1929年10月24日の木曜日。
この日、アメリカで株価の大暴落が起きました。
アメリカの経済破綻は第一次世界大戦の経済復興をアメリカ資本に頼っていた国々にも大きな打撃を与え、世界恐慌と呼ばれる歴史的リセッションへと繋がります。
この暗黒の木曜日と呼ばれる大事件から約94年と半年という、キリが良いようで別に良くない時を経た2024年4月18日の木曜日。
またも木曜日に人類史に刻まれる出来事が日本で起きました。
ジャンプ+で連載中のほったらかし飯が割と普通の話だったのです。
あり得ない…
これまでロックな展開と描写で異彩を放っていた本作に何があったのか、以下で解説していきます。
暗黒の第5話
まず第5話の内容を簡単におさらい。
佐々木さんのようなスタイルになりたいとランニングに勤しむフウコ。
帰宅後、炊飯器調理を開始。今日はすた丼を作るようです。
出典:原作:カカル/作画:とうのきり『ほったらかし飯』(集英社)
これまでと同じくリアクションを取った後は、我慢できずに作り置き分を食べてしまいダイエット失敗。。。で幕を閉じます。
出典:原作:カカル/作画:とうのきり『ほったらかし飯』(集英社)
え?今回これだけ??
と、ほったらかし飯アクティビスト達は思ったことでしょう。
現実の日本とは少し違う世界観や、フウコのズレた思考等この作品を支える要素がごっそりと削り取られているのです。
原因についての考察は以下の項目で綴ります。
なぜ5話は「普通」なのか
その答えは「場面」にあると私は考えています。
1~3話はそれぞれ話の中で、式場や会社やスーパーなどの場でフウコが他人と接することで、違和感のある舞台装置や「そうはならんやろ」と思える言動etc.を読者に披露する場面がありました。
出典:原作:カカル/作画:とうのきり『ほったらかし飯』(集英社)
4話はマンション内のみで完結していましたが、佐々木さんとのやり取りが行われたことでこの辺を出力できていたと言えます。
出典:原作:カカル/作画:とうのきり『ほったらかし飯』(集英社)
というか佐々木さんも結構おかしな人だったんですが
それを踏まえたうえで5話は…
フウコが1人でランニング⇒帰宅⇒ご飯食べて終了
とフウコ1人で完結しており、外部の人々や施設と接する場面が設けられておらず、おかしな世界観やフウコの思考を引き出す機会が少ないのです。
もしフウコがジムで走ってたり、友達と一緒だったらいつものロックな話になっていたのかもしれない
絶望的な中でも光るモノが
ほったらかし飯が普通であり、絶望したファンも多くいらっしゃったかと思います。
しかしこの5話にもしっかりと光るモノがある。それがコチラ
出典:原作:カカル/作画:とうのきり『ほったらかし飯』(集英社)
1ページ内で炊飯器のサイズが変わっているのです。
こういうのを待ってた!!!
この炊飯器の大きさが変わる現象は4話でもありましたが、前話と比べてようやく分かるものでした。
出典:原作:カカル/作画:とうのきり『ほったらかし飯』(集英社)
しかし今回は話中どころか1ページ内で矛盾しており、この神々しさは本作を象徴する画になるかもしれないですね。
レシピ本販促ページに「まるで魔法!」とありますが本当に魔法です。
出典:原作:カカル/作画:とうのきり『ほったらかし飯』(集英社)参考資料
まだ希望を捨ててはいけない、ということで次回以降で再びロックな世界を魅せてくれることを祈る次第です。
ご愛読ありがとうございました!!
ほったらかし飯第6話にご期待ください!
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