【最後の全10話】打ち切り漫画 TOKYO WONDER BOYS 紹介 – 大人の事情と読むジャンプ
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【最後の全10話】打ち切り漫画 TOKYO WONDER BOYS 紹介

③歴代の打ち切り漫画紹介
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ベテランの打ち切りソムリエと若手の打ち切りソムリエが語り合うと、しばしばこのようなやり取りが行われます。

ベテランの打ち切りソムリエ
ベテランの打ち切りソムリエ

昔は全10話で打ち切りなんて全然珍しくなかったんじゃよ

若手の打ち切りソムリエ
若手の打ち切りソムリエ

へ~!いつ頃全10話文化終わったんすか??

その答えがこちらのTOKYO WONDER BOYSというサッカー漫画です。

週刊少年ジャンプ2014年14号~2014年24号に掲載。全10話、全1巻

本作の打ち切り以降、ジャンプの10話打ち切り文化は途端に衰退し、姿を消すことになります。(2025年時点)

ジャンプがどんどん打ち切りに寛容になってるので、今後10話打ち切りが復活するかは怪しいです

以下で中身を見ていきます👇

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あらすじ(第1話)

サッカー漫画でありながら「時は大航海時代」という妙な出だしで始まるこの漫画。

出展:原作:下山健人、作画:伊達恒大『TOKYO WONDER BOYS』(集英社)

普通に現在日本が舞台です

まあプロサッカー選手が日本のリーグに留まることが死を意味するらしいので、世界で活躍するべきということで大航海時代と言っているんだと思います。

そんな世に生きる超高校級プレイヤーが主人公の1人、樋本極児ひのもときゅうじです。

出展:原作:下山健人、作画:伊達恒大『TOKYO WONDER BOYS』(集英社)

言ってることがハ○ヒみたいです

取り敢えずここに行けと大航海時代らしく宝の地図を渡され向かうと、幼い時に憧れていた選手が所属していたチーム、SA西ヶ丘の練習場でした。

出展:原作:下山健人、作画:伊達恒大『TOKYO WONDER BOYS』(集英社)

日本のリーグにはただの人間くらい興味がないうえに、弱小で潰れそうなチームなので、見るもの無しということで帰ろうとしたところ、もう1人の主人公の南條壱丸なんじょういちまるが颯爽と登場。

出展:原作:下山健人、作画:伊達恒大『TOKYO WONDER BOYS』(集英社)

2人はチームの救世主として呼ばれたものの、こんなチームに価値は無いと言い放つ極児。

出展:原作:下山健人、作画:伊達恒大『TOKYO WONDER BOYS』(集英社)

ここまでの流れを見てもわかる通り、極児はスカした態度で周りを小馬鹿にするという読者からのヘイトを死ぬほど買いそうなキャラです。

極児のキャラだけで連載イエローカードです

壱丸を真っ当なスポーツマンキャラにしてバランスを取るのかと思いきや、彼も読者視点では笑い所が分からないギャグを連発&悪い意味で掴みどころの無いキャラであり、主要2人が読者からの好感度ゼロという非常に厳しいキャラ構成になっています。

出展:原作:下山健人、作画:伊達恒大『TOKYO WONDER BOYS』(集英社)

ならせめて監督は安西先生のように問題児たちの緩衝材になってると思いきや終始このノリです。

出展:原作:下山健人、作画:伊達恒大『TOKYO WONDER BOYS』(集英社)

ここまでキャラがフザけ倒してると不快に感じる読者も多そうです

そんなこんなでサッカー漫画第1話お馴染みのミニゲームがスタート。

ゲームが始まっても読者のヘイトを煽る極児と、真面目にやれと言いたくなる言動を繰り返す壱丸。

出展:原作:下山健人、作画:伊達恒大『TOKYO WONDER BOYS』(集英社)

