週刊少年ジャンプ2025年49号でピングポングが終了となりました。
ジャンプでは未だヒット作が出ていない未開のジャンル、卓球に挑んだこの漫画は、その道の先駆者になることは叶わず全17話でゲームセットとなりました。

卓球🏓、サッカー⚽、野球⚾…このへんを連載するには相当な覚悟が必要そうです
それではここから物語の集大成となる最後のコマ、打ち切りになった原因考察について書いていきます
最後のコマ
こちらが物語の最後を飾るコマです。
出典:片岡誉晴『ピングポング』(集英社
宇宙人との戦いはこれからだ!!という最後の最後で物凄い規模のお話になってこの漫画は超新星爆発の如く散りました。

闘う準備は出来てても、もう連載が…
打ち切りが決まってからはとことん吹っ切れましたね。
主人公が卓球辞めるキッカケになった謎の男は結局出てきませんでしたが、宇宙規模の外交問題に比べたら極めて矮小な存在なので問題無いのかもしれません。
出典:片岡誉晴『ピングポング』(集英社

所詮は地球止まりの選手です
以下から打ち切りになった原因考察に移ります👇
打ち切り原因① 第一印象
原因①として挙げるのはこの第一印象です。
…と、ここで本作と同時期にアップしたエキデンブロスの打ち切り原因考察もご覧いただいた方の中には

エキデンの記事と全く同じこと書いてるぞ!手を抜くな!!
と思った方もいるかもしれませんが、原因の1つ目に挙げるにはコレしかないと言えるほど重要なのです。
胸に手を当てて思い出してください。初めて『ピングポング』という作品と向き合った瞬間のことを……


迫真の「読まSEMASH!!」が良い味出してます
予告絵の男は冴えないとは言わないまでも、野暮ったさを感じさせる風貌。
画風にしても、少なくとも小綺麗だったり華のあるものではなさそう。
何より『ピングポング』という、一見何もひねりの無いタイトルが期待感を削いでくる。
つまりはパッと見で読者に「読みMASH!!」と言わせる魅力が無かったのかなと思います。


いわゆる0話切りが多発したことと思います
ただ、読んだ人の反応は好感触のものが多く、「読めば面白い作品」と言えそうではあり、朴訥としたタイトルも実は顰愚碰喰というキャッチーな造語だったのですが、最初から読む意志を示さなかった人はそんなこと知る由もないのです。
ということで作品の第一印象を映す鏡であるジャンプ+試し読みPVは、エキデンよりは高いものの大した差は無く、やはり読者の絶対数が少ない状態でのスタートであったのは間違いありません。

連載前にゴッゾリ減ったリソースで、既に顧客獲得が進んでる連載陣と戦うしかないという状況がいかに絶望的かは想像に難くないところでしょう。

せめてタイトルを顰愚碰喰と漢字表記にしてれば読者の気を引ける可能性はあったかも??
打ち切り原因② 「なんでもアリ」の線引き
本作の競技における基本スタンスはなんでもアリの卓球というものでした。

「平行な台に球とラケットありゃそりゃ卓球」なのです
出典:片岡誉晴『ピングポング』(集英社)
しかし3戦目にして、卓球と無関係なギミックで直接攻撃するフリーダムさを見せつけられて首を傾げた方も多いのではないでしょうか。
出典:片岡誉晴『ピングポング』(集英社)

台と球とラケット以外の物を使っちゃダメとは言われないけども……う~ん
ただ、各所の反応やこのブログのコメント欄では、「特に気にならない」や「もっとトンチキでいい」といった声もあり、なんでもアリの線引きで賛否がキッパリ分かれていて興味深い点ではありました。

自分としては「否」側であり、卓球という競技のフォーマットの中でいかに作者の妙想を見せれるかに期待してただけに、早々に卓球から逸脱した展開を出されて今後を不安視させるものではありました。
というかその後は歯止めがきかなくなるかのように話が進み、並行でなくなった台でも試合が続いたり、ついには人の頭は大体平行という理論で試合条件を成立させることに。……せやろか
出典:片岡誉晴『ピングポング』(集英社)

渋谷歩いてる人はみんな角刈りなのかな??
まあこの時には確実に打ち切りが決まってたので、アンケートを気にする必要が無い無敵の漫画になったから出した理論かもしれませんが…
どうであれ、ただでさえ第一印象で読者をふるい落としてるのに、内容でも線引きの違いでアンケート減らしてる余裕はこの漫画には無かったでしょう。

