週刊少年ジャンプ2025年40号でキルアオが終了となりました。全115話
2年以上連載、最終回センターカラー、アニメ化決定…これだけ見れば「打ち切り」のソレではないのですが、本作のこれまでの歩みを考えれば、これは実質的に打ち切りだろうとなります。

本当の意味での「疑似」円満完結を見た気がします
それではここから物語の集大成となる最後のコマ、打ち切りになった原因考察について書いていきます。
最後のコマ
こちらが物語の最後を飾るコマです。
出典:藤巻忠俊『キルアオ』(集英社)
藤巻作品では身に覚えのない壁のシミくらいよく見るガラの悪い連中に、十三がFF外から失礼してアニメ化発表と共に終わりました。

十三が学校を離れてしまうあたり、少し悲しさの残るラストでしたね
桜花と葉桜のバトルや、十三を建物の崩落から助けた桜花の描写が描かれなかったあたりを見ると、やっぱり打ち切りだなとなります。
桜花と葉桜のご対面が最終回の4週前であり、この頃には打ち切りが決まっていたと思うのですが、描く尺が無いならなぜこの2人を対決ムードにさせたし……
出典:藤巻忠俊『キルアオ』(集英社)

てっきりこの2人のバトルは描かれるのかと思ってました
以下から打ち切りになった原因考察に移ります👇
打ち切り原因① 海合宿編から始まる凋落
原因というよりは作品のターニングポイントになったという言い方が適切かもしれませんが、この海合宿編をまず最初に挙げずにはいられません。

マリンスポーツのスペシャリスト、乙姫とサーフィン対決するところですね
出典:藤巻忠俊『キルアオ』(集英社)
今、2023年年末~2024年年始あたりのジャンプを読める環境にいる人は是非キルアオのページを開いてほしいのですが、この海合宿編、
・副軸であるノレンの恋模様に結構な尺が割かれてテンポが悪い
・物語の進行上、特に意味無いうえに読んでて反応に困るガキの使い的ゲームが突然始まる
・サーフィン対決の描写が、モブのリアクションでしか凄さが伝わらず、イマイチ見どころが分からない
・既に天馬というスポーツマンキャラを出したのに、またスポーツマン(ウーマン)かいなとなる
・乙姫の二重人格のメカニズムは最後まで言及されず、リアリティラインが曖昧になり、「じゃあ十三が子供になったのも別に不思議なことではないか」と物語最大の謎に対する関心を削がせる
・長い
といった具合であり、一言で表せば冗長

何となく藤巻先生もネタ作りに困ってたのでは?と感じます
ここまで掲載順絶好調で来たキルアオもこの章を境に徐々に調子を落としたように思えます。
実際に海合宿編の中盤あたりが反映されたと思われる掲載順を見てみると、掲載順1ケタが多かった以前と比べ、1段下がった場所になります。
引用:https://www.jajanken.net/sakuhins/Pm81dZVnER

それでも2番や7番があるあたり、まだまだ読者熱は下がり切ってはないのですが
しかしその後、風紀委員や桜花が登場する編とミツオカダンジョン編を経て、掲載順は馴染みのある推移になってしまいます。
引用:https://www.jajanken.net/sakuhins/Pm81dZVnER
このようにじわじわと票を落としてしまったキルアオ。
そして打ち切り原因②に繋がる苦難の時を迎えます👇
打ち切り原因② テコ入れがどれも成功せず
連載2年目に突入する頃にはすっかり掲載順も落ち切ってしまったキルアオですが、ここからはある意味で本作を象徴するとも言えるテコ入れの連打が始まります。
まず去り方からして当分は出てきそうもなかった桜花を速攻再登場させ、今までに無かったワードセンス盛り盛りの技名が飛び交う騎馬戦が始まります。
出典:藤巻忠俊『キルアオ』(集英社)

豆知識ですが2024年41号の巻末コメントを見るに、鵺の作者さんから技名作るコツを伝授してもらってたようです
絶望の十字架……
しかしこの路線は上手くいかなかったのか、騎馬戦が終わった直後にコメディ全振り路線に舵を切ります。
出典:藤巻忠俊『キルアオ』(集英社)

個人的にこの路線が一番好きでした
しかしこれもウケなかったのか、再登場した桜花を速攻処理し、決闘とコメディの割合3:7くらいの生徒会長編が幕を開けます。
出典:藤巻忠俊『キルアオ』(集英社)

ついでにノレンもここで断髪します
しかしこれも推移を上昇させるに至らず、物語は幕を閉じることになります。
「何回しかしって言うんだよ」と思ったかもしれませんが、とにかく作中で行われる試行錯誤の回数と期間が尋常ではなく、作品の有り様が文字通り二転三転します。
もはやキルアオの歴史はテコ入れにありと言わんばかりであり、アルキメデスもビックリするくらい本作においてテコというものは大きな存在でした。

これまたしかし、どれも力点に掛ける力が足らなかったと言うべきか、掲載順持ち直しには至らず打ち切りに進んでしまったように思えます。
打ち切り原因③ 安定感はあるんだけど…
ここまで長々と語ってきたキルアオという作品、作者さんが連載3作目&大ヒット実績があるだけに、ベテラン作家さながらの安定感は一貫してあったように思えます。
少なくとも同期の心強ボクシングのように、悪い意味で読者の理解を超えてしまうことはなかったでしょう。

