ジャンプ+のインディーズ連載
ラーメン赤猫や幼稚園WARSのように開始早々軌道に乗れる作品がある一方で、水曜のランキングに革命を起こした群青幽霊と素敵な学園や3周回っていいアジ出してる僕の武器は攻撃力1の針しかないetc.
編集の舵取りが無いせいか、色んな意味で自由なことになっている作品が跋扈する混沌とした掲載スタイルです。
そんなカオスワールドの中でもひと際異彩を放つのが本記事で紹介する多重人格彼女です。
2022年10月9日~2023年3月5日にかけて11話掲載
念のため言いますが、短期集中連載ではありません
この作品ですが終わり方に特に定評があるので、あらすじを追うという形ではなく物語の最後を飾るコマから紹介するので、一応ネタバレ注意。
最後のコマ
こちらが物語の最後を飾るコマです。
出典:ホメコロ助/ファン子『多重人格彼女』(集英社)
「いったい どうなって しまうのか!」 おわり
どうなるかというフックを提示しながら、おわりの文字を添える。
そして文字通り連載がおわり。
コラ画像かと疑ってしまう程には信じがたい絵面であり、この神々しさはシュルレアリスムの極致と言えるでしょう。
近年でもBUILD KINGや魔々勇々が未完のまま本誌を去り、単行本で完結させるという措置を取りましたが本作には単行本がありません。
つまり誰も結末を知ることができないのです
そんかんなで怪作の名を欲しいままにした多重人格彼女。
以下では結局この作品は何だったのかということについて触れます。
『多重人格彼女』という作品はなんだったのか 登場キャラ編
まずコチラ👇が公式から出ている本作の概要です。
一目惚れを信じていない成田だが、可憐な雰囲気をした女子高生・ツバサに一目惚れし、思わず告白までしてしまう。まずは友達から始めることになったが彼女から“多重人格者”であることをカミングアウトされて…!?
引用:ジャンプ+(集英社)
先ほどの最後のコマに照らすと成田が中央の男性で、“多重人格者”のツバサが拗ねている女性となりますね。
1話の見開きカラーはこのように6人分の人格が写っているのですが、4人分しか登場しませんでした。
出典:ホメコロ助/ファン子『多重人格彼女』(集英社)
登場した4人分というのが画像で前を向いている人達になるんですが、気になるのは登場せず終わった後ろを向いた2人分。
顔を見せていないだけでなく、コスチュームも主人格のツバサと同じ制服姿であり、作者は連載にあたりキャラデザを考えていなかったのではと邪推してしまいます。
それ考えとかなアカンやろ、、、
物語全体を流しで読んでみても、一貫して未登場の2人分は黒塗りで出されたり顔を影で隠して登場したりもせず、まるで人格は4人分だけかのように話が動いており、尺の都合という理由だけで2人分を出せなかったワケではないように見えます。
出典:ホメコロ助/ファン子『多重人格彼女』(集英社)
未登場の人格の扱いについては、結局のところ物語の結末同様に誰も知る由のないことですが、まあそういうミステリアスなところも良いよねと女性の好みを語るテンションで締めたいと思います。
『多重人格彼女』という作品はなんだったのか 展開編
展開について考察するうえでもう一度公式の概要を貼ります👇
一目惚れを信じていない成田だが、可憐な雰囲気をした女子高生・ツバサに一目惚れし、思わず告白までしてしまう。まずは友達から始めることになったが彼女から“多重人格者”であることをカミングアウトされて…!?
引用:ジャンプ+(集英社)
黄色マーカー部分で引いたように「されて…!?」と言い切らない形で文章が締められています。
別に漫画のあらすじ紹介としては珍しくない書き方ですが、この作品の場合、上記のキャラデザだけでなく展開についてもあまり考えていないことを暗示しているように思えます。
というのもこの作品、ラブコメを謳いながらも5~6話あたりから突然成田の修行パートとツバサの悲しき過去をブッ込みはじめ、何話貰おうとキレイに展開が収束しそうもないムーブを披露しています。
出典:ホメコロ助/ファン子『多重人格彼女』(集英社)
多重なのは展開もでした
例によって悲しき過去は回収されず終わり、修行パートにしてもデフォルメ調の4コマで片付けられて恋愛パートに戻っており、この辺を見ても作者の中でプロットはあまり定まってなかったのかなと思います。
出典:ホメコロ助/ファン子『多重人格彼女』(集英社)
総じてキャラづくりと展開ともに準備不足だったのかなという印象です。
まとめ
以上、インディーズ最凶と名高い多重人格彼女の紹介でした。
ジャンプラから無料で読めるうえに1話ごとのページ数が短いので、是非ご自身の目で神々しさ溢れるラストをご覧頂きたいです。
しかし連載化が趣旨の連載争奪ランキングで勝ち抜いて連載を始めたハズですが、序盤からしてぎこちない話運びだった本作。
原作者について調べても確たる情報が乏しかったのですが、もしかしたらコレもAIによる漫画説……?
それでは今回はここまで!
ご愛読ありがとうございました!!
COMMENTS