読んだ人は漏れなくアンケ入れるくらいじゃないと厳しそうな
打ち切り原因③ 読者に示される目標が遠すぎる
本作には10億円稼いで借金返済という目標が掲げられていたのですが、この大目標に至る為の手段である小目標がハッキリと示されなかったのも痛かったように思えます。
目標を立てたけど途中で投げ出してしまうという経験は誰しもあると思いますが、こうしたケースはゴール(大目標)だけを設定し、そこに至るまでのステップ(小目標)が己の中で定まっておらず、ゴールしか見てないから道のりが急勾配&果てしなく感じられて挫折してしまうのです。


ダイエットもまずは運動習慣をつけるところから始めないと即挫折します
話をピングポングに戻すと、序盤はガムシャラに勝ち続けて100万ずつ獲得する様子が描かれるのですが、基本的にそれだけに終始しており

このまま10億に達するまで勝負するだけなの?
途方もない話だな…
とは少なからず感じました。
7話目でピングポングがランク制であることが明かされ、ようやくランクを上げていくという小目標が説明されましたが、出し惜しむような設定じゃないし最序盤で出して欲しかったなと。
出典:片岡誉晴『ピングポング』(集英社)

目標は大きければ大きいほど良いですが、人に示す以上は達成のためのロードマップは欲しいところです
このへんに関しては稲垣先生のDr. STONEやトリリオンゲームがメチャクチャ上手いんですよね。
前者は文明再建、後者は1兆ドル稼ぐという超スケールの大目標を最初に掲げて読者の気を引き、その先の展開は小目標を分かりやすい形で立てて大目標が急勾配に感じさせないように話を進めてます。
出典:原作:稲垣理一郎、作画:Boichi『Dr. STONE』(集英社)
なので皆様も何かを成し遂げたい時は、途中で投げ出さない為にも大目標までの間にいくつか小目標という名のチェックポイントを立てて、無理しすぎず地道に進むのが良いかと思います。

なんの話やねんという感じですが
まとめ
以上、原因を考察してみました。
かなりの意欲作だったとは思うのですが、消費者に見られなければ意味が無いという商業創作の最も残酷な一面を見た気がします。
記事冒頭でも触れましたが、管理人の読んできた限りでジャンプの卓球漫画はP2!、卓上のアゲハ、フルドライブ、そしてピングポングと全て打ち切り…

P2!は1年ちょい続きましたが、他は20話前後で打ち切られてます
果たしてジャンプで卓球のヒット作が出るのは何百年後になるのか……
それでは今回はここまで!

ご愛読ありがとうございました!!











