【俺たた】打ち切り漫画 レッドフード 紹介

③歴代の打ち切り漫画紹介
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週刊少年ジャンプ2025年24号より灯火のオテルの連載開始が発表されました。

作者の川口先生ですが、前作では打ち切り史に大きな爪痕を残したことで一部界隈では有名だったりもします。

ということで、灯火のオテルの前作にあたるレッドフードについて紹介。

週刊少年ジャンプで2021年30号~2021年49号に掲載。全18話、全3巻

主人公のビジュアルがオテルと似てる??

令和初期の打ち切り作と言えばタイパラ、サム8、血盟etc.史上最凶説が出るほどの精鋭ぞろいですが、それらに劣らないインパクトがあります。

以下で中身を見ていきます👇

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長すぎるチュートリアル

まずは本作の世界観についてですが、良い意味で分かりやすく明解なファンタジー作といったところ。

人に化ける怪物・人狼蔓延はびこる世界で、育ての親である村長を殺された主人公ベローが、狩人組合(対人狼組織)の主砲・グリムと出会ったことで狩人としての道を歩むという王道と呼べるファンタジー世界観で物語が始まります。

出典:/川口勇気『レッドフード』(集英社)

設定と導入はかなり手堅くまとまっています

このように王道の世界観を征くこの漫画、しかしその後の展開は修羅の道を突き進むこととなります。

まず肝心の人狼ですが、物語全体で3匹しか出てきません。

1匹目が第1話でチュートリアルとして出てきたベローの村を襲った人狼。

出典:/川口勇気『レッドフード』(集英社)
[1話]レッドフード/週刊少年ジャンプ新連載試し読み - 川口勇貴 | 少年ジャンプ+
狩るか狩られるか!?人狼と少年ベローの意地と誇りと命をかけた...

2.3匹目も村を襲いに来た人狼であり、ファンタジー作品でありながら1つの場所から出ようとしません。

出典:/川口勇気『レッドフード』(集英社)
[2話]レッドフード/週刊少年ジャンプ新連載試し読み - 川口勇貴 | 少年ジャンプ+
狩るか狩られるか!?人狼と少年ベローの意地と誇りと命をかけた...

問題なのがこの2.3匹目も1匹目同様、狩人になる前のチュートリアル的な敵であり、立ち位置で言えばせいぜいカンダタやスターマンの息子くらいなのですが、コイツらの撃破に3話もかけてしまいます。

連載当時は村から出ない漫画」として一部で話題となりました

第5話のラストにしてようやくベローが狩人になる決意をしますが、毎週のアンケートが重視される関係上、瞬間的爆発力が求められるジャンプで本筋に入るまでの過程をジックリ描いてる暇は本来ならありません。

出典:/川口勇気『レッドフード』(集英社)

「本誌では展開遅く感じたけど、単行本で読むと気にならない」というのはよくある現象ですが、これに関しては単行本ベースで読んでもやはり遅い。

そしてお気づきの人もいるだろう

5話までで人狼全部出ちゃったけどこの後の展開は何するの??

ということで物語はここまでの展開が可愛く見えるほどの更なる修羅の道へと歩を進めます。

ケイドロをやります!!

6話からは第2章として、狩人組織に入る為の試験編となるこの漫画。

しかし新章と同時に試験が始まるワケではなく、移動やキャラ紹介で3話を費やすことに。

出典:/川口勇気『レッドフード』(集英社)

が中々始まらない……

人狼たちも出番が無くて暇してそうですが、これはまだ文字通りの序の口。

試験本格的に描かれるや否や、この漫画はさらなる無間地獄を突きつけてきます。

その試験の内容とは……

出典:/川口勇気『レッドフード』(集英社)

ここまで超スローペースで来たにも関わらず、まだ物語の本筋と関係無いことをやる宣言をしてしまう試験官。迫真の大ゴマも相まってこの漫画で1.2番目に有名なシーンです。

それはそうと、このケイドロにかけた話数ですが圧巻の6話

もちろんこのケイドロにも人狼は絡んできません

「いつの間にか人狼狩りつくされたのか?」と考えたくなる話数配分であり、結果的に全18話で終わることを考えると物語の1/3はケイドロが占めていることから、ある意味で本作を象徴する要素となっています。

試験の中身は…前振りが長かった割に受験者のキャラがあまり立ってないこともあり、目を引くものがないというか……あとは若干コマ割りが分かりづらいところもあります。

出典:/川口勇気『レッドフード』(集英社)

