簡単に。
半神と呼ばれる神の血を継ぐ人間の襲撃により東京23区が滅び、23宮として支配されるという世界観で物語が進行します。
出展:西義之『HACHI─東京23宮─』(集英社)
支配された人間はというと、半神たちにより強制労働をさせられ「納税」として彼岸島の吸血鬼が好きそうなことを強いられることに。
出展:西義之『HACHI─東京23宮─』(集英社)
これぞ血税ってヤツでしょうか
そんなことで人類解放のレジスタンスが23宮各所に存在していて、主人公がそこに身を投じ、半神と戦うというのが大まかな流れです。
その主人公がラストシーンで「テッキンのとこに!!!」が辞世の句になってしまった少年、ハチ。
出展:西義之『HACHI─東京23宮─』(集英社)
ちなみに彼もケルベロスの半神だったりします
幼馴染のヒロインを取り返すべく奮闘しますが、そのヒロインが打ち切りとして語るうえでのキーパーソンであるテッキンその人です。
こんな感じで墨田宮長であるアレスという半神に攫われれしまい、連載が続けば墨田宮で再開となっていたと思うのですが……
出展:西義之『HACHI─東京23宮─』(集英社)
結末を知っているとこの別れは描写以上の切なさがありますね
新宿宮編
舞台説明は3話あたりで大体終わったので、早速テッキンのとこに!!!と墨田宮に突撃したいところですが、それはそれで連載がすぐに終わってしまうので、まずは周辺の地域から。
ということでまずは新宿を攻略するハチとその仲間たち。
ちなみに新宿宮長がこちらのバッカスです。
出展:西義之『HACHI─東京23宮─』(集英社)
この人がトー横キッズや悪質なキャッチに頭を悩ませていると考えると応援したくなります
とはいえ一介の中ボスなので、ハチ覚醒のキッカケとして爆☆発☆四☆散していきます。
出展:西義之『HACHI─東京23宮─』(集英社)
お勤めご苦労様でした。
中野宮編(最終章)
さて、新宿は取り戻し次なる地域はブロードウェイが有名な中野です。
そろそろ墨田宮行かないと尺的にマズいのでは…?と考えてしまいそうですが、中野に至るまでが第10話であり、打ち切り宣告がされるにはまだ早く、この時点ではじっくりやるつもりだったのかなと思います。
しかし結果的に中野がラストダンジョンになります
そんな中野宮長がこちらの彼(彼ら?)。ムヒョロジにこんなのいた気がします。
出展:西義之『HACHI─東京23宮─』(集英社)
あらゆるものを切る能力で、戦いの場を切断し組立直すという荒業で、ハチたちを都心のデカい駅に慣れてない人みたいなリアクションにさせます。
出展:西義之『HACHI─東京23宮─』(集英社)
渋谷駅、池袋駅、新宿駅あたりは慣れてないとホント迷宮だよなあ
最後は力の暴走をしたハチに撃破されるのですが、ここから一気にあのラストシーンへ急行します。
あのラストシーンへ…
力の暴走が止まらず、味方にも攻撃をしてしまうハチ。
そんな時「…やるしかなさそうね…」と急に(ホント急に)後方支援役の人間キャラが実は夢魔の半神であることが明かされます。
出展:西義之『HACHI─東京23宮─』(集英社)
一応メインキャラですが、この急な設定開示は打ち切りでしか味わえないものです
墨田宮で寝ているテッキンの夢に入り込み、ハチの心の中に入って正気に戻してねとテッキンにハチのとこに!!!をするようお願いします。
出展:西義之『HACHI─東京23宮─』(集英社)
マフラー編んでて渡したいと語りかけるテッキン。もうこれ最終回なので、ハチも秒速で正気に戻りました。
出展:西義之『HACHI─東京23宮─』(集英社)
そしてもはや義務と化してるxx後となり場所は文京宮。下のマンドレイクみたいなヤツらは東大生でしょうか。
出展:西義之『HACHI─東京23宮─』(集英社)
仲間の1人がハチにマフラーできちまったと伝え、じゃあ取りに行くか⇒テッキンのとこに!!!(行かない)であのラストシーンへと帰結しました。
出展:西義之『HACHI─東京23宮─』(集英社)
アレスとの戦いとか、最高位の神の存在とか諸々ブン投げていきました
まとめ
以上が個人的に愛してやまない最後を魅せた打ち切り作の紹介でした。
打ち切りの原因を考えてみると
・導入をジャンプにしてはじっくりやりすぎた
・ハチのキャラデザが弱い
・前作(ぼっけさん)と半神の設定が似通ってて新鮮味が無かった
あたりかなと個人的には思います。
異形のものがテーマなことで括るとムヒョロジとも似通ってしまってますが…
ご存知の方も多そうですが、その後西先生は2020年あたりからジャンプ系列から離れ、18禁モノの同人に転身。
そして大いに成功します。
そっち方面で需要が高そうな画風ですもんね
それでは今回はここまで!
ご愛読ありがとうございました!!
COMMENTS
よく覚えてない強いていうなら俺が好きな焼野原塵の同期だった気がする
コメントありがとうございます。
そうですね、焼け野原と同期です。
終わったタイミングも一緒でした
2014年最初の改編
out HACHI、焼野原塵、べるぜバブ(この前の改編で1枠空き)
in イリレア、ステルス、i・ショウジョ、東京湾
円満のべるぜ以外はoutもinもダメダメ。
こないだここの記事にあった東京湾も含めこれほど悲惨な大型改編もそうそうない。
コメントありがとうございます。
当時は東京湾は酷いなくらいしか思いませんでしたが、こう見ると悲惨ですね…
でもまあ2014年はヒロアカが出たおかげで、他が酷くてもお釣りが出るのかなと個人的には思います。
錚々たるメンツ、すごい時代だったんだ…!!
i・ショウジョは初期ジャンプラを引っ張った功労者でもあるけど
あの時代はエロばっかりであんまり人前では読みたくないアプリだったなw
ここ近年のジャンプラは方向変換でエロ押すのはやめて
衝撃展開に力入れ始めた感じ
打ち切り漫画紹介の更新、待ってました!
西先生、当時は癖の強い絵柄だと思ってましたんですが改めて見返すとやっぱり上手いですね。
遠景をちゃんと見やすく描けてるのは流石だなあ…と今さらながら感嘆してしまいました。
コメントありがとうございます。
やっぱり独自性のある絵ですよね。一目で分かるというか
今見ると東京が滅んで(ここまではいい)人間が納血用に飼育されてるという設定は
スタダが大事なジャンプでやるムーブじゃないよなぁと思った
陰鬱というか無駄に重いというかその設定言うほど活かされた?というか…
コメントありがとうございます。
物語上で最初に出てきた新宿区はこの納血設定が活きてましたが、中野区と墨田区は税が軽くてあんま血は採られないみたいなこと言われてたせいで、結果的にこの設定があまり活かされなかったんですよね
もしかしたら人間が納血用に飼育されてるという設定が重くてウケなくて、中野区と墨田区はこの設定を極力絡めないようにしたのかもしれませんが
当時は重いかもですが、今のジャンプなら割と受けそうな設定ですね
いや今でもジャンプラ向きか…?
コメントありがとうございます。
のちにネバランの脱獄編がウケた結果を知っていると設定的にはウケた可能性も捨てきれませんが、まあやっぱり見せ方や構成の点で読者を惹き込めるほどの出力が無かったのかなと思えます。
後はアレですね、前作のぼっけさんと半神とかの舞台設定が似通っており、新鮮味が無かったのも痛かったかなと。
同人で成功してもプロの道から逃げたんだなとしか思えんのよな