腕の太ぇヤツが出てきた時は「あ、コレそういう漫画だったの!?」となりました
出典:雲母坂盾『ドリトライ』(集英社)
しかし同時に良い意味で読者の理解を超えることも少なかったんじゃないかと感じます。
瞬間風速的なものでなく、安定感を求める層もいるのは分かりますが、話題性を獲得して作品を跳ね上げる要素もジャンプにおいてはやはり欲しく、これが弱いと真綿で首を絞めるように票を落としていくのが常です。
キャラも設定も手堅く仕上がってるんですが、どれも読者の理解の範疇に留まってしまってるというか…

同期の男気溢れる白ブリーフは、良い意味で理解を超えまくりましたね
出典:川江康太『鵺の陰陽師』(集英社)
それこそテコの原理が当てはまりそうですが、支点は丈夫で安定感があっても、力点にあたるキャラや設定etc.作品諸要素に掲載順が下がった際に持ち上げられる程の力は無く、テコ入れしなきゃいけなくなる頃にはどうこねくり回しても作用点にまで力が伝わらなかったなと感じます。

まとめ
以上、原因を考察してみました。
幾度となくどう考えても打ち切りになる状況でも打ち切り回避してきたので「アニメ化決まってる…?」と薄々感じてはいましたが、まさかアニメ化発表とともに本編が終わりとは予想外でした。
それにしても最終回の巻末コメントを見ると

おかげさまでジャンプで3回挑戦できました。今まで本当に有難う御座いました!
「今まで」というワードがあるあたり、少なくとも今後本誌で連載を狙うつもりはなさそうなものの、アニメ化に際してのコメントを見ると個人的に何かやる気概はある模様👇

少年時代の思い出のほぼ全てに黒子のバスケがいると言っても過言でない管理人としては、キルアオは関係無いけど、黒バス本編で戦ってない高校同士の試合とかメッッチャ読みたいからそういうの描いてくれませんかねぇ…

青峰VS紫原や青峰VS赤司とかやっぱ見たいじゃん!!!
それでは今回はここまで!

ご愛読ありがとうございました!!
COMMENTS
恐らく打ち切りの決定はサバゲー中だと思われます。個人的な戦犯章はサーフィン。一番面白くなかったのが騎馬戦でしょうかね正直天馬と姉御の2人が良キャラだったとは思いますが十三含めたその他キャラの魅力は作りきれなかったなと思います特に家庭科部のその他のメンツ
考えられる要因が多すぎてどうにもまとまらなかったのですが大きそうなのは
・サカモトとガンアクション被っててバトル路線は絶対比較される
・黒子時代からコメディとシリアスの落差が激しかった(111-11とか)のが悪化してついてけない
・意見や感想が少なすぎて黒子の外伝展開して中身読まずに買い支えしてるだけの読者も居た疑惑
あたりですかね
キルアオがTVアニメ化とセンターカラーという異例の形で終了。初期には好調だったが、魔男やしのびごとが連載開始から大失速。コメディ路線に切ってもアンケートが取れず、売り上げが一気に低迷。コメディ路線を変更したのが落とし穴になった訳ですね。
新連載は2本ですが、モジュロは全何話で終わるかは不明の事。なので、仮に3話でも直ぐに新連載が用意したり、金未来杯枠も控えているので、ナイプリとオテルが執行される可能性が出てきましたね。
最近のジャンプって最終回の宣伝文句を「クライマックス」って書く風潮ありませんか?
「最終回」って書けばいいのにぼやかされてる感じがしてなんか姑息だな(表現が微妙かも)って思ってしまうんですが似たような感覚の人いませんかね?
考察記事、とても興味深く読みました。
言ってることは……わかるんです、はい。でも、やっぱり僕にとっては、終始とても面白く読めた作品でもありました。来年のアニメも、今から楽しみです。
……僕も、1つ何かやってみようかな。
個人的にはミツオカダンジョンが一番おもんなかった
更新お疲れ様です
キルアオは「日常を愛する元最強の殺し屋」という点でサカモトデイズ、「学校の中でお嬢様を守る」という点でしのびごとと被り、両作品に画力で完敗していたのが厳しかったなと思います
そして根本的な打ち切り要因は「同期の鵺の陰陽師に負けた」ということかもしれません
管理人さんが原因③で書いていらっしゃるような要素で差がついた印象があります
鵺ファンは膳野くんのブリーフで強烈な先制パンチを食らったあとに先輩とやたらと味のあるモブの波状攻撃を受け、代葉編で脳をカリカリに焼かれてしまいました
これに比べるとキルアオは火力不足と言わざるを得ません
アニメ放送中までプロテクトではなく、アニメ化発表した瞬間にプロテクト切れということは、編集部も原作はこれ以上跳ねないと判断していたのかもしれませんね
無理に同世代のノスタルジーで共感狙う路線より極主夫道みたいな感じのハードコア&シュールギャグ路線特化させてった方がオンリーワンだったと思う
初期だけアニメ化するなら話題にはなるかもしれないけどファンから○巻以降は読まなくていいみたいな濁され方するやつ
更新お疲れ様です。
10巻以上出たとは思えない打ち切りっぷりでしたね…
とうまさんと同じく、文化祭編くらいのコメディノリで安定してくれれば…と思ってたんですが。
サーフィン対決編が明らかな下がりはじめだったのは言わずもがな、風紀委員との決着があやふやなままバスで家庭科部拉致→桜花に敗北→桜花が校長に、と爽快感の無さすぎる展開がトドメだったような気もします。