週刊少年ジャンプ2025年31号でBの星線が終了しました。
ピアノ漫画の先輩であるPPPPPPが打ち切り史に名を遺す衝撃の終わり方をしてから約2年の時を経て始まった本作。
結果は全20話をもって『連載』という名の奏は、これにて終幕となりました。

あと1作打ち切られたら「ジャンプでピアノは厳しい」という認識が根付いてしまいそうです
それではここから物語の集大成となる最後のコマ、打ち切りになった原因考察について書いていきます
最後のコマ
こちらが物語の最後を飾るコマです。
出典:林守大『Bの星線』(集英社)
やはりと言うべきか、タイトル回収をして終わりました。
過不足なく終わらせると思ってたんですが、Bの演奏とともに何やら怪しい人物がたくさん出てきて最後の最後で色々謎を作った〆となりました。

この辺は単行本で出来る限り語られるのかな?
特に気になったのが、ゼットンみたいな被り物をした女の人。
死者蘇生の指輪を付けてましたが、彼女は一体…?
出典:林守大『Bの星線』(集英社)
以下から打ち切りになった原因考察に移ります👇
打ち切り原因① 絵の第一印象
原因の9割くらいはコレが占めていたと思います。
今一度思い出してほしい。2025年2月3日発売の週刊少年ジャンプ2025年10号の次号予告を見た時に抱いた印象を……


なんか、これはダメそう…
と思わせてしまう力があり、実際このサイトのコメントでも同様の声が見受けられました。
このように印象づいてしまうと、内容を吟味する前からマイナスのバイアスがかかり、最悪の場合そもそも読まれないという事態になりかねず、アンケートを入れる読者の絶対数が減ることで不利な状態でのスタートとなります。


いわゆる0話切りというヤツですね
この現象が数値となって表れるのがジャンプ+の試し読みであり、パッと見の絵でいかに潜在読者にアクセス出来ているかが鮮明に分かることから、令和の打ち切リストの間では掲載順以上に残酷な指標と言われています。
ということでB線の打ち切りから約1年の範囲内で初連載かつ20話前後で終了という、本作と同じ条件下で連載かつ同じ結果となった作品群と試し読みのPVをグラフにして比較すると…👇

8話で掲載順ドベになったさいくるびよりや、8連続ドベになった白卓といった大記録を持つ作品よりは流石に閲覧されていますが、やはり同条件の作品と比べても1段や2段下回っているのは否めません。

1話から2話の下がり幅が大きいのも注目ポイントでしょうか(累々もですが)
日本の就活面接は第一印象で決まるなんて言われますが、漫画も同様と言えるかもしれません。
打ち切り原因② Bを追う謎の組織
主人公の転入試験を終え、物語が新たな局面となると同時に現れたBを追う謎の組織。
出典:林守大『Bの星線』(集英社)
Bを絡めた主人公の学校周りのことで充分話を回せそうだっただけに、彼らに割かれるパートが雑音になっていたように思えます。

ポテトサラダに入ってるリンゴの様な余計さを感じました(好きな人すみません)
入学を果たし、ここから本筋が始まるぞ!というタイミングで出てきた間の悪さもあったような…

まあ彼らが登場したのが7話目なことを考えると、打ち切りが宣告されたor打ち切りを察知して話をまとめるためにネジ込んだ説も考えられなくはないので、打ち切りの原因とは言えないかもしれませんが、いずれにせよノイズだったなと感じます。
打ち切り原因③ 主人公のキャラが弱かった
本作にはコワモテながら愛嬌のあるBや、傍若無人ながらもデレ属性がある華鳳院さん、キワモノの強キャラのようで実は平均的な家庭育ちで努力の人だった逆水クロードetc.良い意味でクセの強いキャラが多くいたのが特徴です。

華鳳院さんは双星の陰陽師の作者さんに、お気に入りと言わしめたキャラでした
そんな中にあって主人公たる夜創はあまり個性を演出できておらず、埋もれがちだったのも原因だったと思います。
個人的には主人公のキャラが弱くても話が面白ければ別に気にならないんですが、各所の反応見るとこの事に対する声が多く、作品の欠点になっていたのかもしれません。