このミニゲームを通じて、極児もチーム入団に傾きかけるのですが、その辺の下りは打ち切り漫画としての本作を語るうえでは大して重要ではないので省略。

こうして、TOKYOのWONDERなBOYSによる壮大な大航海譚が始まるのであった…

キャラたちの灰汁が強すぎて既に連載レッドカードもらってる気がします

その後のお話

第2話と第3話でなんやかんや色々あって、第4話で正式入団をするWONDER BOYS。

自己紹介も相変わらずの好感度下がりっぷりです。

出展:原作:下山健人、作画:伊達恒大『TOKYO WONDER BOYS』(集英社)

その後スタメン入りを賭けてチームメイトとのゲームになるのですが、揃いも揃ってよく分からん二つ名があり、この世界のプロサッカー選手は変な二つ名が無いとサッカー出来ないルールでもあるのかもしれません。

出展:原作:下山健人、作画:伊達恒大『TOKYO WONDER BOYS』(集英社)

もちろんゲーム中もこのノリであり、とにかく読んでいて真剣さを削いできます。

出展:原作:下山健人、作画:伊達恒大『TOKYO WONDER BOYS』(集英社)

この漫画に必要なのは超高校級のプレイヤーではなく、まともなスポーツマンキャラな気がします

本作が10話で終わる事実を知っていると、当然チームメイトをこれ以上掘り下げている暇など無いのは自明であり、ゲームの結果を明かすことなく次の話で突然他チームとの試合のミーティングが始まります。

出展:原作:下山健人、作画:伊達恒大『TOKYO WONDER BOYS』(集英社)

チームは崖っぷちですが、連載は既に崖から落ちてる最中です

最初で最後の試合

第8話にしてこの漫画にとって初の試合が始まります。

1ページ目から「俺達にはもう後がねぇ…全てをぶつけるつもりで戦え!!」という、あと3話しかない事を考えると色々深読みしてしまう発言からスタート。

出展:原作:下山健人、作画:伊達恒大『TOKYO WONDER BOYS』(集英社)

後がない、全てをぶつける…それ連載軸での話?

試合の展開は、敵チームの五輪代表が速攻で2点決めたところで高校生コンビが後半から出場。

出展:原作:下山健人、作画:伊達恒大『TOKYO WONDER BOYS』(集英社)

この見開きの構図と「約束を果たしに来たぞ」というセリフがいかにも最後の試合感があります

ここでSA西ヶ丘が負けてしまったら白星無しで物語が終わるという前代未聞の事態になるので、当然サクッと3点入れて逆転勝利。

出展:原作:下山健人、作画:伊達恒大『TOKYO WONDER BOYS』(集英社)

最後は海外志向だった極児が、日本のサッカーも悪くはないよね的な独白をしたところで連載終了の長い笛が鳴りました。

出展:原作:下山健人、作画:伊達恒大『TOKYO WONDER BOYS』(集英社)

まとめ

以上が最後の全10話となるTOKYO WONDER BOYSの中身でした。

スポーツという鬼門ジャンル×不快な主人公たち×面白くないギャグ描写が掛け合わさると、10話という爆速の打ち切りを生み出せるという、一種の科学実験のような作品だったと感じます。

ちなみに本作終了後、作画の伊達恒大先生はクロスアカウントとタイムパラドクスゴーストライターの連載を持つことになるのですが、どちらもTOKYO WONDER BOYSとは別ベクトルで不快さを煽る内容になっています。

不快要素を絶対に入れる制約のもとで執筆してるんだろうか…

それでは今回はここまで!

ご愛読ありがとうございました!!

COMMENTS

  1. 匿名 より:

    まずはあけましておめでとうございます。
    今年の記事も期待してます。

    さて、この作品が導入された2014年の年明け改編はべるぜバブの円満終了に伴う3年ぶりの大型改編(新連載4in)の4番目に開始した作品でそれが最速で突き抜けた形。
    ちなみにこの世代は他もイリーガルレア、i・ショウジョ、ステルスと半年以内に全滅という歴代屈指の大ハズレ世代でした。i・ショウジョだけはWEB移籍でそこそこ続きましたが。
    東京湾の10週打ち切りはハンター復帰の枠空けも理由の一つという説もあるようです。
    不快感だったり話のフックがなさすぎたりという意味では1クール突き抜けがあった瓶子政権以前ならさいくるびよりや白卓、村上も10週打ち切りになってたのではないかと思います(画力もダメな分東京湾やタイパクより酷いかもしれない。)。
    昔はむしろ1クールで切られる作品の方が多く、2003年には3in3突き抜けという悲惨な改編もあったりします。