言わずもがなですが、やはり冗長さが一番目立ちます

ケイドロやってる途中に打ち切りが宣告されたため、試験が終わった瞬間に本作は世界の真相を知る最終章へと突入します。

急なメタ展開

試験編は合格で幕を閉じ始まる第15話、サブタイトルは『終点』つまりそういうことです。

この章では世界の真相を語る段に入ります。

出典:/川口勇気『レッドフード』(集英社)

さっきまで鬼ごっこしてたとは思えない急転ぶりです

最後まで温めておくつもりだった設定や伏線の回収が一気に行われる関係上、情報量が多いので簡単にまとめると

怒涛の設定開示

・上位存在なる者(神)がいて、レッドフードの世界は彼らを楽しませるための創作の世界だった

・狩人組合は上位存在が満足するシナリオを書くことで世界を存続させるための組織だった

・上位存在を楽しませないと世界が破滅する

・村長(実は生きてた)は破れたページからベローを創り、そんなベローはシナリオを無効化する力がある

といった感じです。

つまりまさかのメタオチがぶっ込まれました

出典:/川口勇気『レッドフード』(集英社)

こうして整理すると上位存在=ジャンプ読者狩人組合=制作サイドとあてはめることもでき、上位存在を楽しませることが出来ず18話で世界が破滅した打ち切られたと解釈すると何だか色々と得心してしまいます。

そして物語はクライマックスへ……

最終話: 戦いは

遂に迎える最終回、サブタイトルは『戦いは』

まさか出るのか…!?あのフレーズが!

ベローを使って上位存在を楽しませるだけの世界の破壊を目論む村長がラスボスに。

本が銃の形になり、これで村長撃てば万事解決と若干モヤるラストバトルですが、もう最終回なので気にしてる暇はありません。

出典:/川口勇気『レッドフード』(集英社)

ケイドロの1/6の尺で終わらせなければならず一切の無駄が許されません

このまま上位存在を楽しませるだけの世界の崩壊を受け入れるか、それともシナリオの無い茨の道を選ぶのか、選択はシナリオの干渉を受けないベロー次第。彼が取った選択は……

というところで最後はシナリオの無くなった世界でベローが「俺たちの戦いはこれからだ」と発言し、俺たちの戦いはこれからとなりました。

出典:/川口勇気『レッドフード』(集英社)

い、言ったーーーー!!!!!

打ち切り終了のアーキタイプとなって久しいこのフレーズですが、本当にコレ言って終わる漫画は初めて見ました。

似たようなフレーズで終わった例はありますが(ミタマセキュ霊ティなど)、純度100%の俺たたは観測史上初ではないでしょうか

ちなみにこのフレーズ通り、単行本最終巻ではベローたちの「これから」を描いた物語と読み切り版レッドフードがページが許す限りで掲載。

本編では描かれなかった狩人としての活躍が垣間見えるので、気になる方は見てみてもいいかもしれません👇

まとめ

以上、レッドフードについてでした。

序盤の展開の遅さで票を大きく落とし、打ち切りが決まってからは怒涛のメタ展開からの「俺たち戦いはこれからだ」と、ただの打ち切りじゃねぇぞ…という気概を感じさせる作品です。

ちなみに記事投稿時点では次作の灯火のオテル連載開始直前。

果たしてオテルはどのような筋運びになるのか…

とりあえず早めに村を出て物語の本筋に入った方がよさそうです

それでは今回はここまで!

ご愛読ありがとうございました!!

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COMMENTS

  1. 匿名 より:

    ファンタジー系の打ち切りはレッドフード然りいらんことに話数費やし過ぎなんですよね。
    アイスヘッドギルならゴロツキやサナの話に無駄に費やした上にサナは好感度が微塵も上がらない。ギンガとリューナも中弛み凄まじい。このジャンルで特段酷い箇所がないのに打ち切られたのはここ数年だと精々人造人間100くらい。
    川口先生はアネモネ作者同様にせっかく師匠(ヒロアカの堀越先生)譲りの高い画力を持っているのだから話作りをどうか頑張ってほしいです。

    • とうま とうま より:

      コメントありがとうございます。
      ファンタジーだからゼロから世界観構築しなきゃいけないだけに、設定説明に尺割かなきゃいけないのかなと思いたいところですが、レッフーの遅さはそれだけでは説明がつかないのがな…
      アイギルは序盤のサナのキャラが痛すぎたのと、ギンリューは最序盤は早すぎたけど設定が中盤までふわふわし過ぎてて中弛み
      確かに多少設定に違和感はありつつも人造が1番良い線いってたかもしれません