COMMENTS
納得半分悲しさ半分ですね。
まぁおおむね第一印象でしょう。個人的には1番そこが気になりました。番台がダメだったのか?なんか道具を使いすぎて差別化ができてなかった気がします。
Xで龍先生がピングポング面白い!と言っていたのに…悔しいですね
コメントありがとうございます
記事内で原因3つ挙げたものの、正直第一印象が9割5分くらい占めてると思います
8話で掲載順が下から五番以内に落ちた時点で、多分本当に読まれてなくて中身を吟味する段階に至れてなかったのかなと
内容はジャンプで生き残るための戦略みたいなものは感じたので、次回作では予告の時点から惹きつけるものが欲しいですね
発想力や派手な話の作り方が素晴らしいと思うので将来、稲垣先生やカイジのような作品書いてくれると信じて応援して行きます。
片岡誉晴先生お疲れ様でした。
コメントありがとうございます
何となくカイジ系の適性はありそうですね。キャラの掛け合いも面白かったので、次回作でも引き続き活かしてほしいです
意欲作ではありました。事実自分もバーテンまでは好きでしたし。まぁまずは1話ですかねジャンプ+のコメ欄では親の借金は受取拒否云々とかいうナンセンスなツッコミが相次いでました。まぁ自分は気にならなかったのですがあそこまで言われてるとこの辺りの細かい引っ掛かりを取り除くのも大事なのかと思わされます。
コメントありがとうございます。
意欲作であることには間違えなさそうです。1話は細けぇツッコみどころはいいんだよ、と言わんばかりの勢いとスピード感があったので自分も読んでて気にはならなかったですね
俺はもっとやっても良いと思った。もうこれは逆に激しく壊して良かったと思ってる。もうちょい派手にやってたらアンケ少しは取れたのかもな
コメントありがとうございます。
個人的にはやるなら技名が飛び交ったり、テニプリの「ダブルスでいくよ」くらいぶっ飛んでほしかったですね。
まあ結局のところ内容の良し悪しとかよりも第一印象での0話切りが多かったというのに尽きる気はします
とりあえずタイトルはもっと捻った名前の方が良かったかもしれませんね
検索しても普通のピンポンが引っかかってましたし
コメントありがとうございます。
ホントに第一印象で全てが決まってたなとは思います。あのキャラデザと一見捻りのないタイトルの予告を見て新連載キャンセル界隈が読もうと思うワケがない…
すごいスマホとかもそうですが、検索とかも見越してタイトル付けた方が良いのかなと読者視点では感じずにいられません
更新お疲れ様です
個人的には期待を寄せていた作品だったので残念です。打ち切り界の2025年新語・流行語大賞は「0話切り」が有力でしょうか
作者さんの巻末コメを見るにまだまだ意欲はお持ちのようなので、この悔しさをバネに次回作も期待したい所です
コメントありがとうございます。
「0話切り」有力ですね。大昔から起きてる現象だとは思うのですが、今年はその重要性を再認識する機会が多すぎました
管理人はずっとなんでもありすぎって言ってるけどそれは個人の好みの話で打ち切りとは関係ないと思う
風呂卓球回はXトレンド入りもしたし普通に考えたらプラス要素の方が大きくない?
コメントありがとうございます。
正直、読まれる前の段階で決していた説があるので、関係はないかもですね
でもやっぱり内容に原因を求めるとしたら意見が割れたであろうそこ以外思いつかないんですよね…
ネット上とそれ以外での評価は同じではないという事を痛感させられた作品でしたね
光るものはあったので絵柄のアップデートをしつつ今後に期待したいところです
コメントありがとうございます。
ネット社会で生きる処世術を再認識されられるような結果でした。ただジャンプラ試し読みPVも言ってしまえば「ネットの評価」なので、それが低いという事は…というところではありますが
結果は打ち切りでしたがファンも一定数ついたのは良かったのでは無いでしょうか。なんか叩かれまくって終わる漫画もあるので・・・とりあえず次回作に期待ということで単行本は揃えようと思います
コメントありがとうございます。
得るものはあったんじゃないかなと感じます。ドリトライとかは2作目でああいった評価となると次作でまともに読者に取り合ってもらえるかも怪しいですし…
自分もカエデガミは書影綺麗だったしお布施がてら買おうかなあと思ってます
漫画に限らずネットの意見ってやっぱ当てにならない事が分かった作品でもあったな
ただひまてんの場合は各ヒロインによってネットの評価が異なりそれがアンケに繋がってたからそう考えるとちょいムズいとこもあるな
コメントありがとうございます。
参考程度に留めておくのが良いということになりそうです。結局読んでない人はそもそも読んでない作品のことを基本ネットに書いたりしないから肝心の「どのくらい読者がいるか」がネットの感想では見てこないんですよね…
更新お疲れ様です。
個人手には話を通じて関係性が深まるのが主人公と一応ヒロインの2人だけだであとはずっと卓球してるだけだったのがストーリーの単調さに繋がっていた気がします。
もっと一緒に戦う仲間キャラとか欲しいけど競技が個人戦だしな…だったので、それこそもうさっさと宇宙人との戦いに移せば地球サイドとして味方キャラ出せたりとかあったのではと残念に思ってしまいました。
コメントありがとうございます。
確かにライバル枠は設けてほしかったですね。序盤は何となくテンポを最重視していたように見えましたが、横の広がりを作る機会が無くて単調ではありました。