    • とうま とうま より:

      コメントありがとうございます&あけましておめでとうございます。
      この期はハズレでしたね。イリーガルはぬら孫の実績があったものの、前作よりもキャラが総じて弱く、作中の謎を残して打ち切られたのは印象深かったです。
      ただその後の新連載には火の丸とヒロアカが控えていたので、2014年はこの2つがあっただけでも当たりだったのかなと思えます。
      その3作は時代が違えば10週ENDはあり得そうですね。さいくる村上は骨格がちょいちょいおかしいからなあ、、、

  2. Sy より:

    新年早々の記事、お疲れ様です。
    今年もできましたらよろしくであります。
    このサイトを知ってから、多くの打ちきりの作品の記事を楽しく読ませてもらってます(笑)
    くせのある作品は多いんだなあ、ていう。

    この作品に関しては、記事みるかぎり、多量のギャグがとにかく全部すべり倒してるなあ、て思って。
    それが一番でかいと思います。
    そしてそれを挽回できない魅力に乏しいキャラ、ふざけてばかり(しかも滑ったギャグ)で盛り上がらないサッカーシーン。
    まさに10週打ちきりなマンガだなあ、と。
    ちなみに自分はすごく古い人間で、実はジャンプ本誌も見なくなって久しい、いろいろわけあり人間なんですが、昔のジャンプは、ヒットするギャグマンガはいくらかあったけど、こういう?すべり倒したギャグマンガや、赤塚賞や新人の賞なのに、ギャグが全然おもしろくないギャグマンガがけっこう多かった印象があります。
    今はましになったのかな?どうなんでしょう。

    • とうま とうま より:

      コメントありがとうございます&あけましておめでとうございます。
      商業誌に載る以上、少なくとも手堅くまとまってる作品しか載らないと思いきや、全然そんなことはないんですよね。クセの強い作品だらけです
      TOKYO WONDER BOYSに関してはおっしゃる通り不必要なギャグを連発して滑り倒しました。ギャグ連打することでついでに誰も真剣に取り組んでるキャラがいないと印象付けてしまうのも始末が悪かったです。
      今が面白くなったかは正直何とも言えないところですが、昔との違いはパロディネタは明らかに増えたように思えます。

  3. あやせ より:

    あけましておめでとうございます。
    今年も記事を楽しみにしています。

    主人公などの主要キャラが不快だと1〜3話あたりで切る人が続出し、結果的に短期打ち切りになっちゃうんでしょうね。
    最近だと村上がそれに当たりますし、最新の掲載順的にも、白卓もそうなりそうな気しかしません。

    • とうま とうま より:

      コメントありがとうございます&あけましておめでとうございます。
      漫画が娯楽である以上、不快感を感じるくらいなら別に読む必要は無いということで読者が離れてくんでしょうね。自分は掲載順と照らしてウケたウケなかったを判定するのが好きなのと、明らかに大多数が不快に思うであろう作品が出た時の一部界隈での盛り上がりが面白いから読み続けますが(村上は途中で断念しましたが…)
      白卓…なんで露悪的なキャラ出しまくってあんなスッキリしない展開にするんやろなあ……

  4. 匿名 より:

    あけましておめでとうございます!
    東京湾懐かしいw 
    みんな大好きライトウィングくんと違ってネタにならないタイプの突き抜け漫画でしたね…

    伊達先生は連載重ねるごとに元から上手だった絵がどんどん上手になってるので
    同人だけじゃなく商業誌でもしっかりヒットしてほしいなと思ってます
    今の家康ものではヒロインの顔が団子化してきて
    長年続けた漫画家が患うという奇形病じゃないかとちょっと冷や冷やしております…

    • とうま とうま より:

      コメントありがとうございます&あけましておめでとうございます。
      ライトウイングは作者の熱が凄かったのと、キャラも大真面目にサッカーに取り組んでたから空回りしてても読めるものではあり、結果として長年語録が愛されているのですが、東京湾は終始キャラがフザけ倒していてコイツらを応援しようって思わせる気にさせないんですよね。クソ漫画ソムリエ的には愛おしい漫画なのかもしれませんが
      結局ヤンジャンの家康の漫画読んでないんですが、ちょっと雲行きが怪しいんですか…

      • だぁーさま より:

        銀魂はともかく、特撮を観ていると下山健人に面白い脚本を作るセンスがないのは観てわかります。なので10話で終わるのも納得いきます。

  5. 匿名 より:

    斜に構えた主人公、遅い展開1話から3話時点でスリーアウトみたいな状態ですね…そういえば白卓も能登さんが斜に構えてるしこいつもスリーアウトか個人的にはものの歩とか仄見えあたりのワンちゃんは合った奴らのレビューがみたい…

    • とうま とうま より:

      コメントありがとうございます
      記事では触れませんでしたが展開も遅いんですよね。1話で極児が入団して2.3話で公式試合して強キャラ出すくらいじゃないとジャンプのスピード感では厳しそうです
      ものの歩とか仄見えは単行本持ってないんですよねー…古本屋で揃ってたら買ってレビューにしようと思います。

  6. 匿名 より:

    2014年といえば、現在,2020年,2016年に次ぐであろう過渡期ながら新連載がヒロアカと火ノ丸しか周年を迎えられなかったんですよね。前者ほどの大団円を久方ぶりに見たと去年の夏合併号で痛感しながら調べたのがかなり記憶に新しいところです。いつ見てもこの手の打ち切り考察からは一読者目線でも学べる部分が多いです。

    • とうま とうま より:

      コメントありがとうございます。
      2014年はヒロアカの開始、NARUTOの終了、最後の全10話、sporting saltという超怪作etc.と良い意味でも悪い意味でも濃すぎる年だったと思います。
      1読者としてはヒロアカと火の丸が生のような最序盤から面白い作品が生まれたことは喜ばしく、1打ち切りラバーとしては東京湾やsporting saltのようなこれどういう経緯で連載に至れたのか疑問に思う作品が生れたことが喜ばしい2度美味しい年でした。
      何だかんだ2024年も後に過渡期として、この辺の年度と横並びで語られるんじゃないかなと思えます。

  7. 匿名 より:

    もしも同姓同名の別人でないとしたら原作の下山健人氏は同時期の2014年2月からスーパー戦隊シリーズ「手裏剣戦隊ニンニンジャー」のメインライターとして脚本を執筆していた筈なので、初めから長期連載は視野に入れてなかったのかなとも思えますね(その後、下山氏はアニメ、特撮脚本に専念して漫画原作は執筆していない)

    • とうま とうま より:

      コメントありがとうございます
      その辺の事情も含めて全10話という快挙になったんですかね。チャゲチャの8話ENDもそうですが、こういった何か内情が絡んでそうなド派手な打ち切りが生まれると、色々何があったかの考察がはかどって楽しいですよね

      • 匿名 より:

        たまに週刊連載2本原作とかやってる超人もいますが普通にキャパオーバーの可能性が高いですからね(特撮の脚本は更に描き方が違うだろうし)

        • とうま とうま より:

          コメントありがとうございます
          今まさに西修先生が週刊連載2本持ちという離れ業をやっているところなので、ちょっとその辺のことは考えちゃいますよね

  8. 匿名 より:

    確かこの作品の作者2人って、銀魂原作のアシスタントや銀魂アニメの脚本やってたんですよね
    それを踏まえて見ると、キャラの顔や台詞回しも絶妙に空知先生っぽくて、そのファン層もターゲットだったのかなと思ってます
    まあ結果は……ですが

    • とうま とうま より:

      コメントありがとうございます。
      仰るように銀魂制作に関わったコンビだからか「おいぃぃぃぃ!!!」みたいなセリフは出てきます
      まあ結果は銀魂の約70分の1の話数ですが…

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