  2. 匿名 より:

    打ち切られた時のこと考えて話を作る事はできるのになぜ話のテンポが少年漫画の命である事については考えが及ばなかったのだろう
    名作の序盤が急展開(からの引き伸ばし)ばっかりだから逆張りで最初から丁寧にしようとしたのかもしれないけど誰もやってないということはやってはいけないからやらないって事にほかならない

    • とうま とうま より:

      コメントありがとうございます。
      100歩譲って村から5話出なかったのは一応物語の本筋である人狼とのバトルをしていたから良いとしてもその後主変キャラ紹介に3話かけてケイドロに6話はマズいと制作サイドの誰かが思わなかったんですかね…
      まあ単行本の作者コメントで思うようにいかないことばかりと言っていたので何かと事情がありそうですが

  3. 匿名 より:

    ここまで打ち切りになった原因がはっきりとしてるとさすがに今作ではちゃんと修正してくると思うんですよね。ちゃんとしたストーリーかつちゃんとした構成のモノを引っさげてきたら大ヒット打てそうなポテンシャルを感じるので、現時点で今年度の新連載では一番期待値高いです。上半期ももう終わるところだしそろそろガッツリ中堅や上位陣にまで食い込むような作品を輩出してほしいところ。

    • とうま とうま より:

      コメントありがとうございます。
      実際に連載中も画風はかなりウケていたのでやはりお話が、ということになりそうです
      今年度の新連載、エンバBはドベ1.2固定で、プリズンもアンケで評価されるなら正直厳しそうなので、オテルが一発かましてくれることに期待したいですね…

  4. 匿名 より:

    なんとなくヒロアカっぽい絵柄だなぁとは思ってたけど元アシスタントなんですね
    絵柄は好みなので気になる〜イチがある今ファンタジーは生きていけるのだろうか……

    • とうま とうま より:

      コメントありがとうございます。
      レッフー連載前はヒロアカのだったようです。レッフー終わった時の巻末コメントでも堀越先生から労いの言葉があったので仲は良好なのかもしれません
      まあちょっとイチとうまくやっていけるかは気になりますね…

  5. 匿名 より:

    絵はとてもうまいけど漫画があまり上手ではない感じがした作品でしたね。
    コマ割りも含めて状況がわかりづらいというかコマとコマの間の補完がしづらくて、なんでこうなってるんだろうと思う部分が多いことにより没入感が削がれてました。
    恐らく全体的に、作者の考えてる補完の動きと私(読者)の推測する動きにズレがあり、疑問を持ったまま進んでしまうことが原因です。
    物語としても、個人的には凄く強そうな味方のグリムやデボネアなどの力量が思ったより圧倒的ではなく、登場人物の印象にメリハリが足りなくなってしまっていたのもおしいところですね。
    ただ、間違いなく画力はあるので期待できる作者だと思います。

    • 匿名 より:

      カラー地獄には耐えれるだろうから今なら打ち切りはないとは思うけど最上位行くにはコマ割りやら魅せ方やらがないときつい時代だからねぇ

    • とうま とうま より:

      コメントありがとうございます。
      画力は凄かったんですが、いざ繋がりで見ると確かに分かりづらい部分はありましたね。特にケイドロの協力シーンとかでしょうか
      グリム結局ほぼ空気で終わったのがなあ…。というか結局ベロー以外は無力な台本上のキャラですし

  6. 匿名 より:

    好きやったなぁあの感じで熱かった植物使いのおっさんとかやっぱテンポって大事なんだと思うな村は1話で出て単行本一巻までに試験を終わらせるべきだった

    • とうま とうま より:

      コメントありがとうございます。
      レッフー読んだ後にブラクロ読むとこれが正解か…、となりますね。2話でさっさと組織加入試験開始して、1巻終わるころには設定の説明も終わらせて本筋の任務に取り掛かかりつつ周辺キャラの掘り下げもガンガン進めてる
      レッフーも2話で試験編始めれば違う結果になったかも…と思いましたが、ケイドロ編が1番アレだったのでやっぱり色々厳しそうです

  7. メリー より:

    絵柄はマジ好き
    絵柄は

    • とうま とうま より:

      コメントありがとうございます。
      自分も好きでした。1話は堅実な内容だったからメッチャ期待して何なら村にいた5話までも贔屓目で見てたけど、その後移動やキャラ紹介に尺割きまくってた頃にはもう…

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