好きな人には申し訳ないが正直画力が低すぎると思う
特に最終話は酷かった
次の機会があるならジャンプラやGIGAとかで一度修行してからの方が良いと思う
画力が低いけど漫画描く力は高かった気がする
どこで誰がなにをしているのか分かり易いコマ割りが
すんなり目に収まるようになってる
オテルゴンロンはこれがやべーくらい下手
コメントありがとうございます。
最後は力尽きてしまったのか?とは若干感じました。
まあレベルアップした次に期待です
Xでも好感触だったし、YouTubeのジャンプ系チャンネルとかでも褒める意見が多かったんですけどね…ここでも最初の方は褒めてた気がするし。
まぁ、0話切りが全てでしょうね。その他の理由は本当に些細な、連載漫画なら人気作でも抱えざるを得ないアラの範疇だと思います。
個人的には、交差点卓球がつまらなかったくらいで、その他は基本的には楽しめてました。最後の宇宙卓球とか今週のテコ朴を彷彿させる壁画のくだりとか、ぶっ飛んでバカらしくって大好きですw
コメントありがとうございます。
長々と書きましたが、結局読まれなかったに尽きると思います。
交差点の時には展開的に打ち切りが決まってたんでしょうし、もうヤケだったのかなとも思えます。人の頭が台はモチロンですが、途中平が赤信号で突進するのもそれはちょっとなぁ…とは思いました
予告絵でエクストリーム卓球やお金を賭けるような要素が皆無なのはあえてだったのかもしれませんが、結果的には失敗でしたね
内容的には、変わった場所で卓球をするというアイデアが先行しすぎて、それがどう漫画的に面白いのかという所に繋がっていなかったように思えます
着眼点は悪くなかったと思うので、まだ未熟だった点を直していければ化けるかもしれません
コメントありがとうございます。
予告はパッとしないけど、内容見てみたらなんとエクストリーム卓球でした!みたいな戦略を狙っていたとしたらそれは失敗ですね…。ジャンプは新連載キャンセル界隈の巣窟なんや……
良くも悪くも話題になれたのはよかったです。
他所で見るダメ出しや打ち切り原因考察のほとんどが私にはあまりピンと来ませんが予告の段階でよまれてなかったが答え何でしょうね。
表紙でアレ?となって実際に1話読んで盛り上がった私みたいなのがいるので隠すのも別に悪くはなかったんでしょうけど
コメントありがとうございます。
予告はオーラが無さ過ぎましたが、表紙は迫力あっておや?とはなりましたよね。ただそこから実際に読んでみようと思った読者数が少なかったんでしょう…
>所詮は地球止まりの選手です
身も蓋もない!?
でもまあ最終回の超展開だとホントその通りだからしょうがないですね……
「『主人公の運命決めた相手』が話進んだ結果『ストーリー上での存在感ゼロのモブ』になっちゃう」現象
たまーにありますよね
コメントありがとうございます。
中学生負かした程度の相手が、宇宙規模の話になってどうにかできるものではなさそうです。本来こういう現象は長期連載でパワーインフレが進んだ結果起きるものですが、本作は打ち切り決まって超展開に急旋回したせいで存在自体が散体してしまった印象です
キャラが少なくて展開に乏しいのが厳しかったですね…
何でもありすぎというのも実際影響したと思います。私は銭湯では気にならなかったですけど、交差点は「さすがに…」ってなったので引っ掛かりポイントが多かったんだろうなと。
コメントありがとうございます。
もう交差点やる頃には打ち切りが決まってて何も失うものが無いから全くと言っていいほど卓球のていを成していない内容になってしまったのではと思えてきます。にしても赤信号で突進して普通に轢かれそうになってるのに、作中では勇気あるプレイとして良しとされていたのは、ドライバーの立場になってみるとどうしても引っかかってしまいますが…
『様々な平行なものが卓球台となり、強敵を攻略していく卓球漫画』という題材自体はまさに少年漫画らしくて非常にワクワクしましたし、化ける可能性は十分秘めていた作品だと思います。
ただ、途中から破茶滅茶だけど筋が通ってるというより「破茶滅茶でルールも後出し臭く感じるものが多く、試合後のフォロー(騎馬戦に協力してくれた通行人)も特にない」など荒さやモヤモヤ感が気になるようになり、
「勢いと衝撃的な展開があれば細かいことは別にいいだろ」という作者の感性に振り回されている感覚でした。
この辺は担当編集が上手く舵取りを行うべきでしたし、この作品を実らせられなかったのはかなり勿体無いなと思ってます…。
コメントありがとうございます。
自分はサカモトの卓球版みたいな環境駆使戦術で戦うとして期待してましたが、仰るとおり途中からは飛び道具的過ぎるというか、何というか、ともかく色々はき違えてしまった感はありましたね
予告絵の段階からフックが必要なんだな…
例えば燃えるピンポン玉を撃とうとしてる絵だったら、0話切りも多少減ってたのかも…
主人公のデザインもあかんかったと思う
特徴のない顔、特徴のない服装そして外ハネ青髪長髪男
コメントありがとうございます。
そういう点では巻頭表紙を見てみると普通の卓球漫画ではないなと感じさせるものはあるんですよね。あれを予告絵でもやっておけば…
始まる前から「駅伝と卓球はムリだろ」と思わせたのはやっぱりまずかったなと。
作画担当を別で付けてもらった方が良いのでは。
コメントありがとうございます。
駅伝と卓球の予告絵見た時のあの感覚はかなり印象に残ってます。ともかく「これはヤバくね…?」と
一方の小綺麗な雰囲気だったハルカゼとカエデはイケるものかと思ってました。なお……