夜創も良い意味でクセが強かったら、サンキューピッチ並みにキャラが濃ゆい漫画になってたかもしれません
まとめ
以上、打ち切りの原因を考えてみました。
作劇の巧さ、個性的なキャラ、独特なフレーズetc.武器になる要素はたくさんあったけど、絵でとにかく読者を厳選してしまうこの感じ、ツーオンアイスと姿を重ねてしまいました。

しっとりした作風も似てます
B線とツーオンとは逆のタイプである絵は上手いけど、話作りが足を引っ張って打ち切られた漫画が数としては圧倒的に多い気がしますが、この2作のようなケースも少なからず存在するあたり、やはり漫画とは絵で味わうメディアなんだと再認識させられます。
とはいえ個人的には、今後「全3巻の打ち切り漫画でオススメは?」という話になったら、ダブルアーツやアイアンナイトや三ツ首コンドルあたりと一緒にB線を挙がりそうな程には光るモノがあった作品でした。
それでは今回はここまで!

ご愛読ありがとうございました!!
COMMENTS
組織出てきた時には決まってたんだろうなぁ。
まぁもう画力ですわ表紙を見た瞬間に感じた無理そうって感想はそのままで絵があまり上手くないからって主人公が周りのモブと見分けがつくように髪型で遊ばせたのも1話切りを増やした要因でしょう。後は1話時点では家宝院さんが急に出てきて主人公にキツく当たったのも要因っちゃ要因ですかね
更新お疲れ様です!(やっとコメント欄の確認文字列が表示されました…)
組織は話を畳むために出てきたのかと思ったら、最終回に全然絡まなかったので本当に何だったんでしょうね…
死者蘇生の秘密か、ベートーヴェンとの別れか、少なくともどちらかは最終回で描かれる
→そのために組織が絡む・と思っていたので、意外だったというか…そこは流石に触れてほしかったというか…
絵はとうまさんご指摘のようにパッと見の引きの弱さもですが、なんだかヤソーの体格と言うか立ち姿が安定しないのも見ていて不安になりました。
何と言うか…首が短くて胴体や肩幅がでかい…?
ジャンプラのインディーズ枠なんかで見られる、デッサン人形に服を着せたような固い絵もアレではあるのですが、本作の場合はまずデッサン人形からスタートしても良かったのではと思ってしまいます。
更新乙です。
ストレートにダメだったエンバと比べるといろいろと惜しい作品だったように感じますが、結局は仲良く同期卒か…。
音楽の最強キャラともいえるベートーヴェンと師弟になる設定は好きでしたね
組織とかスランプとかもっと後回しにしてガツガツ進めてほしかった
話が散らかり過ぎててしかもどれも目的がぼやけてるというダブルパンチ
更に打ち切り決定後も何させたかったんだかわからないまま話を畳めてない
話が単純につまらないとか、出し惜しみをして大失速とはまた違ったタイプの酷い打ち切り作だったね
最終話に組織が絡んでいないあたり、組織が出てきた段階では打ち切り宣告まではされていなさそう
もっと学園生活を描いてほしかった
皆さん書いている通り組織はノイズでしかない(しかも不快感しかない)ので
ベートーヴェンとの学園生活でもっと安定させたほうが良かったですよね。
それこそ青のオーケストラとかにファンタジー一振り、でよかったかも。
(ジャンプのスピード感とこの主人公のデザインでイケるかどうかは悩ましいですが)
良いところはいくつかあったけど、悪いところは致命的に悪いという作品でした。
画力だけならまだしもストーリーもぐちゃぐちゃだし、ピアノ弾いてるシーンとかベートーヴェンとか華鳳院さんとか割と魅力があった要素を全部ほったらかしにして、ポッと出の女子のお手伝い始めるし。
特に転入後の展開は全然練られてなくて一週一週ぶっつけで描いてたんじゃないかって思っちゃいました。
主さんのおっしゃる通り0話切りも多そうだったと考えられますが、もしこれが超絶美麗作画だったとしてもその顛末はテンマクキネマだったんじゃねえかなって思います。
パ◯ピ孔◯みたいなノリの方が良かったのではという気がしないでもない